Nicotto Town


速水猛のブログ アルカディア「Ἀρκαδία 」


鍋蓋と無手勝流


これは、頓知のきいた話であるかも知れない、塚原 卜伝(つかはら ぼくでん)の話で『甲陽軍鑑』に伝わる]「無手勝流」がある。この中で、卜伝は琵琶湖の船中で若い剣士と乗り合いになり、相手が卜伝だと知ったその剣士が決闘を挑んでくる。彼はのらりくらりとかわそうとするが、血気にはやる剣士は卜伝が臆病風に吹かれて決闘から逃れようとしていると思いこみ、ますます調子に乗って彼を罵倒する。周囲に迷惑がかかることを気にした卜伝は、船を降りて決闘を受けることを告げ、剣士と二人で小舟に乗り移る。そのまま卜伝は近傍の小島に船を寄せるのだが、水深が足の立つ程になるやいなや、剣士は船を飛び降り島へ急ごうとする。しかし卜伝はそのままなにくわぬ調子で、櫂を漕いで島から離れてしまう。取り残されたことに気付いた剣士が大声で卜伝を罵倒するが、卜伝は「戦わずして勝つ、これが無手勝流だ」と言って高笑いしながら去ってしまったという。

また、講談では

若い頃の宮本武蔵が卜伝の食事中に勝負を挑んで斬り込み、彼はとっさに囲炉裏の鍋の蓋を盾にして武蔵の刀を受け止めたとする逸話があるが(右記の月岡芳年の錦絵などで知られる)、この二剣豪は同時代ではなくこれについては全くのフィクションである。この二つの話を

読んでみたら、剣豪というより、とんち爺さんとでもあだ名をつけたくなりそうである

 





Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.