またまた「妄想筍」
- カテゴリ:小説/詩
- 2018/04/21 18:17:44
今日は仕事をしながら、筍を茹でました。
なので、毎年恒例になった「妄想筍」をアップしましょう。
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モウソウタケ
妄想筍
筍を茹でながら思ふ
もはや私の愛は
人ではなく
この時期の筍
乳白色の湯の中で
静かに冷めるのを待つて入る君へと
注がれて入る
この時期の筍
乳白色の湯の中で
静かに冷めるのを待つて入る君へと
注がれて入る
香しき
鍋の何処にかぐや姫
糠に隠れて
おはしますのか
今年も違ふことなく
鍋の内より姿をあらはす君
焦らせることはあつても
裏切られることは決してなく
鍋の何処にかぐや姫
糠に隠れて
おはしますのか
今年も違ふことなく
鍋の内より姿をあらはす君
焦らせることはあつても
裏切られることは決してなく
そつと
十重二十重の皮衣に手をかけて
悪戯にその細い肩を口に含めば
十重二十重の皮衣に手をかけて
悪戯にその細い肩を口に含めば
待ち望んだ逢瀬
淡泊にして鮮烈な芳香
官能の舌触りに理性は狂ひ
淡泊にして鮮烈な芳香
官能の舌触りに理性は狂ひ
このまま食べてしまひたい
もう少しお待ち下さひませ
微笑んで諭す言葉に
己の所業を恥じ入る私
その姿では心細かろうと
たつぷりの出汁で煮含めた若竹煮
薄揚げと共に仕込んだ筍御飯
梅肉で和へた姫皮の突き出しと
初夏の装ひに整へさせて
仕上げには山椒の簪
君のために誂えたのだよ
己の所業を恥じ入る私
その姿では心細かろうと
たつぷりの出汁で煮含めた若竹煮
薄揚げと共に仕込んだ筍御飯
梅肉で和へた姫皮の突き出しと
初夏の装ひに整へさせて
仕上げには山椒の簪
君のために誂えたのだよ
見つめ合ふ二人
やがて無言の儘に
手を差し延べて
熱く激しく
満たされてゆく
やがて無言の儘に
手を差し延べて
熱く激しく
満たされてゆく
これより先は秘め事なる故
皆さまの健啖な想像力に
お委せしたく候
皆さまの健啖な想像力に
お委せしたく候
2001/05/02初稿
2002/03/18改訂
2002/03/18改訂
三杯目おかわり中
そうなんですか?
こちらでは、
金沢産とか熊本産の筍が出回ってます。
不作の年に生まれたかぐや姫は、
スリムなスタイルに育つのでしょうか。
それはそれで悪くない… ☆\(ーー;
やっと1個見つけましたが、今年はどこも筍が少ないです。
この愛は人類を越え、動物を越え、
竹林の中を彷徨い歩いているのです。
この境地に理解を示していただけるのは、
うとうとさんと
かぐや姫ぐらいでしょうか。
この週末、もう一回茹でようかな、筍。