題:「登山」
- カテゴリ:日記
- 2017/07/29 23:56:39
これは自分が中学生の頃のお話です。
一
自分は、小さい時からある宗教団体に家族ぐるみで加入していました。
そして、年に数回修行の一貫として自己を高める事を目的に色々なイベントが開催されていました。
その行事の1つに、ある山の山頂のお堂に参拝しに行くと云う企画があり、自分はそれに親戚の叔母さんの薦めもあり、一人で参加する事になりました。
その行程は、朝、参加者全員バスでお寺のある山の麓まで連れていってもらい、約7時間をかけて山頂のお堂まで登りそこでお経をあげ、その日はそこで雑魚寝、翌朝早く御来光を拝んでから下山すると云う一種の修行(体行)でした。
修行との事もあり、一同 上から下まで白装束に 南無妙法蓮華経と書いた白襷を袈裟懸けにし、数珠(じゅず)を片手に そう四国八十八ヶ所巡りのイメージのような
自分も買ってもらったばかりの真っ白な衣装を身に纏(まと)いながらゆっくり皆と一緒に登っていきました。
当時、学校の部活でサーキットトレーニングをしていたので多少体力には自信がありましたが、さすがに何時間も階段を登り続けているような運動の連続なので、思った以上にきつかった記憶があります。
又、登山経験の無い方も多くみえましたので、約一時間毎に休憩を入れながらの行程でした。
観光地では無かったので休憩場などは有りませんでした。
その代わり、心よい民家の人が庭先などでお茶を用意してくれており、そのお礼に "志し" として皆は小銭を置いていくとの風習でした。
自分も家を出る前に親から、小銭を沢山持たされ、休憩場所が何ヵ所もあるから一気に全部置いてこず、少しづつ渡してきなさい。
と持たされたお金を、机の上にお茶と一緒に置かれた何かのお菓子のカンカンの蓋のような物に、皆と同じように差し出そうとしましが、今まで値段のついて無いものにお金を払う経験をした事が無かったので、この一杯のお茶の適正な値段が解らず・・・、 まあまあの値段の御茶葉だとしてこのヤカンにどれくらいの葉っぱが一回に入り 光熱費と労力代金を加味したらいったい 幾ら払えば良いのか?
考えても答えは出てこないので、近くに座っていた世話役の人に聞いてみました。
すると、「値段は払う人の気持ちだよ。だから払わなくても良いんだよ。ありがたいと思えばその気持ち分だけ払うがよろしい。」
と。
なので十円玉一枚づつだけ休憩場所に置けば、余ったお金はすべて自分の小遣い。誰にも言わなければ分かりはしない、などと少しこすい考えが湧いて来たので最初の休憩所にはそれだけを置いて、再び山道を登って行きました。
二
しばらく登り、さすがに足腰の疲労も重なってくると、早く休憩所にたどり着く事ばかりしか考えられなくなり息が上がってくると喉も乾きます。
やっとたどり着いた休憩場所で一気に御茶を飲み干し、確かに御茶はありがたい。しかし、お金を余らせなければ帰ってから好きなプラモデルを買う事ができない。
葛藤の末、休憩終了の時間も迫り 近くに誰もいない事を確認してから、目を瞑り10円玉一枚だけを回収箱に入れました。
それから昼食をとりさらに登り続け、疲労もピークに皆口数が少なくなり、自分もただひたすら無心で地面の土を見るだけの長い時間が続きました。
また、足首が痛いやら、豆が潰れたなどの言葉がちらほら聞こえ始めたのもそれくらいの頃でした。
三
さらに登り続けていると、後方からザクッ ザクッと自分達よりかなり早いテンポで確実な歩調で登ってくる足音が聞こえ始めました。
そしてその足音はどんどん近くなり、とうとう自分のすぐ後ろあたりまで来たので、追い抜く邪魔にならないように道を少し開け、こんなスピードで下から登ってくる人はどんな人だろうと横目でその人の足元を見ました。
その人らは、若い男性を前にし、やや年配の人と2人でペアを組んで登っていました。
服装は、ボロボロのジーパンみたいなズボンに脹ら脛にゲートルだけを巻き、上半身も首すじのほつれかけたTシャツ一枚、靴も普通の運動靴でしたが、背中には頭よりも高い位置まで何十キロもありそうな飲み物などの荷物を背負って、無表情で歩調を一定に ただ ザクッ ザクッと足音だけを響かせながら追い抜き すぐに見えなくなりました。
多分自分達が7時間かけて登る山もあの人達はその半分くらいの時間で登っているのでしょう。
そこで、別の世話役の人に、あの人達はどんな人なのですか?と聞くと
「あぁ、この山は山道しかなく車などで物が運べないから、物資を運んでいる人達だよ。 30キロから40キロもの荷物を担いで登るから凄いよなあ。」と。
・・・・・・そんな重い物を担いで麓から山頂付近まで・・・・・・・
確かに、仕事としてお金は貰っているかもしれない。しかし、山頂や今まで御茶を出してくれた民家の人達のために生活用品を運んでいる人がいる。
それに引き換え、自分はと云えば、自分の為の修行をするためだけに今この山を登っている。
