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おんな城主 直虎 感想文

おんな城主 直虎 第45回「魔王のいけにえ」
NHK 日曜夜8時~
▼信康の危機
今回はいつもと趣を異にし、徳川家のお家騒動とその先に起きた悲劇が描かれました。
しかしまだ事は終わっておらず、前編といったところでしょうか。
万千代もおとわもほとんど出てこず、端役的な位置でした。
この事件は歴史にちょっと詳しい方なら、家康の嫡男・信康と、その母である築山殿が、
信長の命により家康に殺されたという悲劇であることをよくご存知かと思います。
ですがその後、家康を神君と祭り上げた徳川幕府の世が長く続いたため、
その神君が間違ったことをするはずがないと、築山殿と信康は「殺されねばならぬ事情」があったと、
政権により事実が歪められて伝えられた可能性が高いと私は思っています。
事実、築山殿と信康を悪し様に評する史料もあれば、逆に立派な人物であったと語る史料もあり、
何故信長が自分の一文字を与えた信康を殺すよう命じたのか、歴史学者の間でも諸説あるようです。
さすがにこれについては、あまりいい加減なことは言えないなと、少し調べましたw

▼徳川粛正説
ドラマでは、信長が徳川家の拡大を疎んじて、信康の武田内通をでっちあげたのが、
今回の事件の発端であるという説をとっているようです。
自分の娘・徳姫を嫁にやった信康を懐柔しようと、最初は高価な茶碗を譲ろうとし、
次に家康と同等の官位を与えようとしますが、どちらも信康に断られてしまいます。
このドラマでの信康は、聡明かつ勇猛でカリスマ性の高い好人物として描かれており、
単に謙虚なだけで断ったのではなく、信長が自分と父親の関係を裂き、徳川家を貶めようとしていると感じ取り、
それらの申し出を断ったようですが、これで信長の怒りを買うとは思ってもみなかったでしょうね。
前にも書きましたが、信長は自分の懐にスッと入ってくるような人物を大変に好む傾向があります。
褒めたら喜び、叱っても挫けず、もっと自分のために尽くしてくれるようになる、
素直でとても分かりやすい人物が好きなのだと思います。
秀吉はそれをよく理解しており、どう言えば、どう振舞えば信長に気に入られるか、熟知していたのではないかと。
信康のように一見謙虚に見えて、実は深謀遠慮しており、なかなか思うようにならない人物は、
信長は一番嫌いなんじゃないでしょうかね。
光秀もそのタイプじゃないかなーと思います。
信康は賢明なようでいて、信長の性格をあまりよく理解していなかったのが、裏目に出たと思いますね。
まぁ、自分の直接の主君ではないですし、まだ若くしてそこまで理解しろという方に無理がありますが。

▼演者
この信長を、まるで信長を演じるために生まれてきたように見える海老蔵が好演。
反町信長以来、これは!と思える信長です。
なんかもうオーラがすごいですね。目力ってやつでしょうか。
そして今回初めて、明智光秀役として光石研が登場。
白髪の光秀って珍しいですよね。
光石研ってどちらかというと善人役の方が合っているので、光秀をどう演じてくれるのか楽しみです。

▼悪女について
次回のタイトルですが、どうやらパロディというより、有吉佐和子の小説「悪女について」を
そのままパクったのではないかと思いますw
今まで2回、テレビドラマ化されており、近いものですと5年ほど前に沢尻エリカ主演で放映されたようです。
また舞台にもなっている、メジャーな作品です。
原作ではスキャンダラスな女性実業家が死亡した後、彼女に関わった27人の人物に
インタビュー形式で話を聞くことにより、彼女の実像を浮かび上がらせるというものですが、
こちらのドラマでは、恐らく瀬名=築山殿のことですよね。
瀬名が信康にかけられた嫌疑を自分がやったと言い張り、息子を守ろうとする姿が描かれる、
信康事件の後編になると思います。




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