伝七捕物帳2 感想文
- カテゴリ:テレビ
- 2017/09/16 17:08:18
伝七捕物帳2 第7回「引き裂かれた絆、夫婦湯のみの契り」
NHK-BSプレミアム 金曜夜8時~
▼出奔
今回は大店の廻船問屋店主が殺された事件、そしていよいよ正助とお咲の話が動き出しました。
江戸でも十指に入るといわれる廻船問屋・千歳屋の主人が、大工道具の釿(ちょうな)で
殺されるという事件が起きました。
下手人として近くに釿を持ったまま倒れていた、大工見習いの太一がお縄になりますが、本人は頑なに否定します。
煮物屋を商う太一の母・お駒も、太一は頭に血が上りやすいが、人を殺すようなことはしないと言います。
一方、伝七の長屋に住む太鼓持ちの正助の妻・お咲は臨月を迎えていました。
そんな時、正助は小田原藩の江戸藩邸をこっそり訪ね、藩士の波佐間と何やら
こそこそ話し合っていたところを、同じ小田原藩の藩士・相沢に見られてしまいます。
相沢は正助の後をつけ、長屋にやってきてお咲を見るなり、小田原に連れ帰ろうとします。
なんと相沢はお咲の伯父だったのです。
聞けば、お咲は元々正助こと小田原藩士の正太郎の弟・勝之進の妻だったらしいのですが、
その弟が死亡し、死因に疑問を持ったため、女だてらに出奔したとか。
その後正助の元に転がり込み、今に至るというわけです。
お咲は勝之進と結婚する前は、誰もが正太郎と夫婦になるだろうと思われていたほど、
仲睦まじい幼馴染の間柄で、長屋に来た頃はまだよそよそしかったけれど、
今では正太郎が夫婦湯のみを買って帰るくらい、仲がよくなっていました。
伝七やお俊は、お咲は臨月だし、愛し合う2人を引き離さないでほしいと相沢に頼み込みますが、
相沢はそれでは筋が通らないと、どうしても決意を翻そうとはしませんでした。
ちょっと不思議に思ったのですが、出奔は元々武家の男子がするものであり、女で出奔てあるんですかね。
というのも、男性の場合出奔は当主ならお家取り潰し、本人は切腹クラスの重罪ですが、
女の身分は不安定なものですから、通行手形くらいは必要でしょうが、藩の許可が必要なのかが分かりません。
例えば騒ぎにしたくなければ、家族が川に落ちて行方不明になったとでも言えば、
死亡扱いとなり問題にならないと思うんですよね。
▼夫婦湯のみ
お駒が元々千歳屋に奉公する女中で、主に手をつけられたため女将に嫌われて店を追い出されたことが分かりました。
それが16年前のことで、ちょうど太一が生まれた頃です。
そして、最近何回か千歳屋が、お駒の営む煮物屋・醴(あまざけ)に来ていたこともわかりました。
千歳屋には子供がおらず、太一を引き取ろうとしていたのではないかと推理した伝七は、
醴に行きお駒を問い詰めますが、お駒は太一は自分だけの子だと言い張り、否定します。
その時、奥の夫婦湯のみが置いてある台の向こうの窓から、男が覗いているのに伝七は気づきます。
それは相沢でした。
相沢は昔お駒とつきあっていたことがあり、16年前に国許からどうしても断れない縁談が持ち上がり、
仕方なくお駒を捨てて国に帰ったという過去があったんだそうです。
夫婦湯のみはその時2人で使っていたもので、今でも大事そうに、ヒビが入ったところを接いで置いてありました。
そして相沢は国許で普請奉行をしており、大工仕事にも詳しいそうで、
太一の残していった釿を見て、これは江戸のものだと言いました。
江戸の釿は先が四角く、上方の釿は先が卵型なんだそうです。
それを聞いた伝七は、太一のことを聞き込みに行った仕事先に、上方訛りの大工がいたことを思い出します。
そして伝七は、千歳屋の主人と太一がいなくなって、得する人物は誰かと考えました。
千歳屋には子供がいないので、もし太一を引き取ることができなければ、身代を譲るのは番頭になります。
そこまで分かれば、後は時代劇ですから、千歳屋の番頭と上方の大工を見張って、
2人が密会しているところに踏み込めば、後はなし崩し的に事件解決となります。
2人は市中引き回しの上磔の刑になりました。
しかし今回はここで終わりません。
▼隠された証文
正助がお咲の荷造りを手伝おうと、懐剣の入った袋を触ったところ、他に何か入っていることに気づきます。
開けてみると、中には何かの証文と、判子が入っていたのです。
正助は早速波佐間に知らせに行きました。
どうやらこの証文は、小田原藩の何がしかの奉行のもので、
勝之進の死因に関わってくるものかもしれないのですが、今はまだ詳しいことは分かりません。
ただそれを見た波佐間は、勝之進は兄の正太郎を陥れたのかもしれないと言い出しました。
お咲が旅立つ当日、長屋まで来た相沢は、お咲を連れて行くのをやめたと言いました。
久々にお駒と再会し彼の心に、筋を通すばかりが人ではないという思いが生まれたのでしょう。
次回最終回、正助こと正太郎とお咲のストーリーが大団円を迎えるようですが、
どうにも私は宇梶演じる波佐間が怪しく見えて仕方ありませんw
今回も正助が波佐間に判子だけ見せて、証文は大切なものだから持ち歩いていないと言うと、
何やらがっかりしていたように見えました。
勝之進が正太郎を陥れたという話も、話半分くらいに聞いといた方がいいかもしれません。
陥れたのはその某奉行の息のかかった波佐間というのが、真相なんじゃないかなと思ったりしてます。
あと、今回の被害者の廻船問屋つながりで、小田原藩ゆかりの怪しい人物・
相模屋忠左衛門という人物が登場しました。
小田原は相模にあるので、いかにも関係ありそうですよねw
実は今回の事件に少し噛んでいたようで、伝七が番頭を捕まえたという話を聞いて、悔しがっていました。
次回は小田原藩と相模屋を相手に回すのではないかと思いますが、伝七は岡っ引きなので小田原藩には手を出せません。
恐らく相模屋との攻防が主体になってくるのではないかと思います。