Nicotto Town



現代の独り呑み文化


「おひとりさま」という語に続いて「ソロ活」なる単語まで出てきました。
所属もなく、独り身でいることをSNS等で上手に演出する技術のようです。
若い世代にはそれが重要なのか。呑みに行くにも知人が欲しいらしい。

呑み歩き番組や旅番組の興隆にもかかわらず、「仲間」といたい人が多いらしい。
これが非常に不思議である。下戸の私であるが、ある程度は独りで呑みに行く。
これは二十代のころから変わらない。「袖摺りあう」ワクワクを求めるのである。

居酒屋や地元の方が集まる酒場というのがたいへんヨロシイ。
入ってカウンターのどこかに陣取り、酒とサカナをちょこっと頼む。
ニコニコ店内を見学する。主人や酌婦(古い言い方だな)と二言三言会話も。

近くで話してる方の話題に耳を傾ける。スポーツ、社会、家庭、遊びなど様々。
知らないことは何でも面白いと思うのでニコニコ耳を傾ける。目線が合えば会釈。
「な、そうだよな?」なんて振ってもらえれば、とたんに食いつくのです。

自分の話をしたくて入るのではない。他人の、未知の話題が面白い。
サカナを追加する。よかったら、と勧める。代わりに何かもらう。ポトラッチ。
いつ店を出ても誰にもとがめられない。こういう自由度が独り呑みの醍醐味だと思う。

知り合いがいないから自分を擬態する遊びもできる(あまりやらないが)。
やや快活な人間を演じる。自営業者のフリをする。独り者を演じる。
でも横浜出身であることや、個人的な好みは一定。これが私の軸かもしれない。

どんな酒場でも、こうやって話し相手を探すことができたと思う。酒呑みは話好きだ。
さてこういうのは「ソロ活」の趣旨に反するのかな? 異性との関係が前提なのかな?
自らの仮初の充実を週末ごとにブログやツイートでつぶやきたいのかな? 不明。

尤も、個人生活の充実が世間からの評価基準になる現代、若者には重要なのか。
誰とも繋がっていないことは恥なのかしら。絡んでもらわないと自己崩壊なのかしら。
うーむ。精神の脆弱、という単語を使いたくなるなー。叱られそうだが。

私が当たり前(と思う)の人間関係を構築している故の、上から目線なのだろうか。
オマエは恵まれているから、オマエは特殊だから、と非難されたら何というだろう。
むむむ……スンマセンデシター、と頭を下げて逃げるしかなかろう。難しいわ。




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