風
- カテゴリ:小説/詩
- 2017/11/17 13:07:32
昨夜から吹く風がまだやまない
ガタガタとガラスをたたく
そんな眠れない夜は
あなたに守ってほしかったのに
それももう儚い夢
濃いコーヒーを入れて
膝を抱えてベッドに座って
熱いそれをすすりながら
一人の孤独が身に染みる
あなたがいてくれたら
もう忘れたと思ってたのに
こんな夜には思い出す
あなたのしぐさやあたたかい言葉
すっぽりと包んでくれる柔らかな手
今は誰のものなの
知りたくなかった
こんな別れがあることを
あなたを信じていたかった
ううん 信じていた
それは今も同じ
愛って何
どんなものなものなの
膨らみかけて壊れる風船
そんな弱弱しいものだったの
そんなこと思いたくない
でも割れた
あなたと私の風船は
限りある運命なのか
それはわからないけど
ゴムのかけらが落ちただけ
思い出したくなかった
こんな激しい風に乗せられて
よみがえってくる過去を
窓を打つ風よ
過去の想いも飛ばしてくれればいい