#007 ロボットにおけるUXデザイン(後編)
- カテゴリ:日記
- 2017/11/23 01:04:26
3. 人と体験を共有できるロボット
自分は「人と体験を共有できるロボット」が今後一番必要になっ
てくると思う。 しかし、ロボットと一緒にスキーに行って同じ冬
休みの思い出を共有する程度の「共有」ではない。
かなり極端な例だが、
ゲレンデを滑りながらシュプールを描いた時の両足の感覚、
全身に風を受けた時に感じる爽快感、
リフトから上手に降りれずお尻をぶつけた時の痛み、
そして滑り疲れて宿までスキー板とストックを担いで帰る、
満足を含んだヘトヘト感まで「共有」したい。
というのが自分の理想のロボットだ。
つまり、スキーウェアをロボットにすればいいわけだ。 もう少し
説明すると、 感覚を常に共有できる「パワードスーツ」のような
「着る」ロボットこそ自分の理想像だ。
パワードスーツとは、 主に人体に装着して電力によって人間の動
作補助を行う装置のことを指す。 現在では重い荷物を持ち上げた
り、義手・義足など、 肉体労働の現場やハンデキャップを持った
人たちが主に使用しているが、 将来的に、世代・年齢問わずに人
々が専用のスーツを所用し、 通勤などの日常生活で使用する日が
来ると思う。 スーツのアシストによって時速15㎞でジョギング
すれば、 もう満員電車にすし詰めになることなく、 朝日と外の
空気を全身に受けながらジョギングという夢の通勤が実現する。
自分は未来のインフラはどんどんパブリックからパーソナルなも
のになっていくと考えている。 先ほど、 パワードスーツを個人
が所有する未来が来ると予想したが、 流れとして、まずは電車や
バスが廃止になり、 次に乗用車は1人乗りの小型ビークルになり、
最後は人々がそれぞれ「着る」パワードスーツに移行していくの
だと思う。
パワードスーツによる共有を、先程のスキーの例に当てはめると
・ ゲレンデで滑った時の快感
・・・一時的にアシストを弱め、身体が感じる快感を最大限引き出す。
・ リフトにお尻をぶつけた痛み
・・・「痛み」を記録し、次回からリフトに乗る時の姿勢を修正する。
・ 満足感を含んだヘトヘト感
・・・動作をアシストし、肉体的疲労を緩和し、精神に余裕ができる。
というような形になる。
人とロボット(パワードスーツ)の経験の共有に相互性が生まれる。
パーソナリティーロボットは会話などしなくてもいい、長年使い続
けた道具が自然と手に馴染んでいくように、 持ち主、経験を記録し
学習し、補助するだけ。これが今現在で自分が考える「人とロボッ
トの付き合い方」だ。
あくまでトリガーとなるのは人の動作でそこに生まれる経験を共有
しながらロボットはアシストをする。 ロボットに完全依存すること
なく、ロボット技術の恩恵を自らの経験としてフィードバックする
ことができる。
これこそがパーソナルロボットにおけるUXデザインの究極だと思う。