中国海軍艦船が米海軍の無人潜水機奪い米政府が非難
- カテゴリ:ニュース
- 2016/12/17 17:06:16
【ワシントン=青木伸行】米国防総省のジェフ・デービス報道官は16日、南シナ海で米海軍の無人潜水機が、中国海軍の潜水艦救難艦に奪われたと明らかにした。米政府は国際法違反と非難し、中国政府に即時返還を要求している。
事件があったのは15日、フィリピン北部ルソン島にあるスービック湾の北西約93キロの海域。米海軍の測量艦「バウディッチ」が、2機の無人潜水機を回収しようとしていたところ、潜水艦救難艦が約450メートルのところまで近づき、小型ボートを出して1機を奪った。
バウディッチは無線で返還を求めたが、潜水艦救難艦は応答せず要求を無視した。デービス報道官は中国の行動を「国際法違反」と批判した。
報道官によると、無人潜水機は海水の温度や塩分濃度、透明度といった「非機密扱いの情報」を収拾していた。ただ、無人潜水機によって収集された海底の地形などを含む情報は通常、潜水艦の航行や対潜水艦作戦に活用されている。
米海軍艦船はスービック湾を使用し、その沖には中国とフィリピンが係争するスカボロー礁もあり、今回の事件の周辺海域は“前線”の一つとなっている。
http://www.sankei.com/world/news/161217/wor1612170012-n1.html
USSバウディッチ(T-AGS 62)はパスファインダー級の海洋調査船です。
http://www.msc.navy.mil/inventory/ships.asp?ship=17&type=OceanographicSurveyShip
自律型無人潜水機アンダーウォーターグライダーによる、ディーゼル発電装置を内臓したドローンを使って数週間から最長6か月にわたって海底調査をすることが可能とされています。
フィリピンのタクロバン港に2013年に派遣され、同年発生した台風30号による海底の影響を調査、潜水艦の航行用のデータを収集していたとされています。