Nicotto Town



題:「ルール」

これは子供の運動会に行った時の話です。


自分達の小学生の頃に比べたら児童の数も少なく、なので場所取り争いも有りませんでしたし、専属キャメラマン(父親)も撮影場所の陣取り合戦も無く

結構閑散としていました。(笑

弁当はどうだったかと云うと、自分等は炎天下ではちと辛いので体育館に敷物をしきそこで家族で昼食をとる事にしました。

外は日陰が少ないので体育館はやはり満員御礼、まるで災害や有事の時の避難所のようでした。そこで、自分は子供に「震災などでの避難所生活はこう云う感じなんだぞ。クーラーも無いトイレも限られてるし食べ物だって好きな時には食べれない。皆で助け合って生きなければならんぞ」と。


そして、何十年かぶりに校庭の隅々まで歩き、自分の母校なので当時の色んな記憶が蘇ってきました。


人間にはやはり転機と云う物は其々有ると思いますが、入学したての頃の話です。




            一


  当時、一年生になったばかりの児童は、通学時の危険回避の為 必ず近所の上級生と一緒に登下校しなければならないルールでした。

そして自分も毎日行きも帰りも6年生だった隣のマーチャン(あだ名)の女子上級生と一緒でないと帰れませんでした。

低学年は大体先に授業が終わりますので、校門の少し内側で毎日マーチャンが来るのを待っていてから一緒に帰りましたが、ある日 その上級生はさすがに毎日面倒を見るのも大変ですし本人も友達と遊んでから帰りたかったのか、いつまで待っても一向に現れませんでした。
しかし、親父に厳しく育てられた自分はルールに背くなどとは、軍法会議物で下手したら反逆罪で銃殺も余儀ない大罪であると信じていたので何時間も正門の前で待っていました。

するとそこへ、学年担任の中で一番恐ろしいと言われていた女の先生がいかにも怖そうな顔をしてこちらにやって来るのが見えました。
自分は、なるべく目を合わせない無いようにして、まあたまたま何かの用事で自分には関係ないだろう。一回もしゃべった事も無いし。知らぬ振りをしていれば行ってしまうだろうと気付いて無いフリをしていました。
しかし、その足音は地面を見て帽子のツバで隠していた自分の顔の真ん前で止まり、その先生はこう言いました。

「お前はそこで何をやっているのか?」

その女教師は背こそ小さいものの、歯は二列に並び合計何十本生えてるか解らないくらい恐ろしい牙を剥き出しにして、顎を上にグッとあげ手を後ろを組んだまま自分の目をキッとにらんみそに立っていました。


今までの保育園では、先生と云えば母親の代理 皆優しくて自分を可愛がってくれる存在が先生でした。


…が… 今目の前にいる先生は新米の二等兵を鍛え上げる 上等兵殿の如く容赦無い威圧と言葉とで一瞬戸惑いましたが、卒園の時に先生から聞いた言葉

もう貴方達は、4月から小学生!
学校と云う所はここ(保育園)と違い、勉強や生きていく事を学ぶ所。 しっかり學んで来てください。


との園長先生の言葉が…


なので自分は、目の前で仁王立ちになった先生に登下校のルールの話をして、なので今はその上級生を待っているのだとゆっくり話しました。

間違いなく自分は正しい学校のルールを守っているので、返ってくる言葉 「よろしい!」
なりのお褒めの言葉に300%以上の確率で違いないと思い自分も胸を張り、顎を先生のように少し上げ 奥歯をグッと噛み口を一文字につぐんだまま先生の言葉を待ちました。


すると先生は間髪入れずこう言い放った


「では、お前はその六年生が死んだら お前も死ぬのか!!」


…………。


自分はまさかの言葉に理解に苦しんだ。
  今の状況下でその言葉の意味の理解に

目をまん丸くしている自分にさらに先生は


「だから、お前は(ルールに則り)その人間が死んだら、お前も死ぬのかと聞いている!!」
っと。



さすがに、自分も誉めてもらうのが筋な場面で それどころか お前も死ぬのか? とは…、あんたがどれだけ生徒から恐れられてるかは知らんが、今この場でその言葉はおかしいだろ!
待つのと死ぬのはレベルが違うは!

