中国が南シナ海の人工島にミサイル格納施設
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- 2017/02/26 18:27:37
中国が南シナ海に造成する人工島に地対空ミサイルを格納できる新たな施設の建設を進め、完成間近だと見られることが、アメリカのシンクタンクによる衛星写真の分析でわかりました。
アメリカのシンクタンク、CSIS=戦略国際問題研究所によりますと、新たな施設の建設が確認されたのは、中国が人工島を造成する南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島のファイアリークロス礁とミスチーフ礁、それにスビ礁の3か所です。
このうちファイアリークロス礁では、今月7日に撮影された衛星写真で人工島の先端部分に長さ20メートル、幅10メートルほどの大きさの施設が複数、建設されているのが確認でき、CSISでは中国の最新型の地対空ミサイル、紅旗9を格納できると指摘しています。
また、ほかの2つの人工島でも同じような施設の建設が進み、いずれも完成間近だと見られるとしていて、ロイター通信は施設の数はおよそ20に上るとしています。
3つの人工島には、いずれも軍用機が離着陸できる大型の滑走路があるため、今後、中国が防空態勢の強化を目的に地対空ミサイルを配備する可能性もあり、CSISはその場合、施設に開閉式と見られる屋根がついているために上空からの監視では動向をつかみにくくなるとしています。
CSISは、これらの施設の建設は去年の9月以降に始まったと見られるとしていて、今後、軍事拠点化をやめるよう求めてきたアメリカをはじめ各国の反発も予想されます。
中国「適度な防衛は当たり前」
中国外務省の耿爽報道官は、22日の記者会見で「中国がみずからの領土に正常な施設を建設し、国土の防衛に必要な適度な施設を配備することは、国際法が主権国家に与えた当たり前の権利だ」と反論しました。
菅官房長官「紛争の平和的解決へ努力重要」
菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、「南シナ海をめぐる問題は地域の平和と安定に直結し、わが国を含む国際社会の関心事であり、わが国としては常日頃から重大な関心を持って情報収集・分析に努め、その動向を把握している」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は「わが国はこれまで一貫して、海における法の支配の貫徹を支持してきており、南シナ海をめぐる問題のすべての当事国が、国際法に基づく紛争の平和的解決に向けて努力することが極めて重要だと訴え続けている」と述べました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170224/k10010888541000.html