風穴
- カテゴリ:小説/詩
- 2018/06/20 14:03:19
ことんなことがあった
突然の雨に降られて
雨宿りを探す人々
そんな時あなたに出会った
少しだけ話を交わして
空が明るくなったころに
あなたは名刺をくれた
自分のアドレスを書いたメモ
それと電話番号
驟雨の時期を過ごして
真っ赤に燃える太陽がきらめく
日焼けはちょっと嫌だけど
あなたと一緒ならよかった
穏やかに夏が過ぎていった
落ち葉降る秋
夜が長くなっていく
待ち合わせの場所も暗くなって
いつもの時間がほの暗い
そんな場所であなたを待った
そして冬
寒さにコートを体に巻いて
あなたは今日も遅刻
そんなことが多くなって
心に風穴があいた
あなたとたった1年半
どんな季節が回ったのだろう
愛し始めた私には
もう引き戻ることもできない
あなたを追いかけるしかない
でもそれも無駄
あなたは遠くに行くだけ
私の知らない人と共に
それで幸せならいい
私より幸せなら
さようなら
この言葉を言いたかった
何の言葉もなく離れていったあなた
少しだけ意地悪がしたかった
別れの風穴を開けたあなたに
ぼくのあそこで風穴を・・
(怒らないでくださいm