貴族探偵 感想文
- カテゴリ:テレビ
- 2017/06/13 16:52:22
貴族探偵 #9
フジテレビ 月曜夜9時~
▼りんごタルト
今回は、キャンプ中の女性が、花冠をかぶった美しい姿で殺されるという事件でした。
切子が死んだ場所が、偶然鼻形が以前所属していた警察署の所管だったので、
愛香は鼻形とともに当時の記録を調べにその署に向かいます。
とはいえ公務ではないので、りんごタルトが評判の喫茶店になじみの刑事を呼び出しました。
その日のタルトはいつもより洋酒をきかせたと、店員が言っていました。
刑事に無理矢理書類を持ってこいと送り出した後、鼻形は店に作家・大杉道雄が客として来ているのに気づきます。
刑事に無理矢理書類を持ってこいと送り出した後、鼻形は店に作家・大杉道雄が客として来ているのに気づきます。
鼻形は大杉の妻の元女優・本宮真知子のファンだったため、近くのコンビニでサインペンと色紙を買ってきて、
大杉にサインをねだるのですが、プライベートだからと断られて色紙をつき返されます。
その後、貴族探偵の使用人・山本から電話がかかってきて、女性の死体を発見したとのこと。
鼻形たちは現場に急行します。
▼事件概要
被害者となった女性は、ジャズシンガーの水橋佐和子。
夫の洋一、友人の堂島、そして大杉道雄と妻の真知子の合計5人でキャンプに訪れていました。
佐和子と真知子は姉妹で、幼くして両親を亡くした真知子は、佐和子を娘のように育てたと言います。
現場にはシートが敷いてあり、ワイングラスが2つとボトルが落ちていて、ワインがこぼれていました。
死因は絞殺、ワインを注ごうとした時に襲われたものと見られます。
死体は木によりかかり、頭にはクローバーの花で作った花冠が乗せられていました。
作家の大杉の作品の「花冠」に、愛する人を殺して花冠をかぶせるというシーンがあり、
佐和子はキャンプ中、本当に愛する人なら、あんな風に殺されてもいいと言っていたのです。
なので、容疑者はその話を聴いていた、キャンプに来ていた4人ということになります。
>大杉道雄♂…人気作家。純愛小説が専門。真知子の夫。
>大杉真知子♀…道雄の妻。佐和子の姉。佐和子を娘のように育ててきた。
>水橋洋一♂…佐和子の夫。平凡なサラリーマン。
>堂島尚樹♂…佐和子の友人。実は半年前まで佐和子の愛人だった。
佐和子は恋愛には奔放な女性で、既婚者にも関わらず、次々と男をとっかえひっかえつきあっていたようで、
最近は本当に愛する人を見つけたと言って、洋一に離婚を迫っていたようです。
▼アリバイ
キャンプはその日の朝から始まり、料理の得意な堂島のいたずらで、
作っていたスムージーが5人全員の服に飛び散り、緑色のシミを作ってしまいました。
その後、11時頃に大杉が堂島に、スモーク中の燻製がいつ出来るか尋ねたところ、2時間後というので、
大杉は作品の構想を練るため、例の喫茶店にでかけると言って、車でその場を去りました。
キャンプ場から喫茶店までは、車で30分ほどかかるそうです。遠すぎね?w←※個人的な感想です。
残る4人は、真知子をキャンプ場に残して、「あかね古式蝶」という蝶を探しに出かけました。
見ることができると、運命の人と結ばれると言われている珍しい蝶だそうです。
途中、佐和子がはぐれて姿が見えなくなったため、洋一と堂島は手分けして探し始めます。
この時佐和子は、「運命の人」に会うため、自分で姿を消したものと見られます。
この間、真知子はずっとキャンプ場におり、近くでキャンプしていた家族連れに確認されています。
事件後、愛香と鼻形が現場検証に混じっていると、堂島が通りかかり、死んでいるのが佐和子だと分かります。
堂島はその場で真知子に電話し、佐和子が花冠をかぶって死んでいることを知らせました。
大杉は喫茶店で名物のりんごタルトを買い、車で帰ろうとしたところ、現場に向かうパトカーを見かけます。
▼その他の手がかり
・数年前、大杉の偽者が出没して、店で飲み食いするという事件がありました。
・愛香が大杉を喫茶店で見かけた時、大杉はタバコを吸っていましたが、事件の聞き込みをしている時、
真知子は自分たち夫婦はどちらともタバコを吸わないと言っていました。
・愛香たちが聞き込みをしている時、洋一と堂島の服には緑のスムージーのシミが残ってましたが、
大杉と真知子の服にはそれがありませんでした。
・大杉は土産のりんごタルトをキャンプ場に持ち帰り、「洋酒がきいている」と言っていました。
・りんごタルトを切ろうとした貴族探偵の使用人・佐藤は、大杉のキャンピングカーのキッチンに、
刃物がないことに気づきました。
・愛香は喫茶店で大杉から突き返された色紙を、鑑識に回してもらいました。
このくらいでしょうかね。さ、犯人とどんな事件だったかを当ててみましょう。
▼愛香の推理
愛香は、大杉が佐和子を殺すため、以前自分の偽者を演じていた男を雇い、
喫茶店でアリバイを作り、その間に佐和子を殺したと考えました。
返り血がついた服を偽者の服と取り替えたから、スムージーのシミがついていないと言うのです。
そして、今目の前にいる大杉の指紋と、喫茶店で色紙についた大杉の指紋が違うはずだと主張します。
確かにこの推理は、とてもいいセンいってます。佐和子を殺したのは大杉で間違ってません。
しかし、大杉の指紋と色紙についていた指紋は一致することがわかり、この推理は崩れてしまいます。
愛香はどこで間違えたのでしょう?
▼完全解答
実は、佐和子殺しは大杉夫婦の共犯だったのです。正確には、大杉夫婦と大杉の偽者ですけどね。
佐和子は大杉と愛人関係になり、大杉に結婚を迫ったのです。
しかし純愛小説の作家にとって、妻の妹との不倫の末の離婚は致命的です。
真知子の方から佐和子を殺そうと大杉に持ちかけ、今回の計画を立てました。
途中まではほぼ完璧だったのですが、真知子が堂島から佐和子の死の報せを聞いてから、事件の様相は変わってきます。
真知子は大杉が佐和子を本当に愛していたから、花冠をかぶらせたのだと思い、
キッチンにあったナイフを持ち出し、大杉が偽者と入れ替わる場所に向かいました。
そして偽者と会っている大杉を背後から刺し殺したのです。
その後真知子は、偽者に大杉を演じ続けるよう強制したというわけです。
後出しになりますが、貴族探偵の犬・シュピーゲルが、待ち合わせ場所付近と思われる川原で、
本物の大杉の死体を発見しました。
推理のポイントは、聞き込み時の大杉が、喫茶店のタルトの今日の味を知っていたこと、
そしてキッチンのナイフがなくなっていたこと、堂島が真知子に佐和子の死体が花冠をかぶっていたことを
知らせたことくらいですかね。ここまで推理するのはちょっと困難だったかもしれませんね。(私も無理でしたw)
▼浅見光彦
堂島を演じていたのが、フジテレビ系で浅見光彦を演じている中村俊介ですが、
実は真知子のファンで大杉のことはよく知らない鼻形が、浅見光彦シリーズを大杉が書いていると
勘違いしていたのは、恐らく今回のゲストに中村がいたからなんでしょうなw