テレフォン
- カテゴリ:小説/詩
- 2017/02/21 15:05:45
電話が鳴らない
いつもの時間なのに
待っていた この時間を
でも知っていた この時間を
もうあなたからの電話は来ない
いつもいつも待っていて
いつもいつも長電話して
楽しい話ばかりで笑いこけて
お休みと互いに言って
そして明日が来たはずなのに
膝を抱えてじっと時計を見る
あなたはどうしているのだろうか
空白になった時間を
誰かと話しているのだろうか
でも疑いたくない
夜更けまで待っていて
明日早起きしなきゃと思う
こんな事を想うなんて
もうあなたを愛していないのだろうか
あんなに愛していたはずだったのに
愛って何
消えていくものなんだろうか
永遠のものだと信じていたのに
傷がつけばすぐに
空気が抜けていくものなんだろうか
もう一度抱きしめたかった
そうしたらあなたが帰ってくる気がした
でももうそれも無駄なことで
あなたは今遠い所にいる
もう手も届かない
毎日の長電話も
きっともう忘れてしまうのだろう
でも忘れないものが一つ
あなたの心のぬくもりが
この手に残っているという事実
でもまだ新しい出会いが待ってますよ。