Nicotto Town


ボーヤのブログは、一日にして成らず ^o^;


ヤンキーに絡まれまスター! (その3)



「これを送り終えるまでは、逃げないよ」
「なら、ベイダー卿の弟子になっちゃえよ・・・」

「な、ならないし」
「それしか、助かる道はねぇぞ・・・」

「そうだとしても、弟子にはならないから。 ダークサイドに堕ちるなんて、しないから」
「ダークサイドに堕ちて・・・ ダース・セイジになっちゃえよ・・・ ダース・セイジ!・・・ ははは、いい名前じゃねぇか・・・ 笑ったら胸が痛ぇ・・・」

「ば、バラキ君! 今 救急車が来るから、もう少しの辛抱だよ!」
「今日は・・・、観たくもねぇ 映画に誘っちまって、悪かったな・・・」

「そ、そんなこと ないよ! バラキ君と映画を観られて、楽しかったよ」
「そか、それじゃ、よかった・・・ おれも楽しかったぜ・・・・・・ 今まで ありがとうな・・・ あばよ」

「ちょ、ちょっと、バラキ君! 死んじゃ だめーー」
「バラキじゃねぇ・・・ バラキン・スカイウォーカー だ・・・ぜ 」

「ば、バラキンくーん! フォースは汝と共に、汝はフォースと共に 」
「・・・」

「フォースは汝と共に、汝はフォースと共に・・・」
「・・・」



「やい、コラ! 起きろ、セイジ!」
「え? あ、バラキくーん! 生きてたんだねー」

「ん? あんた 今、夢を見てましたね?」
「はい、とても悲しい夢を」

「って、何で毎回毎回、映画を観ながら寝てんだよ!」
「ごめん、ごめん。 今日は、完璧に寝ちゃってました」

「お前が 『君の名は』を 観たいって言うから連れて来てやったのに、何で寝てんだよ! 寝不足だか何だか知らねぇけど、ひとと映画を見に来る前の日ぐらい、早く寝ておけって言ってんだろ!」
「僕だって、昨日のうちから、今日 出かけるってわかってたら、早く寝たよ! 昨日、バラキ君と映画を観て 一日遊んじゃって、計画通りに勉強できなかったから夜遅くまでやって。そしたら、今朝 突然、映画観ましょ~って、また誘いに来られて、寝不足のまま映画を観てたら熟睡もするよ!」

「つまり、何だ、俺が悪いってことかよ?」
「悪いよ! トランプ氏の支持率くらい悪いよ!」

「はぁ? どんだけだよ!」
「知らないよ、そんなの!」

「てか、お前、油断しすぎだぜ! ”二度あることは三度ある”って、ことわざを知らねぇのかよ!」
「知ってるよ! 知ってるけど、まさか受験生の家に 二日続けて映画を観ようって、誘いに来るなんて思ってもみない・・・ あ、三度あるってことは、もしかして三日目もあるってこと?」

