『てるてるにゃんこ』
- カテゴリ:30代以上
- 2018/03/05 11:42:57
「雨にならないと良いな」
夕焼けさえ見えない、一面の雲を見上げながら、ヒロコはつぶやきます
明日は、大好きな人と梅の花を見に行く約束の日
壁に吊された、とっておきの服と、テーブルに積み上げたお弁当の材料
その向こう側で、テレビが明日の天気を告げようとしています
「!」
ヒロコは、慌ててテレビを消します
「雨なんていわれたらイヤだもの」
それでも、窓向こうの空は、「明日は雨」と、言っているようでした
「どうしたら良いのかな」
ヒロコは考えます
「てるてる坊主を作れば良いのかな
「でも、てるてる坊主って、まだ降っていない雨にもきくのかしら
「そうだ。猫の形にすれば良いんだわ
「猫はあめが嫌いだから、軒先に吊しておけば、きっと雨を降らないようにしてくれるわ
早速ヒロコは、猫型てるてる坊主を作り始めました
黒い布に(黒猫は魔法が使えそうだし)ティッシュを包んで、首に小さ鈴を付けて、三角布きれで耳を作って、顔を描いたら出来上がり
窓を開け、庇に吊します
「お願い、てるてるにゃんこ。あした天気になんて言いません。曇だって良いんです。寒い北風・・・はちょっとイヤだけど、それでも良いです。雨だけは、降らせないでください」
その夜
ヒロコは、夢をみました
冷たい北風の中、泣いているにゃんこの夢
「寒いよ~。暖かいお家に入りたいよ~」
でも、窓はピタリと閉ざされ、猫の声に耳を貸す人は、誰もいないのです
「寒いよ~。開けてよ~」
猫は、必死に窓ガラスに爪を立てます
ヒロコは、飛び起きると、窓をみました
窓の外では、てるてるにゃんこが風に揺れて、窓ガラスに当たっています
窓を開けると、冷たい湿った風が、部屋の中に吹き込みました
ヒロコは、急いでてるてるにゃんこを回収します
「ごめんね、てるてるにゃんこ。猫は、寒いのも苦手なのにね」
暖房を付け、てるてるにゃんこをお気に入りの服の隣に吊すと、ヒロコは再び眠りにつきました
「家の中からだって、少しは効果があるよね」
次の日は、朝から雨でした
ヒロコは、テーブルに顔を伏せ、泣いています
と、電話が鳴り出しました
ディスプレーには、大好きな人の名前が表示されています
「きっと、中止を告げる電話だわ」
出たくはない
だけど、でない訳にも行きません
うらめしげにてるてるにゃんこをみると、涙でゆがんでいるためか
「大丈夫だよ」
そう微笑んでいるようにえました
「もしもし・・・
「うん、しょうがない・・・よね・・・え?
「あなたの家に?
「お部屋でお花見?
「近所の公園の梅の木が見える?
「・・・・・・
「は、はい!行きます!
ヒロコは大慌てでお弁当を作り、お気に入りの服に着替え
「一緒に行こ」
てるてるにゃんこをつれて、しあわせな足取りで家を出るのでした
「夢をみたんだ。家の窓から見える公園で、雨の中、君と黒い猫が空を見上げて鳴いている夢」
おしまい
(#^.^#)
いつもありがとう♪
てるてるかへさん
運動会シーズンには、大活躍しそうよね
(#^.^#)
可愛いお話ですね~♪
読んでいて~ほっこりしました^^
「てるてるにゃんこ」も可愛くて(たぶん)良いな~^^
作ってみたいけど…外につるすと可愛そうだね^^
外に強いのは、ワンちゃんだから
「てるてるわんこ」はどうかな~^^
あっそっか…
ワンコは、雪が好きだから…雪になるか…(><)
だったら「カヘル」さん……
…もダメかぁ~
雨降るよねw
逆に~雨が降って欲しい時は、「カヘル」さんだよね^^