シンヤンキーに絡まれた! (その2)
- カテゴリ:日記
- 2018/05/06 19:14:17
「え?」
「それとも、この第二の矢?」
「あの 」
「でなければ、この第三の矢?」
「ど、どれも落とした憶えはありませんけど?」
「では、何を落としたのです?」
「支持率を 少し…」
「少し?」
「かなり落としてしまいました!」
「正直者のあなたには、この ”TPP交渉剣” をあげましょう」
「今頃?」
「いらないの?」
「いります、いります!」
「この剣を使えば、強気な交渉ができることでしょう」
「よーし! 切って切って切りまくるぞー!」
「あっ、ちょっと! そんなに振り回してはダメよ!」
「でも、TPPって、アメリカが抜けちゃったから魅力のないものになってしまったんですよねぇ…」
「すぐ戻りますから、安心なさい」
「すぐ戻るくらいなら、抜けなければいいのに…」
「少し不満なあなたに、この ”大国の後ろ盾” もあげましょう」
「え! あの、まだ誰も見たことがないという、伝説の後ろ盾をもらえるんですか!」
「そうですよ、さぞかし役立つことでしょう」
「ありがとうございます!その後ろ盾があれば、丸腰なこの国を守ることができます!」
「そうでしょう、そうでしょうとも」
「それで、どこにあるんです? その盾は?」
「おや? あなたには見えないのですか?」
「見えませんけど…」
「本当に?」
「もしかして、大国の後ろ盾って、本当に見えない存在しないのかしら…?」
「いらないの?」
「いります、いります!」
「重いですからね、気をつけて持ち帰るのですよ」
「ええと…、どの辺に置いてあるんでしょうね?」
「さらに! 今日は、大サービス! ”オスプレイも配備” してあげましょう」
「えっ! いいんですか?」
「いいのですよ。 まずは横田基地に配備してあげましょう」
「えっ! いいんですか! あんな住宅密集地に?」
「いいのですよ、遠慮なさらずとも。 まずは、5機。次は8機。さらに10機と増やしてあげましょう」
「至れり尽くせり、ありがとうございます! もしかして、あなたは 女神様? 女神様なの?」
「ちげーよ!」
(ベリベリベリ)
「あー、なんだ。 女神の仮面を被ったドナリド君かー」
「はぁ? 誰が、オオカミの毛皮を被った 子ヒツジだよ!」
「言ってないし」
「あ、そうだ、正直者のヤベに ”書いて消せるマグネットシート” をやるよ」
「わーい、ありがとう!」
「いいか? こうやって水性ペンで書くだろ? でも、キュキュっとやると、あーら不思議!」
「あ! 文字が消えた! 便利だね、これ!」
「だろ? これに日報でも書いたらどうだ? 都合が悪くなったら 消せばいいし 」
「って、そうじゃないの! 僕は、こんな茶番をやりたいわけじゃないの!」
「はぁ? 茶番って なんだよ!」
「僕がやりたいのは、ヒノモト高校の経済政策なの!」
「そ、そんなことないって。 かなり、いいところまで来てるんだから」
「本当かよ?」
「だからね、さらに確実なものとするために、矢の数を増やそうと思って 」
「物騒だな、おい。 お前ら、武器を持たねぇんじゃなかったのかよ!」
「違う、違う! これは武器じゃなくて 折るためなの」
「え? 折っちまうのかよ?」
「うん。 ほら、”3本の矢”って あるでしょ?」
「1本なら折れますか?って、やつか?」
「そう、そう」
「1本なら確実に折れるだろ!」
「2本ならどう?」
「2本だって、折る自信があるぜ!」
「3本なら?」
「3本はちょっと難しいな。 でも、力が強けりゃ折れるだろう? ボブ・サップとかよ」
「ね? だから、倍の6本に増やそうと思うの。 これなら絶対折られな~い! ヤベノミクス磐石なり!」
「おい、お前、矢の使い方 間違ってるだろ! 矢は折るための物じゃなくて、」
