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西郷どん 感想文

西郷どん 第8回「不吉な嫁」
NHK 日曜夜8時~
▼斉彬のお供
今回は、ついに黒船が浦賀にやってきたのを機に、薩摩に戻っていた斉彬が再び江戸に赴くに当たり、
吉之助が斉彬直々に江戸への同行を命じられるというお話でした。
しかし新妻の須賀は、江戸へ行くための支度金には30両は必要であり、
今の西郷家にそんな金を出す余裕はないと、反対したのです。
酷い話ですよね…江戸での生活費はともかく、旅費まで自腹とは、今の企業では考えられません。
しかし反対したのは須賀だけで、他の家族や話を聞いた正助は、吉之助を江戸に行かせるため、
あちこちに借金をしたり、内職や日銭を稼いだりと、様々な形で金をかきあつめました。
須賀のため、一度は江戸行きをあきらめた吉之助は、正助と殴り合いのケンカになってしまい、
その時正助は、こげん嫁のために江戸行きをあきらめっとかと、須賀のことを悪し様に言います。
須賀は反対したものの、他の家族は全員吉之助を江戸に行かせたがっているし、
吉之助も実のところは行きたくてたまらないのを知り、ある行動に出るのです。

▼篤姫の護衛
一方吉之助は赤山の弟・桂久武に、於一改め篤姫が実家からお城に来る際に、護衛に加われと言われます。
この段階ではまだ、篤姫が将軍に輿入れすることは、本人すら知らないようですね。
護衛の途中で篤姫は吉之助を呼び、吉之助が相撲に勝ってくれたから、自分は今こうして
江戸に行くことになったと礼を言うのです。
前々から篤姫と吉之助の間の仄かな恋が描かれると言われていますが、これはあれですね、お姫様と騎士ですよ。
とても結ばれえない仲なので、どちらともそれを望んではいなかったでしょうし、
吉之助もこれから2人ほど妻を娶りますからね。
昨年の大河、直虎と政次の関係に似ているかもしれません。
どういった関係に描いてくれるのか、楽しみに待ちましょう。

▼須賀の離縁
吉之助が篤姫の護衛のため家を留守にしている間に、須賀が突然里に帰ってしまいます。
吉之助が戻ってきてから、須賀と父親が西郷家にやってきて、須賀はとても吉之助の嫁を
務めることができない未熟者だから、離縁してくれと頼んできたのです。
須賀も貧乏や弟たちの世話がいやだと、取り付く島もない様子。
そして手切れ金として幾許かの金を置いて帰ったのです。
吉之助は須賀に「ありがとう」と言いました。
帰り道に須賀は、吉之助は優しすぎるから、ずっと一緒にいたくなってしまうと泣いていました。
ここで少し須賀の人物像を掘り下げてみましょう。
ちなみに本当は須賀が離縁したのは、吉之助が江戸に駐在していた最中でした。
須賀の実家・伊集院家は西郷家より金持ちで、恐らく貧しい大家族の中に、夫もいないのにずっと
娘を置いておくのが、親にとってしのびなくなったのかなと思います。
夫がいればまだ我慢もできるでしょうが、いなければもうただ働きの女中、つまり奴隷と変わりませんからね。
ドラマでの須賀は、自分が吉之助に行かないでほしいと言ってしまった手前、今更どう言おうと
吉之助は江戸には行きはしないだろう、自分がいなくなれば、大家族の食い扶持も1人減るし、
手切れ金としてお金を置いていけば支度金にもなる、だから別れようと考えたのでしょう。
ただ、やはり貧乏暮らしやただ働きがいやだったという理由もあったんじゃないかと思います。
そう書くとなんだか須賀が冷たい女のように思えるかもしれませんが、実際結婚して1年もたっておらず、
まだ西郷家になじめていないのに、女手は年取った婆様といずれは嫁に行く義妹しかいない、
そして自分以外の人間は血縁関係にあり(熊吉は他人ですが長く奉公しているし)、
吉之助に対する考え方がまったく相容れない、これは居づらいですよ!
また自分が嫁に来てからすぐに義理の両親が死んで、近所では不吉な嫁と呼ばれているのもつらかったでしょう。
自分がここにいても、自分にも彼らにも、そして吉之助にも何一ついいことはない、
そう思って離縁を決めたのでしょうね。
責めることはできないと思います。
後になって隆盛は、あの時須賀を離縁しなければよかったと後悔していたそうです。
もう少し我慢すれば、維新三傑と呼ばれるほどの英雄の嫁になっていたのにと思うと、少し残念なような
気もしますが、隆盛の末路は決していいものではなかったので、これでよかったのかなとも思います。




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