嵐
- カテゴリ:小説/詩
- 2017/10/22 21:53:51
いつのことだったろうか
ある嵐の晩だった
強い風と大粒の雨
電気を消してキャンドルをつけて
守ってくれるとあなたは言ったのに
どこに行ったの
どうしているの
今日も風が強くて
小さな窓を揺らすのに
あなたがいないなんて
もしかしたら出会った時から
決められていたことかもしれない
いつか二人のきずなが
風に絡まれて
切れてしまうということに
もしかしたら
気づいていたのかもしれない
それが怖くて目をそらして
あなただけを見つめて
強く抱いてほしかった
悲しい思い出はもういらない
楽しい思い出は悲しすぎる
ただただいなくなったあなたの
面影をまだ探していて
でもそれはどこにあるというの
一人キャンドルの明かりを見つめても
あなたはもういない
膝を抱えて壁に寄りかかって
本当に寄りかかりたいのは
あなたの背中だったのに