貴族探偵 感想文
- カテゴリ:テレビ
- 2017/05/16 17:03:07
貴族探偵 #5
フジテレビ 月曜夜9時~
▼密室ミステリー
今回から、雰囲気たっぷりの洋館を舞台にした密室ミステリーを、2週に分けて放映するようです。
貴族探偵の正体を確かめるため、友人の依子の紹介で、元華族にして富豪の桜川家を訪ねた愛香。
屋敷ではとある行事が行われており、家人と使用人以外に、4人の青年が宿泊していました。
その行事とは、桜川家の跡継ぎである1人娘・弥生の婿選び。
昔からの伝統で、複数の花婿候補者の中から、一番に雉を射止めた者が選ばれ、その雉は「蓬莱の雉」として、
その日のうちに食卓に並び、家人と候補者たちで食し、候補者たちは生血も飲むというものです。
ただ現在では形骸化しており、行事はやるものの、花婿は娘が選ぶことができるようです。
生血は桜川家に代々伝わる容器で飲むのですが、雉を最初に射止めた候補者だけ桜色の器で、
他の候補者は地味な色の器で飲むことになっています。
愛香は当主の鷹亮に会い、貴族探偵のことを聞き出そうとするのですが、
何と行事の立会人として貴族探偵も屋敷に招かれており、結局聞くことはできませんでした。
▼登場人物
>桜川鷹亮♂…桜川家の当主。81歳。桜川家を没落貴族から絶大な権力を持つ財閥に育て上げた張本人。
>桜川弥生♀…鷹亮の孫娘。桜川家の跡取り。使用人の愛知川友也に恋心を抱いており、結婚に消極的。
>豊郷皐月♀…鷹亮の外孫。弥生を妹のように可愛がっている。
>愛知川真司♂…桜川家の執事。
>愛知川知也♂…桜川家の使用人。真司の息子。弥生と幼なじみ。
>金山俊市♂…花婿候補の1人。雉を最初に射止めた。第1の事件で毒を盛られ入院中。
>高宮悟♂…花婿候補の1人。第2の事件でロープで絞殺された。
>水口佳史♂…花婿候補の1人。第2の事件で背後から刺殺された。
>尼子幸介♂…花婿候補の1人。第2の事件で頭を殴られ死亡した。
他にも女性の使用人が何人かいるようですが、現段階では事件に関係なさそうです。
▼第1の事件
第1の事件は行事の最中に起きました。
蓬莱の雉の生血を桜色の器で飲んだ金山が、突然苦しみ出し、吐血して倒れたのです。
幸い一命を取り留めましたが、意識は戻らず予断は許せない状態。
その金山が、意識を失う前に自分の血で床に「うつき」という文字を書いたのです。
しばらくそれが何なのかは謎だったのですが、毒の成分が分かってから、
「うつぎ」と書こうとしたのではないかということが分かりました。
「うつぎ」とはドクウツギという毒性のある植物を指すと思われ、金山は実家が製薬会社で
自身も薬学を学んでおり、しかも宿泊していた部屋からドクウツギの葉が見つかったのです。
金山はライバルを蹴落とすため、毒を調合しようとドクウツギを持ち込んでみたものの、
誰かに作った毒を盗まれ、器に入れられたということでしょうか。
自殺とは思えませんしね。
▼第2の事件
候補者たちは、母屋ではなく離れに宿泊していました。
金山が病院に運ばれ、残る3人が離れに泊まっていたのですが、弥生のところに水口から電話があり、
尼子が自分の部屋で頭の左側を殴られて死んでいると言うのです。
弥生がもっと詳しく話を聞こうとしたところ、電話は切れてしまいました。
弥生・愛知川父子・貴族探偵・愛香・鼻形・貴族探偵の使用人の佐藤が揃って離れに向かいますが、
扉も窓もしっかり施錠されていたため、佐藤が扉を蹴破って侵入しました。
すると3人の候補者はそれぞれの自室で殺されていたのです。
電話をかけてきた水口は、背中を果物ナイフで刺されて死んでいました。
果物ナイフは尼子の部屋にあったもののようでした。
尼子は水口が電話で言っていたように、頭を殴られて死んでいましたが、私の見る限り
あれは頭の右側だと思います。向かって、なら左ということになりますが。
また高宮もロープで絞殺されていました。
それぞれの窓の鍵は閉まっており、犯人は離れという大きな密室から、忽然と消えてしまったようです。
ちなみに被害者たちの部屋の扉は施錠されてはいませんでした。
▼容疑者
まだ事件が起きたばかりで、気になることはいくつかありますが、手がかりが出揃ってない感じですね。
なのでこの時点で推理は難しいと思います。
私もまださっぱり犯人も密室トリックもわかりませんw
現時点での容疑者リストを書いておきますね。
>桜川鷹亮…81歳という年齢を考えると、犯人とは考えづらい。今のところ動機もない。
>桜川弥生…女性ができる犯行とは思えないが、一応動機あり。
>豊郷皐月…同じく女性ができる犯行とは思えない。今のところ動機も薄い。
>愛知川真司…犯行は可能と思われるが、今のところ動機が見当たらない。
>愛知川知也…動機は十分。足に障害があるようだが、若いのでできないことはない?
>金山俊市…動機は十分だが、事件当時病院で意識不明の状態だったはず。
▼推理ポイント
気になる点をいくつか挙げておきますと、
まず尼子の殺され方が、水口が電話で言っていた状態とは逆の位置を殴られていたこと。
逆というとまずミステリーでよくあるのが鏡の利用ですが、今回は関係ないような気はしますね…。
次に、知也の足に障害があることの意味。
昨日今日のものではなさそうですが、ひょっとしたら動機に関わってくるかもしれません。
また第2の事件について、犯人1人が3人を殺したのではなく、被害者同士が殺しあった可能性もあります。
ただし、最後の被害者は誰が殺したの?という疑問が残りますし、最後の被害者が実は自殺だったというのも、
他の2人を殺害する意味がなくなるし、自殺する動機も皆目わかりません。
自殺という言葉が出てきたのは、高宮の死体がまるでどこかに結んだロープを首に巻き、
自分で思い切り引っ張ったような姿勢に見えたからなんですが、どう考えても自殺する理由が思いつきません。
ま、後編を楽しみに待ちましょうか。
今回はミステリー作家の本気を見たようなプロットなので、後編で期待外れなんてことにならなければよいのですが。