【人と妖と硲者】第二部 第一章 序章
- カテゴリ:自作小説
- 2018/03/20 10:17:27
江戸時代末期のある小さな街。
この街には妖に関する事件が頻繁におこっていた。
妖の存在を信じない街人なんて居なかった。
そんな街の隅の方。
山に面した所にある古道具。
店の主人は閻魔面と言われる程に顔つきが怖いが、仕事は丁寧だと評判の良い店。
時々、店の前を箒で掃く幼い娘の姿も見られた。
主人曰く「親戚の子供を預かっている」のだそうだ。
彼女が来てから客は増えたようだった。
店に入れば、よく出会う不思議な雰囲気を持った女性がいる。
彼女は店の者ではなく、主人との知り合い。
ここに来るのは暇つぶし、だそうだ。
彼らの正体を知るものはこの街にはいない。
彼らが人間と妖、両者の力を持つ硲者だと言う事を。