『線路は続くよ』
- カテゴリ:30代以上
- 2017/05/28 09:41:28
#離れていても
汽車が駅に着く
取り立てて、変わったところのないごく普通の駅
少女がひとり、人待ち顔で扉を見つめている
扉が開き、車内販売員がホームに降りる
少女に近づき、何かを手渡す
手紙のようだ
「はい、あなた宛の手紙、今日も届いていますよ」
販売員が言う
「ありがとう」
少女はそういい、受け取った手紙を大切そうに胸に抱く
「誰からの手紙なの?」
販売員の足元から仔猫が言う
「バカね、恋人からに決まってるわ」
仔猫の背中で、紅葉の葉っぱ
「すごく嬉しそうだものね」
これは木鼠
「ふふふ。さあどうかしらね」
いたずらっぽく笑う少女
つづけて
「ま、大切な人なのは確かね」
「でもさ、人間は電話を使えるのでしょう?」
と木鼠
「そうよね。その方がずっと早いと言うし、声も聞けて良いんじゃないのかしら」
と、紅葉の葉っぱ
「そうなんだけどね。でも、声だけでは伝わらないものがあるし、それにね・・・
少し考えて
「それに、電話は古くなってしまうでしょ。手紙は古くならないからね」
そう続ける少女
「良くわからないよ」
仔猫が言う
「だったら、あなたに手紙を書いてあげるわ。汽車内仔猫様宛で届くかしらね」
販売員の方に顔を向けて、少女が言う
「ええ、届きますよ」
と、販売員
「ホント!?」
「ええ。楽しみに待ってね」
「ずるいわ、わたしにも書いてよ」
と、紅葉の葉っぱ
「僕も、僕も」
木鼠も言います
「もちろん。みんなの分も書くわ」
笑顔で言う少女
「わしは手紙より酒が良いかの」
いつの間に来ていたのか、呑兵衛フクロウも言います
「それは、自分で買って下さいな!」
笑い声の中、発車のベルが鳴る
少女の笑顔に見送られて、汽車がはホームを出る
次は、どんな景色に出会えるのだろう
つづく
(#^.^#)
ふらっと通り抜けたらすごく良い言葉を見つけてしまいました。
とても温かい気持ちになる文ですね。
動植物各々の性格がとっても素敵です。
また読みに来たいと思います。
いきなりコメント失礼しました。
いつもありがとう♪
そうね~
いつか、手紙を貰った仔猫たちのことも書いてみたいわ
(#^.^#)
久し振りに読ませて頂いて~ほっこりしました^^
汽車のメンバー集合で、読んでいて楽しかったです~^^
フクロウさんって…お酒飲むんですね…w
夜型だから…飲むのは明け方かな?w
夜通しいくのかな~^^
紅葉くんに子猫ちゃん…木鼠さん…
皆元気そうですね^^
この少女が、貰ったお手紙も誰からでどんなお手紙か気になるけど…
彼らにどんなお手紙書くかも気になります~^^