風に吹かれて
- カテゴリ:小説/詩
- 2017/07/29 20:57:43
聞きたかったのに
最後にもう一度だけ
でもそれはいけないとだったの
私の我儘だったの
さよならが最後のことばなんて悲しすぎる
幾つのもさよならをこうして
出会った二人がこうして
またさよならに出会うたなんて
どんな運命のいたずらだったの
涙の重さを知っていたの
あなたは求める人が私じゃなかったのか
私は求める人があなたじゃなかったのか
赤い糸が混ざり合って行く末が分からなくなって
間違いの糸を引いたのか
いとがぷつりと切れていく
つなぎ合わせたかった
でも出来なかった
宙に浮いた糸にはもう
誰にも結び付けることが出来ないのだろうか
風に吹かれて漂うばかりなのか
一つの出会いがあって
それが真実のものと思い込んで
心を注いで突き詰めて
でもそれが間違いだったその時に
風に吹かれて漂うばかりなのか
一つの出会いがあって
それが真実のものと思っいこんで
心を注いでつきつめて
でもそれが間違いだったその時に
人は何を信じるのだろうか
もう手も言葉さえも交わせない
うつろになった二人の間には
木枯らしがまるでづいてこようとして
足元を冷たく冷やしているように
その足取りを止めようとしている
愛したかった二人
愛されたかった二人
でも別れていく二人
さようならを聞きたかった
私は言えなかったけれど