小さな巨人 感想文
- カテゴリ:テレビ
- 2017/06/15 16:50:04
小さな巨人 第9話
TBS 日曜夜9時~
▼まとめ
今回は話が結構複雑でしたので、いつものように感想がてらダラダラとあらすじを書いていると、
とんでもない長さになりそうなので、簡潔にまとめたいと思います。
・横沢を連れて逃亡した山田が、香坂の家に来る。
・横沢は、自分が現場に行った時にはすでに江口は死んでいて、その後富永が工作しにきたのを見たと言う。
・山田は香坂に、17年前に父の運転手だった男が自殺した事件を、
父がもみ消したことと、今回の事件が関係あると考えていると言う。
・香坂は山田を連れ、17年前のことを知ってそうな香坂の父を訪ねる。香坂父は認知症で問いには何も
答えなかったが、「山田さん」と口にする。後にそれが金崎の旧姓であることが分かる。
・山田は父の元を訪ねて真相を聞くが、小野田がやってきて逮捕されてしまう。
・小野田は山田に、横沢と裏帳簿の場所と引き換えに、山田父が何をしたかを教えると取引を持ちかけるが失敗。
・香坂は柳沢監察官より、香坂父を裏切って告発したのは部下だった小野田であると聞かされる。
・香坂は富永の留守中に早明学園の金崎を訪ね事情聴取するが、小野田に邪魔される。
・捜査二課が裏帳簿のコピーを元に、金崎を任意で連行する。
・香坂は渡部に頼み、横沢とともに裏帳簿の原本を捜査二課に渡すため運ぼうとするが、捜査一課に横取りされる。
・香坂は小野田に呼ばれ、裏帳簿とそれから破られた紙片を見せられる。そこには香坂父の名前があった。
▼闇の番犬
今回は本当に両陣営の駆け引きが激しかったですね。
最初、横沢と裏帳簿は香坂の元にありましたが、山田が逮捕されたことで香坂側は打撃を受け、
次に金崎を捜査二課が連行したことで香坂側が有利になりましたが、
結局横沢も裏帳簿も捜査一課に奪われた上、香坂は自分の父が今回の事件の根幹部分にかかわっていたことを知り、
深刻な精神的ダメージを受けてしまったようです。
私は前回の感想で、小野田は富永とズブズブの関係に見えるが、実は富永を陥れようとしているのではないかと
書きましたが、今回の内容を見るに、それはないかなと思いました。
小野田は警視庁が抱える闇の番犬のようなもので、それに近づこうとする者の喉に噛み付く存在ではないかと。
ただ思うのですけどね、いつも小野田や富永は、国益になるなら少々の汚職は上等というスタンスですが、
それを国民の前で堂々と言えるかって話ですよね。
彼らのやっていることって結局、弱者を切り捨て強者をより強くしていることに違いないのです。
国益にはなるかもしれませんが、大層外聞の悪い話です。
もし公になれば、クビが飛ぶのは1人や2人ではないでしょう。
現実の世界でも、政治家や官僚が絡むいくつもの疑獄がありましたけれど、
こういうのを見ると、結局政治家や官僚は大概悪事に手を染めていて、
表面化して問題となったのは、ほんの一部ではないかと思ってしまいますよね。
▼まだまだ甘い
小野田のような海千山千の男に対するに、香坂のやり方はあまりに稚拙だったと思います。
捜査二課を動かしたまではよかったのですが、何故横沢と渡部の2人だけに裏帳簿を取りに行かせたのでしょう。
横取りしてくれと言ってるようなものです。
横沢は外に出すべきではなかったし、香坂は自分の部下か二課の刑事を使って裏帳簿を運ぶべきでした。
またそれは、二課に金崎を連行させる前にすませておくべきでしたね。
ストーリーに起伏をつけるためとはいえ、あまりに稚拙すぎると思いました。
▼疑問
富永が学園の警備の打ち合わせを須藤刑事課長としている時に、電話が入りました。
恐らく香坂が金崎に会いに学園に行ったことを知らせる電話だったと思うのですが、
あれはどうして分かったのでしょうか。
渡部は捜査一課にマークされていましたが、渡部は同行してませんでしたし、
香坂にも捜査一課のマークがついていたということでしょうか。
それとも香坂の部下にスパイがいるのでしょうか。
そこがちょっと疑問でしたが、多分次回最終回でもスルーされるくらい小さな問題だと思いますw
それと、裏帳簿の最初のページの下の部分が破りとられており、それが捜査一課長が管理する
金庫の中にありましたが、何故破りとられた上で、金庫の中にあったのか。
その理由も今のところまったく分かりませんよね。
捜査一課に所属していた香坂父の名前があったからでしょうか?
しかし裏帳簿自体、とても公表できるような代物ではなかったのに、そこだけ重要視する意味がわかりません。
あともう1つ、横沢が見たのは事件後に現場に現れ、工作していた富永の姿だけで、
誰が江口を殺したのかはまだ分かりません。
金崎に香坂が事情聴取していた時、屋上で部下たちが鉄骨を落としましたが、
あの高さから頭を目掛けて落とすとなると、ちょうどいい位置に江口が立っている必要があるし、
また刑事が2人がかりで落としてましたが、1人で正確な位置に落とすのは、大層難しいと思うのです。
何故犯人はこんなまだるっこしい方法で殺したのでしょうか。
どうせ横沢に罪をなすりつけるつもりなら、ナイフで刺したり首を絞めたり後ろから鈍器で殴ったりと、
いくらでももっと楽な手段があったはずです。
また、上から狙って落としたとしても、そううまく頭に当たって即死するとは限りません。
これは鉄骨が落ちてきて死んだことが分かった時点から、くすぶっていた疑問なのですが、拳銃以外の手段で
大きな音を響かせる必要があったからという、メタ的な理由だったとしたら、納得いかないなあw
最終回には、この謎も解けるといいですね。
そう、次回は豊洲編及びドラマの最終回、すべて決着がつきます。
山田と横沢が逮捕され、裏帳簿も小野田の手の中に、そして自分の父が事件に関わっていたことを知り、
精神的なダメージを受け、今一番追い詰められている状態の香坂は、
この逆境をはねのけ、真の犯人を挙げることはできるのでしょうか。