ヤンキーに絡まれた! 2017 (その2)
- カテゴリ:日記
- 2017/06/21 23:00:15
「ピンポーン、ピンポーン 」
「はーい。 ガチャ 」
「こんにちは。 国から委託をされまして、盗聴器と監視カメラを設置にうかがいました」
「はい? 何です?」
「テロ等準備罪は、ご存知ですよね?」
「はい。 数年前に成立しましたね」
「その一環といたしまして、盗聴器と監視カメラを設置させていただいております」
「そ、そんな話 聞いていませんけど!」
「それもそのはず、抜き打ちで回っていますからね! 事前にお知らせすると、居留守を使われたり、頑なに拒否されたり、 」
「で、できれば僕も拒否したいんですけど」
「拒否した場合、テロ行為とみなされ処罰されますが?」
「えぇ! な、何でですか!」
「拒否するということは、つまり やましい事があるってことですよね?」
「ありませんよ」
「テロ行為等のやましい事をしている ってことですよね?」
「してませんて」
「していないなら胸を張って、盗聴器と監視カメラを設置しましょうよ!」
「それは嫌ですって」
「テロ行為撲滅のため、ご協力をお願いします!」
「そもそも、一般人は 対象にならないはずですよね?」
「はい、なりません。 ですが、どうやって一般人であることを証明いたします?」
「ええと、見た目とか? どう見たって、僕、一般的な一般人でしょう?」
「そうですね。それは皆さん そうおっしゃいます。 テロリストと一般人、見た目で判別できますか? もし、見た目で判別できれば、テロ等準備罪は必要ありませんからね?」
「そ、それもそうですけど」
「ですから、盗聴器と監視カメラを設置いたしまして監視した結果、一般人かどうかの判定は、警察庁でいたします」
「ちょ、ちょっと、大げさ過ぎやしませんか?」
「これくらいしないと、テロを未然に防ぐことはできませんからね?」
「他にも方法が ありそうな気もしますけど」
「ところで、部屋数は何部屋ございます?」
「え? 部屋数ですか?」
「はい。 全ての部屋に一つずつ盗聴器と監視カメラを設置させていただきますので」
「えぇ! そ、そんなに?」
「はい。 どの部屋にテロリストが潜んでいるかわかりませんから」
「ぼ、僕の家に テロリストは いませんよ?」
「それを証明するためにも、監視カメラを設置いたしましょう!」
「なんで そうなるかな 」
「トイレや浴室には設置いたしませんので、ご安心くださいね。 これは、盗撮が目的ではありませんので」
「似たようなものだと思いますけど」
「さらに、さらに!お客さん!」
「誰です? お客さんて?」
「設置料は、なななんと、無料です!」
「えぇ! む、無料? 全室に盗聴器と監視カメラを設置するのに、無料でやってもらえるんですか!」
「これは国家プロジェクトなので ― 最終的には、日本全国 全ての家に設置することになりますが ― 設置料は全て税金から まかなわれます!」
「ぜぜぜ、税金から!? もっと、税金の有効な使い方は できないんですかね!」
「これ以上 有効な使い方は ないでしょう?」
「あるでしょう? 社会保障の充実とか!」
「あぁ、それは、国民の皆さんが 望まれていることですよね」
「なのに、なぜ そっちに税金を投入しないんですか!」
「それは、この国の政治が 国民の皆さんを 見ていないからじゃないですかね」
「見ていないと言いながら、監視カメラを設置するって、どうなんですか!」
「あはは、お客さん、うまい事を 言いますねぇ」
「笑い事じゃないですよ! 監視カメラなんて取り付けられたら、部屋に彼女も呼べないですよ」
「あ、彼女さんが いらっしゃるんですね。 お綺麗な方ですか?」
「ええ、まぁ」
「では、自慢しましょう! 監視カメラに向かって、自慢しちゃいましょうよ!」
「嫌ですよ」
「付き合われて 長いんですか?」
「ええまぁ」
「手を握ったり?」
「ええまぁ」
「も、もしかして、き、キスもしたり?」
「ええまぁ」
「さ、さらに、そ、その先まで?」
「ええまぁ」
「それ以上の過激な行動は、処罰の対象となりますので ご注意ください」
「えぇ! な、何でですか! もう、エロもテロも できないのかよー」
「あ、エロはしてかまいませんよ。 少子化ですし」
「できないでしょう? どこの誰が見てるかもわからない、監視カメラの前で!」
「そうですかね。 こういうことは、慣れだと思うんですよね。 何事も慣れが肝心 って言いますでしょう?」
「聞いたことありませんけど」
「実は、我が家も 取り付けましてね」
「え! 盗聴器と監視カメラを 取り付けちゃったんですか!」
「はい。皆様に先駆けまして、取り付けさせていただきました」
「嫌でしょう? 嫌なものでしょう?」
「そうですね、始めの2、3日は落ち着きませんでしたが、次第に慣れてしまいましてね」
「そ、そんなもんですか」
「小さい娘がいるんですが、その娘が 今では監視カメラの前で アキラ100%の ものまねをするほどになりまして」
「アキラ100%って、裸で お盆を持って前を隠しながら踊る あれですか?」
「あ、見たことありますか?」
「女の子がカメラの前で それやっちゃダメなんじゃないですか?」
「上手いもので。見えそうで見えないから、大丈夫だと思いますが」
「それでも、NGな気がしますけど」
「私なんて、盗聴器の前で 小噺(こばなし)を、披露したりして」
「そ、そんなことして大丈夫なんですか? 怒られたりしないんですか?」
「はい。妻から、くだらないことをしてるんじゃないって、怒られました」
「あはは、奥さんに怒られちゃったんですね!」
「妻は妻で、家の中でも おしゃれをするようになりまして」
「監視カメラを意識してって、ことですか?」
「どこから監視カメラが狙っているか、わかりませんからねぇ」
「まるで芸能人ですね。 って、それって疲れません? 精神的に疲れたりしません?」
「娘は、いつも綺麗なお母さんで うれしいって、喜んでいますが」
「む、娘さんが喜んでるから いいのかな? いいの?」
「そのほか、我が家以外に すでに設置した皆様の お喜びの声をご紹介いたします」
「そんなに、喜んでる人って、いるもんなの?」
「20代女性。メールでいただきました。 常に見られている緊張感からか、少しやせました。 というですね、ダイエット成功の お喜びの声をいただきました!」
「それって、やせたと言うより、やつれたんじゃありません?」
「80代女性。お手紙でいただきました。 常に見守っていただいて、日々 安心して過ごせています。」
「物は言いようですね。 見守ると言うより、見張られているのに」
「監視カメラを設置したら、空き巣の被害が減ったという情報も寄せられています」
「え! それいいですね!」
「いいでしょう? 無料で空き巣対策が できるんですから!」
「うちも設置してもらおうかなぁ」
「今なら、スペシャル特典付ですよ!」
「え? 特典って、何です? おせんべい詰め合わせとか?」
「お車は お持ちですよね?」
「はい。 外に止めてありますが」
「では、特典といたしまして、早速、GPS発信機を取り付けさせていただきます!」
「これはこれは、至れり尽くせり ありがとうございます。 って、なんでだよ!」
この話は、フィクションです。
どんどん危ない方向へ進んでいるようで怖いです(>_<)
笑っていられるうちが 花ですかねぇ ^^;
途中から、テレビショッピングみたいに なってしまったり ^^;
盗聴器や監視カメラの過剰なサービスは、やめてほしいですよねぇw
なんでそうなるの~~~~(;^_^A アセアセ・・・
なお30分以内に設置を決意された方には、各部屋2台のサービス!
って言いそうw