しかも良い服を着せてもらって!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
自分は最後の休憩所に、持っていたお金すべてを置いてきました。
平成26年11月15日
感謝の気持ちは人それぞれですし、お金持ちの人もいれば貧乏な人もいます。 昭和初期やそれ以前はお葬式の時の香典には、米や食べ物などを持ち寄って皆で助けるシステムだったと聞いた事もあります。
勿論、お香を買う寄付金としてお金を渡す人もいたので、やはりそれは気持ちなのでしょう。
又、労力を供出する人、家事の手伝いをしたり子供の面倒をみてあげたり
礼儀や作法とは相手に対する思いやりの心なのですね。
以前、ゴルフの師匠が言いました。
「ゴルフ場 倶楽部ハウスへジャケットやスラックスなりの服装で行くのは、自慢・自己満足やルールの為ではない。 そこに来ている他のお客さんが不快な思いをしないようにとの マナーだわな。」 っと
当時自分はまだ若かったので、ゴルフやってる時は運動の服装でないと動きにくいが、それ以外での服装は普通の流行の格好でも自分はあまり気にならないけどな
っと。思って身の回りを見渡したら、ズボンをたらかしてパンツのゴムまで見えてる友人や、顔面真っ黒で髪の毛ボーボーの女性を見て・・・
まあ、確かにその手のイベントに参加するならまだしも、もし結婚式の時に神父さんが穴の開いたGパンで半ケツ出しながら 誓~いまスか~? って言われても
誓えません!!(爆) って言いますよね。 #^^)
っと云う事と理解しました。
(まあ、服装に関しては真夏や暑い国などでは臨機応変にではあるでしょうけど。)
そして会員制や倶楽部制なりの発足は、スタッフだけでなく他のお客さん同士でもいやな思いをするのがいやな人が、少し値段は高くてもそのサービス代として加入する場なのだと感じました。
(^^)b
ニコタの友達システムと同じですね。(笑)
体行だけじゃなく 心の修行もされたのですね~
謙虚と感謝の気持ちを いつも忘れずにいたいです
以前、海辺の公衆トイレの便座には抗菌コートって書いてありましたが、その上に うOちがべったり付いていました。 抗菌ですがあまり座りたくは無いですね。(笑) ってか絶対座りたくは・・・(爆)
西園寺リカコさん> ですねー。逆に言えば、感謝したくない坊さんなどに、何十万円も払う必要が有るのか? 宗派も誰でも自由に変えれるそうです。(生前の人の意向や過去からの仕来りなどがあれば別ですが)
ほとんどの日本人は、キリスト教でもないのにクリスマスを祝っているのですから(^_^)b
この間、ぼくも登山しまして、上の方のトイレに、100円からという募金箱がありました。入れなくても誰も何も言いませんが。
維持費で年間100万くらいかかっているらしい。
募金で補えるのはそのうちのごく一部のようで、どの程度役に立つのかという感じではありますが、
100円は入れました。
それ以上はいれていません。小銭の持ち金には限界があるし、小銭がなくなると、いざというとき、自販機で飲み物を買えないなど、大げさに聞こえるかもしれませんが、命に関わる可能性があるので。
「今までの自分って何だったんだ!?」 常にそれの繰り返しでここまできましたが、多分これからもそれは続くでしょう。 過去の人たちもそうだったと思いますし、皆もそうだと思います。
なので、これは日記な訳です。
空想の物語でもないので、自作小説ではなく日記に分類しておきました。#^^)
ピンクの亀さん> 何か道徳っていうと抵抗がありますが(^^; それも誰かの陰謀の言葉にだまされているだけかもしれませんね。 自分の我欲を満たしたい人にとっては道徳の言葉は世間から抹消したいでしょうからね。
確かに自分がつぶれるほどのボランティアや寄付はナンセンスとは思いますが、自分が出来ることをする事は悪いことではないような気がします。 そこにも何かの仕組みはあるのでしょうけど。 しかし押し売りは自己満足の代償となりかねませんので難しい所です。
良かれと思ってやった事もあだとなる事もありますので、そこも経験なのでしょうか?(^^;
真っ当な人になるまでには、何百年かかることやら・・・(笑)
その後、次のステージの場所で、修行(体業)とは考え方が変えれない人が行うべき事、真理を学び受け入れる事ができればそれを行わう必要はないのだと・・・
ただ、最近は色んな面で強制的にさせられています(笑) まだまだレベルが低いのでしょうね(^^;
身を軽くしてから登ったかも。(*_*;
最後に所持金をすべて置いていかれたという言葉が胸に沁みました。
結局お金、全部置いてきたんですよね。
りょうちんさん、イイ子じゃないっすかー!
自分は無理~。
帰ってから好きなプラモデルを買う、中学生らしい発想だ、かわいいなあ。
そして結局、お金は全部置いて行ったんですね。
純粋な。(´;ω;`)