西郷どん 感想文
- カテゴリ:テレビ
- 2018/06/25 16:23:45
西郷どん 第24回「地の果てにて」
NHK 日曜夜8時~
▼束の間の幸せ
今回は、久光の怒りを買った吉之助が、徳之島から沖永良部島に流され、
苦難の日々を送るというお話でした。
当初徳之島に流された吉之助は、大島に流された時とは違い、罪人として流されたので、
扶持は取り上げられ、島では自給自足の生活を強いられました。
ちなみにこの時、薩摩の西郷家でも知行や家財が没収されたそうです。
しかしこの時はまだ、すぐに周囲に溶け込める性格で、さほど苦労はしませんでした。
また、愛加那が子供たちを連れて吉之助に会いにきたというのは本当で、
ほんの束の間、やすらいだ生活を送ったようです。
その直後、沖永良部島へ遠島の命令が来たのも本当で、このへんはかなり史実に忠実だったようです。
▼沖永良部
沖永良部島で吉之助は、吹きさらしの小さな牢小屋に監禁されます。
沖永良部ではその牢小屋を再現した建物を見ることができます。
広さは2畳くらいでしょうか。
その中にずっと閉じ込められていたため、排泄も中でするしかなく、
実際はかなり汚く臭く、衛生的にもよろしくない、あまり近づきたくない環境だったでしょう。
しかも野ざらしで風雨が吹き込む状態ですから、虫にも刺され放題だったでしょうね。
この時にフィラリアに感染し、象皮症を患い、男性の大切な部分(丸い方)が肥大して、
馬に乗れなくなってしまったと言われています。
ドラマでは再現されないでしょうけどねw
ただ、感染したのは沖永良部とは限らないという説もあり、定かではないようですね。
そんな絶望的な状況で、唯一の救いは土持政照という役人でした。
彼の父は薩摩藩士で、その父と沖永良部の島妻であった鶴との間に生まれた子だったのです。
本妻に子が出来たため家を継ぐことはありませんでしたが、藩士として沖永良部に赴任しました。
薩摩で勉学したため、薩摩言葉も喋れるし、吉之助がどういった人物なのかよく知っていたのですね。
また、初登場にして誰得な吉之助とのキスをした川口雪篷は、今後吉之助と密な関係を築きます。
ここでもまた、吉之助は愛され男子全開だったのですね。(誤解を招く表現)
それにしても地の果てって、沖永良部の人たちに失礼だろうと思うのは私だけでしょうかw
▼初めての江戸
一方、寺田屋騒動以降朝廷から絶大な信用を得た久光が江戸入りします。
そして勅命で、安政の大獄で謹慎させられていた一橋慶喜が将軍後見職に、
松平春嶽が政治総裁職になります。
この時の勅命は3つあり、1つは将軍の上洛、もう1つは大藩の藩主による五大老の設置、
これは豊臣政権の制度を模したものだったそうです。
そして最後の1つが一橋慶喜を将軍後見職に、松平春嶽を大老にというものでした。
3つすべてを呑めというわけではなく、どれか1つでいいよってことだったそうです。
幕府としてはどれもイヤだったのですが、まず最初の将軍の上洛は、金がかかりすぎるのでダメ、
そして2つ目は幕府外から幕政をあれこれ言われるようになるのでイヤ、
3つ目は、慶喜は御三卿、春嶽は親藩の藩主で、身内なのでギリいいかってことでこれになりました。
大老でなく新設の政治総裁職となったのは、大老は幕府の慣習で就任する家格が決まっていたからです。
ささやかな抵抗ってやつですね。
春嶽の方は立場を利用していろいろやっていたようですが、
慶喜は、日和見的な老中達に責任を押し付けられ、あまりいい思いはしなかったようです。
また慶喜と春嶽、そして久光は、やはり徳川家と外様というスタンスの違いがあるせいか、
主張を違えたようです。
それが、あの久光を痛烈に慶喜が罵倒するシーンにつながったのでしょうかね。
今回は吉之助の災難が中心に描かれましたが、江戸の話の方がよっぽど面白いなw