と完璧に頭に来たので

自分は、沈黙の抗議としてその先生にあえて何の返事もせずに、習ったばかりの回れ右を完璧にこなし90度方向を変えて脇目も触れず、正門を出て一直線に家に帰りました。
(笑)




          二


そして、冷静になった次の日 さすがにその先生に会わす顔も無いので なるべくあの(女)先生に会いませんように
と念じながら登校

…朝はいませんでした。


安心して授業を終え
そんな事はすっかり忘れて下校するため正門の辺りまで行くと…


 なんと昨日のあの先生がいる~

しかし、あそこの門を通過せねば家には帰れない。

さあどおする?


少しでも歩くスピードを緩めれば、自分の負けを認めた事になる。

しかし、昨日のように恐い質問をされ叱られたらどうしよう

時間は確実に過ぎ正門付近に立っている先生は立ったまま確実に近づいてくる。

くそう、時間が無い

さあ、どうするUターンして逃げるか?
また時間をおいて先生がいなくなってから返るか?

いや、ここまできてそれをしては昨日の抗議の意味が無くなる!


えーい、どうにでもなれ!

もう、目の前数メートルまで来ているし引き返す訳には行かない。

腹を決めろ  って云うより何で自分は正しいことをしてあんな言われ方をしなければいけないんだ!?

だんだん又腹が立ってきた!

なので、目の焦点を一点に集め歩幅を延ばし、顎をグッと上げ毅然とした態度で先生の横を通り過ぎた。


ま、ちょっと内心ビビりながらσ(^_^;)


すると先生は一言も自分に声を掛けず

通りすぎる最後の一瞬に自分は、頭を動かさず 目だけで先生の方を見てみたら、
その先生も微動だとせず、こちらをチラリとも見ず、遠いある一点を表情1つ変えず凝視していました。


ドキドキしながら校門を抜け、いやまだ声が聞こえる距離の間は気を抜けないと、見えなくなるまで全く同じスピードで歩き続けた後の記憶は現在全くありません(爆)



その後、その先生は帰りの校門には一回も立っていませんでした。

そして、学校にいる間じゅうありとあらゆる生徒に注意をしまくっていた事を覚えています。(笑)



七歳時のこの経験が、たぶん今の自分を形成してこんなになっちゃっているのだと思います。(笑)


しかし、今考えるとルールさえ守っていればそれが正しいのか?

昨日まで正しいと思わされて来た事が、今日から悪になる経験を沢山してきた今、どちらが正しいのか?


まあ、正しいとか正しくないの概念自体が、ナンセンスなのかもしれないが


しかし、当時その先生の言い放った言葉は 正しかったと自分は思います。

いや、少なくとも自分にとっては正しかったと信じています。




平成26年 10月3日

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2018/02/01 09:19
あやとりんさん> 強烈でしたね。途中で転属か停年になられたのか高学年の時にはその先生みえませんでしたが、結構生徒からは強烈扱いされていました。(^^; まあそれもあの先生の性格なのでしょうね。

すいすいマリンさん> 時代が違うので今だと問題になるかもしれませんねw しかし、叱るのと怒るのは違いますので、相手を思っての行動なら結果は悪い方向には行かないと思います。
ただ、自分は良いと思っても間違ってる事はありますので、それは危ないかも・・・(笑)
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2018/02/01 09:18
ありおりはべりさん> 返信ありがとうございます。そうですね。今でもその時の光景をカラーでしっかり覚えています。絵で描けといわれたらすぐにでも。 ただ、大人になった今の目線と当時とでは違うので、少ししゃがんで子供の目の高さで確認してみましたが、視点の位置だけでなくすべてが小さく感じました。
当時の記憶では、教室はもっと大きくてフェンスや壁はもっとそそり立ち・・・、水道の蛇口さえ今はミニチュアになってました。(笑)

