あなたに
- カテゴリ:小説/詩
- 2018/05/29 10:59:06
雨の季節がやって来る
そんな時に
あなたから別れを告げられた
私の何が悪かったの
どこがいけなかったの
そんなことを聞いても
あなたは帰って来ないのに
ひたすら自分を責めたくて
そうすればあなたが帰ってくるようで
そんなことはないのに
あなたと遊びに行った
奇妙な銅像の前で写真を撮った
あの時はあんなに楽しかったのに
今は何だろう
私一人がおいてけぼり
思い出の場所は遠すぎて
触れられることはできなくて
手を引いてくれるあなたもいない
このまま一人で思い出に浸るしかない
それが何よりも悲しい
あんなこともあった
こんなこともあった
二人で乗り越えていくはずだったのに
私はそう思っていたのに
あなたはどう思っていたのだろう
雨の季節に傘の花が咲く
色とりどりの傘の群れに
迷い込んでいく私
いくらまわりを見渡しても
あなた色の傘は見えない