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#005 ロボットにおけるUXデザイン(前編)

タイトル  パーソナルロボットにおけるUXデザイン


 1. UXデザインが求められる範囲 

今年の7月の中旬にカーデザインゼミ主催の講演会に参加した。 
ゲストはトヨタ自動車でUXデザイン部門で働いていらっしゃる
デザイナーさんだった。  自動車のデザインの要はUIデザインか
らUXデザインに移行しつつあるというお話だった。    例えば、
自動運転が主流になれば、運転手が必要なくなり、 全員が顔を
見合わせ、外の景色を眺めながら移動ができる。 週末にノープ
ランで出かけても、AIが自動で、または会話の中からオススメの
ドライブコースを作成し、 同時にレストラン等のブッキングま
でやってくれるらしい。 もはや車の外見ではなく内装や乗り心
地を自慢する時代がやってくるのだと思った。 その話を聞いた
あと、至る所ですでに消費者にUXデザインが注目されているこ
とに気づいた。 

YouTubeに動画をアップロードして、広告収入を稼ぐユーチュー
バーという人たちがいるが、 彼らの作る動画の大きなジャンルの
一つとして「レビュー動画」というものがある。 これは彼ら自身
が商品を実際に購入し、使用した感想を動画にしたものだ。

多くのユーチューバーは自らの顔を出して、レビューをするので、
 マスメディアやAmazon等の匿名のレビューよりも比較的信憑性
が高く、非常に人気のあるジャンルだ。 これらの動画から得られ
るのは、商品のカタログスペックや見た目だけではなく、実際に
使用した感想・使用した人物の様子 使用した環境・他社の商品の
比較など、それまでは買ってみないとわからないところ、

つまり「UXデザイン」の部分を把握することができる。  実際に
自分も販売店に足を運び、実物を見るより、彼らの動画を参考に
して購入を見極めることが少なくない。 このように、これまで消
費者だった人々が、影響力を持ち商品の良し悪しについて赤裸々
に発信するようになると、 企業も見た目やカタログスペックだけ
では誤魔化せなくなる。 商品購入後にお客が満足するような体験
を提供し続けるような商品を開発をする、というのがUXデザイン
なのだと理解した。 

UXデザインがこれからの主流になってくるとすれば、その範囲は
どれくらいのものなのだろうか。 今想像できるのは、自動車やデ
ジタル機器といったブラックボックス化した複雑な製品が想像で
きる。 しかし、この先はさらに住居や衣服、鉛筆や消しゴムとい
った文房具までにUXデザインが求められるのかもしれない。

 東急ハンズやLoftの文房具コーナーを見ると全く有り得ない話で
はないことに気づいた。 商品を売る立場である東急ハンズは商品
の見た目や使い心地を売り込むだけではなく、 それらの商品を生
活の中に取り入れた 景色まで見据えた提案をしているのだと思う。 
消費者に対し、既存の商品のプロデュースや生活のスタイリングの
提案をするのも、ある意味UXデザインなのだろうか。

#006 ロボットにおけるUXデザイン(中編) につづく
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=471509&aid=65243111





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