そして、子供の頃は 時間のスピードだけでなく 喜びや悲しみ 恐怖などの感情は今より数倍大きかったような気がします。
なので、自分の子供に対する接し方も気をつけなくてはいけないかな? っとも思いました。
まあ、それもその子の人生かもしれませんが(^^;

マカリ78:22さん> はい。22です。鉄人ではありませんw
 7:2:1の法則で行けば、1 です。(笑)

イヌリンさん> (^^; それが、根性はまったくないので困りますww 根性があったら言われる前にさっさと一人で帰ってたかも・・・(:_;)
ソロバンも3級取ったらやめさせてくれるって言うので、人よりめっちゃ早く覚えて早速やめましたし(爆笑)
高校の時は下痢で授業さぼりたくて、保健室に行って体温計をライターであぶって熱があるようにごまかそうとしたら
炙りすぎて45℃とかになっちゃったので慌てて冷やしていたら、保健の綺麗な先生が「こんなに熱あったらだめね。もう帰りなさい。」って(笑)  後で考えたら、たぶんライターのシュッて音 聞こえていたかも#^^)ww
なので小学校の時、自分にないものは 勇気 でした。 
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2018/02/01 02:00
先生の言葉は正しい面もあるのかもしれませんが 1年生への言い方としては怖すぎる。。
ルールがどうこうよりその態度で 嫌な思い出として 残ってしまいそうです。
それにしても 何時間も待ったり 自分の意思を貫いたり 
りょうりんさんは子供の頃から根性ありますね~。
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2018/01/31 22:38
22!!!!!wwww
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2018/01/31 16:57
KIKIくんさん> ありがとうございます。自分も当時は腹が立って無視しちゃいました(笑) これも一方向のみ(一面)から見た話ですので、kikiくんさんのおっしゃるとおり全ての面からすればたった一つの見方にすぎません。
なので、すべてルールを無視すれば良い訳でも無いですね。 それが判断できる知能がついてようやく自己が確立されるのでしょうけど・・・未だに判断に苦しむ場面もありますので・・・自分はもっとおりこうにならなければならないのでしょう!(笑)
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2018/01/31 16:39
taka546さん> 確かに何か有った時の対処が出来てこそ、崖から落とせますね。 パラシュート付けてから崖から落とすも、ライオンは手で紐が引っ張れません(笑)(^^;
当時先生もそこまでの覚悟があったかは、天国で直接聞いてみないと解りません。#^^)

hanaさん> そうですね。すべては修行なのかもしれませんね。 昔道場で教えてもらった事は、悟りを開くとはどう云う事か? それは、考え方を変える事だと。
それが出来れば、荒い修行も体業もしなくて良いと。
我慢とは、漫然たる我欲の為に起こる? 考え方を変えれれば我慢は我慢で無くなるかもしれませんね。
確かに、タバコをやめて20年。今は吸えない事を我慢していません。(^^9
ああ、しかしこの一杯のビールは・・・ まだまだ修行が足りませんね・・・(汗


スファさん> あはは、結果的に良かったのか悪かったのかは分かりませんが、自分は良かったと思っています・・・ 自分の気持ちは自分でどうにでもなりますのでww

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2018/01/31 16:12
ピンクの亀さん> そうですね。女の子はその辺りうまく振舞えるのかもしれませんが(^^; まあ、その先生の意とした事がそうだったのかは不明ですが、昔は教員方法も多彩でしたね。#^^)

マカリ78:22さん> 人間には種類が有りますので、 78:22の法則から行くと自分は22の方に入るでしょうけど、その時あの先生はそれを見抜いていたのでしょうか? (^_^;

ねこっとさん> はい。ねこっとさんのおっしゃる「自分のやってる意味」これがキーワードかもしれませんね。 自分で考えた事と思わされてるかどうかも含めてw
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2018/01/31 00:36
家庭の教育と学生の時の教育・・・全て覆るのが社会に出てからの教育と言う人がいます。

