風
- カテゴリ:小説/詩
- 2018/03/01 11:34:25
昨夜降り出した雨が
今朝は上がっていて
生ぬるい風が頬を滑る
段々と暖かな季節が来る
私の心とは反対に
一人でコーヒーを飲んで
一人で着替えて
一人で会社に向かう
そんな当たり前のことが
今ではむなしく思える
あの頃は一人でいても
あなたが守ってくれるようで
いつも側にいてくれるようで
そんな暖かさを胸に感じて
ずっと続くと思っていた
ずっとずっとずっと
あなたと歩きたかったのに
手をつないで
肩寄せ合って
何時の間にか逆戻り
大きな円を描いて
私は外側に
あなたは内側に
あるく距離感が大きすぎて
もうついていけなくなった
どうしてなんだろう
あの距離ができたのは
あなたのせいじゃない
私のせいじゃない
時間が物語った時の流れか
愛していたのに
愛されていたのに
なぜ別れたんだろう
私が愛しすぎたからだろうか
答えは見つからなかった
あなたは疲れ切っていたのね
それを感じてあげられなかったのね
もう一度やり直せたら
そっと手を握ってあげたのに
もうできないのね
春一番が吹いたら
苦しかったあなたの心を飛ばそう
そしてありがとうと叫ぼう
感謝の気持ちを花に乗せて
心からの愛を載せて