太閤立志伝Vより武田信智の物語
- カテゴリ:自作小説
- 2017/03/04 12:54:01
ここは、織田信長の治める尾張の国の、清洲の城下である、時は永禄3年(1560年)
その道を独りの男が歩いていく、草鞋履きで、青い小袖を着て紫の袴姿である、腰には2尺9寸の長い刀と9寸5分の鎧通しを指している、髷は茶せんで、少し、ほこりが付いている、顔は割と男前でもある、
ここは、武士たちの長屋や屋敷の地区なので、仕官を求めているのかもしれない、
「木下定利、道松)の家来たちが外に出て、近くを通る商いの者たちに難儀をはたらいている
(男」(また、足軽の乱暴か、こまったものだ、仕方ない、手を出されたら、おさめるしかない」
(男)はそのまま歩いていく
「木下定利、道松)の家来たち、「いいかもがきたようだ、腰のものは、いいやつかもしれん」と彼らは、男の前を塞ぎ因縁をつけてくる
「男)(そう来ると思っていた、今日は少々機嫌が悪い、さあこい、」と男は、近場にあった、1尺5寸の薪を取ると、片手で構える
「木下定利、道松)の家来たち(この男、体がでかい、男の身長は五尺八寸もある、)今でいえば175センチある、何せ、この時代は、150センチ台が平均だからだ、
(男)(さあ、来るかい、痛いだけでは済まないぜ」小太刀のように片手晴眼に薪を構える
「木下定利、道松)の家来たち「やっちまえ」と棒を降って、襲い掛かる、そして間合いを詰める男
(男)(簡単なやっらだ」とこともなげに、家来たちを伸ばしてしまう
(前田利家)が通りかかり、(男に声をかける(前田利家、)(俺は、この近くに住む浪人者、前田 利家(まえだ としいえ)というんだが、お前さんは何者だ、名を聞かせてほしい」
(男)(俺の名かい、甲斐国前守護・武田信虎の八男、武田信智「たけだのぶとも)という、仕官目当ての浪人だ、今はこの町で、寺小屋みたいなことをしているんだ
「前田利家)(驚いたな、武田の一族であるかもしれない、上に、剣術にも心得があるようだな
「前田利家)(面白い、俺の知り合いの男のところに行って、酒でも、飲みながら、話をするか
「武田信智)(おお、それはいい、そうするか)と二人は、暗闇迫る城下を歩い