「明日、三日目の映画は 『この世界の片隅に』 に、なっております」
「ちょ、ちょっと! もし、明日も誘い来たら怒るからねッ!」

「もう、怒ってんじゃねぇかよ」
「そりゃ怒るよ! もう、来週はセンター試験だって言うのに! そっと しておいてよー」

「あ、来週、試験だったのか? そんならそうと、早く言えよ!」
「言えないよ! バラキ君、半年も前から 観るの楽しみにしてたでしょ?」

「してねぇよ! スター・ウォーズ以外の映画を、半年も前から楽しみにしてねぇよ!」
「あ、そうだったね、ははは」

「さて、映画も観たことだし、帰るか」
「え?もう? なんだか、なごりおしいね…」

「ほら、帰って、勉強、勉強!」
「え? バラキ君も、一緒に勉強してくれるの?」

「しねぇよ! お前が自力でやれよ、コラ!」
「そ、それもそうだね、ははは」

「もう、お遊びは終わりだ! 帰るぞ!」
「ちょ、ちょっと待ってよ、バラキ君! そんなに早く歩くことないでしょー」


「あ、そうだ!」
「イタッ! きゅ、急に立ち止まらないでよ!」

「なんだか、小腹が空いてきたからよ、何か食って帰ろうぜ!」
「え? バラキ君にも、小腹って、あるの?」

「そりゃ、あるよ、人間だもの! え? どの辺かって? そりゃ、この辺だろ? いや、もう少し こっちか?」
「なんだか、バラキ君といると、気持が軽くなるよねぇ」

「おっ!ちょうどいいところに、アイス屋があった! あそこで食っていこうぜ!」
「え? アイス?」

「なんだよ、食いたくねぇのかよ!」
「この寒い時期にアイスを食べるのは、ちょっと ・・・冷たそう」

「寄りたくねぇなら、さっさと帰れ! 一人で食っていくからよ」
「寄りますよ、寄りますよ。 僕も 寄って食べていきますよ」


「・・・」
「あ! ちょっと冷たいけど、実際 食べてみると おいしいね!」

「・・・」
「バラキ君、食べてるときは、静かだね」

「・・・」
「・・・」

「やっぱ、この時期にアイスを食べるのって、少し無理があるな。 冷てぇし」
「だから、入る前にそう言ったじゃん!」

「それは そうと、お前、さっき何の夢 見てたんだ?」
「え? 夢?」

「映画を観てた時、寝てただろうが!」
「あ、そうだった。 もうね、完全に寝ちゃってたw」

「寝言で、ホースとか言ってたけど、馬の夢でも見てたか?」
「あ、それはね、ホースじゃなくて、フォース! スターウォーズの夢を見てたの!」

「はぁ? お前、『君の名は』 を観に来て、『スター・ウォーズ』 の夢を見てたのかよ!」
「まぁ、そういうことになるかな。 あのね、どんな夢かと言うとね、うちの学校の校長室に忍び込んで、金庫の中の校則を盗もうとしたんだけど、」

「おい、それって犯罪だろ!」
「え? でも、夢の中だよ?」

「夢の中でも、犯罪は犯罪だろ!」
「でも、金庫の中身を盗もうって言ったのは、バラキ君だよ!」

「あ、そうなのか? 身に覚えがねぇけど」
「それでね、そうこうしてるうちに、ダース・ベイダーが現れてね、」

「何だよそれ! いきなり豪華すぎるだろ!」
「それでね、ダース・ベイダーと バラキ君が 」

「え? 俺も出てくるのか? 豪華すぎだろ! てか、ギャラよこせ!」
「え? 夢の中だよ! それでね、ダーズ・ベイダーが バラキ君に弟子になれ!って、言うんだけど、バラキ君は キッパリ断わって、」

「おい、お前の夢の中のバラキは、バカか? 意思 弱すぎだろ! 本物の俺なら、一つ返事で弟子になるぜ!」
「それこそ、意思が弱すぎでしょ!」

「で、どうすんだよ? 夢の中バラキは 弟子入りをお断りした後、よい企業に就職したりするのかよ?」
「そ、そうじゃなくてね、結局 ダース・ベイダーと戦うことになるんだけど 」

「はぁ? ベイダー卿と戦うだぁ? 無謀すぎるだろ!」
「それがね、そうでもないの! 互角に戦ってね。 でも、結局は窮地に追い込まれちゃうんだけど…」

「まぁ、冷静に考えれば、そうなるわな」
「僕は、その間、金庫から取り出した校則を、副会長の家へファックスしてるんだけど、」

「おい、なんだよそれ? 旧友である俺が 窮地に追い込まれている時に、お前はのほほんと、ファックスだぁ? そんなことやってねぇで、助けに来いよ、コラ!」
「それもそうなんだけど、でも、ファックスも重要だったんだよ! だって、そのファックスに1億5千万人の生徒の行く末がかかってたんだから!」

「え? お前の高校って、そんなに たくさん生徒がいたか?」
「結局、バラキ君も、僕も やられちゃうんだけど…」

「まぁ、仕方ねぇな。 ベイダー卿が相手じゃ、太刀打ちできねぇよ」
「でもね、バラキ君が食い止めていてくれたおかげで、副会長のレイナ(玲奈)さんにファックスを全部送ることができたの!」

「おぉ、それはよかったじゃねぇか! 俺の死も無駄じゃなかったってことか」
「うん。 間一髪だったけどね」

「で? そんなに命までかけて送ったファックスに、何が書かれてたんだよ?」
「それは― 」

「それは?」
「希望です」


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2017/02/03 23:11
夢だったのね( *´艸`)
笑って読んでいましたが、最後の言葉が深いですね。
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2017/02/02 00:24
友也さん

夢で見たことを、こんなに憶えていることはありませんけどね ^^;

最後まで「希望」は 捨ててはいけませんよね。
スターウォーズの新作「ローグ・ワン」で、ある人物が最後に言うセリフ、
「希望です」に感銘を受けまして、今回のヤンキーシリーズを書くことを
思いついたのでした!

セイジ君、かなり焦りながらファックスしていたと思われますがw
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2017/02/02 00:00
柚子さん

スターウォーズの新作「ローグ・ワン」で、ある人物が最後に言うセリフ、
「希望です」に感銘を受けまして、今回のヤンキーシリーズを書くことを
思いついたのでした!

できれば、パンドラの箱は開けたくないですけどね ^^;

某銀行のドラマでは、引き出しの裏に暗証番号の紙が貼ってあったん
ですよ!
アバター
2017/01/29 23:32
夢で気付かされることありますよね
希望いいですね
夢の内容知らなかったら、戦ってる時ファックスしてたって言われたら、確かに怒るw
アバター
2017/01/28 21:12
ほのぼのと笑って読んでいたら、最後の「希望です」で、こう……ぐっと来ました……

希望、ですね。うん。
パンドラが最後に見つけたのも希望でしたね……
わたしたち、大事にせんといかんですよね。

ところでやっぱり暗証番号のメモはなかったじゃないかバラキくん!ないよ!さすがに!



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