Nicotto Town


みっちょん恋愛の詩


深秋「


冬の風は冷たいけれど
深秋の風も肌を刺す
もうすっかり葉を落とした木々の
足下にさわさわと葉音を鳴らして
小さな渦を作る


こんな小さな渦に吸い込まれるのは何
あなたへの愛か
辛かった日々の涙か
風で封印していた枯葉も飛び去って
覗き込んでも真っ暗のまま


繋いであるいたあなたの手は
大きくて暖かで
そのぬくもりを信じていた
離れることなどないと
あんなに想っていたのに


地下鉄の駅まであなたを見送った
本当なら一緒に乗りたかった
どこへ行くともわからない列車に
あなたと私が二人きりで
どこかへ連れて行ってほしかった


でももう夢
あなたは駅まで来ない
人々を飲み込んでいく地下鉄の駅に
もうあなたは来ない
すれ違うなどあるものじゃない


さようなら 小さな渦よ
詰め込んだ悲しい思い出を
風と共に流しておくれ
そうして私の心からも
あの人を吹き飛ばしてほしい


背中を丸めて歩く人々
まだ冬の気配もないのに
秋の終わりは冬の始め
そんな簡単なものじゃないのに
今の私にはそう思いたい








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