りょうちん〇さんの回顧録は面白かったです。少し考える事もありますね~

極論!何時間待っても来ない人が死んでいたらお前は延々と待ちそれで死ぬのか?という意味だと思いますが
少なくとも何かしら言葉のクッションを入れて話さないと

自分も同じように…困惑したと思います。七歳頃の自分を考えるといつの間にか上級生と集団下校していた
記憶があり校門なので待っていた記憶がほとんどありません。

りょうちん〇さんはふと母校を訪れた事で記憶が鮮やかに蘇ったのでしょうね~

でも単なる石頭になるよりは葛藤を生んでもりょうちん〇さんがしたように歩幅を大きくして
関所を通り越す様に勇気を出した事はあとあとに活きた経験だと思います。

自分はその女性の教諭はある意味で本当の事を教えていますが・・・まあ反面教師でもあると
思いますけど(;^ω^)

それでは~
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2018/01/30 23:30
その先生の言葉は、一面の真理であっても、しょせん一面の真理でしかないと思います。
そして、一年生への指導の仕方としては、根こそぎ間違っていると思います。
読んでいて、だんだん腹が立ってきました(・へ・)=3
もちろん、りょうちんOさんに対してではありません。その先生に対してです。

「たとえ先生でも、バカは無視する」。これが、この出来事の教えですかね(‾◡◝ღ)
ぼくも似たような経験があって、バカな上司は無視するようになりましたw(・∀・)♪
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2018/01/30 22:30
今のご時世、そんなことやらかしたら(女性教師の言動)大問題っすね(;・∀・)
怖い先生ってどこの学校にもいるのでしょうが、「教え方」にやっぱり疑問を感じました
きっとその日はその先生もイライラしてて・・・なんて言うとこれまた問題発言か!

大人になったりょうちんさんが過去を振り返って納得できたからよかったけど
その時受けた傷で違う結果を生んでいたら、って思うとなんだかスッキリしません^^;
教師だけでなく「大人」が「子供」に何かを教える時はよーく考えないとですね
大人になっても職場の「先輩」が「後輩」に対する態度もまたしかり、
マリンも気をつけようと思いました
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2018/01/30 21:36
うひゃー、強烈な先生だね^^;
うんまあ言ってることは正しいけど言い方がな~。
私は男子には甘いので(コラ)もうちょっとソフトにいって欲しかったかも。
イマドキならモンペが学校にクレームもんだべ^m^
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2018/01/30 20:16
強烈な先生ですね。でも結果的に良かったならそれでいいですよね。
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2018/01/30 15:51
強烈なキャラの先生で幼いりょうちんさんはさぞ驚かれたことでしょうね!
でも、その時の経験が現在のりょうちんさんを形成してるのだとすれば運命の出会いだったのかも
しれませんね(*^_^*)
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2018/01/30 15:41
規則には責任が付随するもので、先生ならそれを教えなきゃね。
ルールを破らせたその先生は、何かあったときの事を覚悟してたのかな?
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2018/01/30 10:23
昔のことをいろいろ覚えてらっしゃいますね〜

その先生がおっしゃったこと、小学生低学年への伝え方としては、ちょっと改善の余地もありそうですが、
おっしゃっていたことは確かに正しいと思いますね。
ルールを破って良いという単純なことではなく、「自分で自分のやっていることの意味を考える」ということにおいて。
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2018/01/30 08:23
自分で考えて行動する…

昔は普通でしたが…今では1~10まで説明しないと動かない人が多いですから恵まれた環境で小学校に行けたのかな?と思います。

言われなかったからやらない、仕事外だから手伝わない、正解であって不正解もある。生きづらい世の中です。
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2018/01/30 06:30
小学1年生の子供にルールと周りに合わせるとの
兼ね合いを要求するのも厳しいですよね。
先生も、もっと優しく教えてあげればいいのに~。

女の子だと周りを見て合わせるのは得意なんだけどなぁσ(´Α`〃)



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