Nicotto Town



タケシの武勇伝…(10)


中に入ると、目の前にはタケシの部屋より幅の広い階段がデーンとあり、タケシの家の天井の5倍より高い上階へと伸びていた。その高い上階からシンさんが手をふっていた。

シンさんは車椅子に座っており、突然くるりと背を向けると、おもむろに開いた扉の中に消えていった。

一瞬、タケシは「?」と思ったがすぐに訳が分かった。シンさんがエレベーターで降りてくるのが見えたからだ。

「北野くん、ひさしぶり…」

シンさんの声は小さかったが、玄関ホールに響いて大きく聞こえた。

「シンさ、、いや、真也さん大丈夫っすか?」

シンさんが車椅子に乗った姿を初めて見たからだ。

「シンさんで良いよ。」

シンさんは微笑みながらこう応えたが、タケシは心配でならなかった。シンさんの顔色が今まで見た中で一番青白く見えたからだ。

「塙(はなわ)さん、もういいですよ。あとは北野くんと一緒に部屋にいますから。北野くん行こう…」

シンさんはこう言うと、タケシをエレベーターの中に誘った。気を利かせたタケシが車椅子を押した。

…あのじいさん、はなわって言うのか。でも、顔は佐賀の方よりナイツの方だな。

エレベーターのボタンを押しながら、一瞬こんなどうでもいいことをタケシは考えたが、ゆっくりと音もなくエレベーターが昇っていく間、タケシは素直な感想をシンさんに言った。

「シンさん、すごい家に住んでるんすね。」

目を合わせたシンさんは、それには応えず、ただニコっと微笑んだけだった。

エレベーターを降りて指示どおりに車椅子を押していくと、とあるドアの前に着いた。そのドアは病院にある大きな取っ手付きの横開き式だった。

…ホントに病院みたいだな。

すぐにこう感じたタケシは、おもむろにドアを開いた。

※※つづく※※

アバター
2009/10/04 15:08
シンさんの様子が何やら気になりますね。扉の先には何が…?
アバター
2009/10/04 12:05
おうちにベーターあるとか
かなりうらやましいℇ`♥
アバター
2009/10/04 11:59
ども!
エレベーター、楽そうだなぁ~
部屋の中も病院みたいになってるんですかね…?
アバター
2009/10/04 10:02
さて中に入ったらどんなことが待ち受けているのでしょうね。



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