「え? 折るための物だよね?」
「弓で引いて、的に当てる物なんだよ!」
「あ、なるほど、そういう使い方もあったか!」
「そんな的外れなことをやってるから、いつまでたっても経済が良くならねぇんだよ!」
「そ、そうかな…。じゃあ、ゼロ金利政策も 的外れだったのかな…」
「どうせゼロにするなら、奨学金の利子をゼロにしてやれよ!」
「授業料の消費税も見直すべきかな…」
「あるいはな」
「よし! 思い切って、10%に引き上げよう!」
「むしろ、下げろよ! その方が景気が良くなるって思わねぇのかよ!」
「景気なら、もう良くなってるんだよ?」
「え? そうなのか? 全然 実感湧かねぇけど?」
「だってね、就職内定率は、バブル期並みの高水準なんだから!」
「ふん、非正規社員が増えただけだろ?」
「そ、そんなことないって! 正社員だって増えてるんだから!」
「本当かよ? そのデータ、捏造されてんじゃねぇか?」
「そ、そんなことないと思うけど」
「てか、お前ら、進学校なら、就職率より 進学率を上げろよ!」
「あ、それもそうだね。 だったら、経済より、むしろ 学び方改革を優先させるべき? でも、その前に、予算委員会をやらなくちゃだった。 セクハラ問題も何とかしなくちゃだし…。無くなった日報も出てきたし…」
「ヤベの高校は、問題山積み。 ヤベェなぁ!」
「ど、どうしたらいいんだろう?」
「どうしたもこうしたもねぇだろう、なるようにしかならねぇぜ!」
「そ、それもそうだけど」
「さて、そろそろ帰るか」
「あ、もう、こんな文字数!」
「長々と悪かったな」
「いいよ、いいよ。 どうせ帰ってもゲームしかやらないんだし」
「たまには勉強もしろよ!」
「もう、すっかり遅くなっちゃったね。 心配だから、送っていこうか?」
「いらねぇよ!」
「あ、そうだ、ドナリド君に聞きたいことがあったんだ」
「何だよ?」
「ドナリド君、今度、北高の生徒会長と会談するって 聞いたんだけど、本当?」
「おう、やるぜ」
「なんで? なんで会談しちゃうの?」
「なんでって、時期的に丁度いいだろ?」
「ダメダメ! 対話のための対話なんて無駄なだけでしょ?」
「なんでだよ! 話さなきゃ 何も始まらねぇだろ!」
「ダメダメ! 話したりせずに、北高には 最大限の圧力をかけていかないと!」
「ふん、口を開けば 圧力圧力って、お前は圧力鍋かよ!」
「え? 僕は、鍋ではなく人間ですけど? イタタ、頬をつねらないでー」
「南高にも声をかけたら、かなり乗り気だったぜ」
「え? 南高の生徒会長も参加するの? それじゃ、三者会談ってことになるよね?」
「まぁ、そうなるな」
「そ、それじゃ、僕たちヒノモト高校は 蚊帳の外ってこと?」
「しょうがねぇだろ! 圧力圧力言って、仲間に加わろうとしねぇんだから」
「・・・」
「なんだよ? 参加したけりゃ、参加したい って言えばいいだろ!」
「参加したいです…」
「よし、いいぜ! だけど、来る時に長めのロウソクを100本持って来い!」
「え? ロウソクを100本も?」
「あと、雰囲気出るように、白装束で来いよ!」
「ねぇ? それって、会談じゃなくて、怪談だったりする?」
「だから、始めから そう言ってんだろ!」
「ぼ、僕、怖いの苦手なんだけど…」
「安心しろ! 俺らのやる怪談だから、高が知れてるぜ!」
「そ、そうなの?」
「例えば、番町皿屋敷」
「そ、それって、お菊さんがお皿を数える、あの話だよね?」
「3パ~セント、4パ~セント 」
「え? なあに?」
「5パ~セント、6パ~セント 」
「そ、それって、お皿じゃなくて、消費税を数えてたりする?」
「7パ~セント、8パ~セント…。 2パーセント 足りな~い 」
「キャーー!」
(ナニコレ?)
お話面白い~( *´艸`)
ヤベくん、なんか頼りないね~^^;
頑張ってね~( ̄0 ̄)/