はずれ馬券
- カテゴリ:自作小説
- 2018/07/03 23:16:33
経理課の優子とはじめて話したのは、社会人サッカー大会の試合が終わった後の打ち上げだった。チームメイトの半分は、日ごろの運動不足の解消を目的としていて、わがチームのモットーは、参加することに意義があるだった。対戦相手は、地域の強豪で、みな、大差で負けると思っていたが、終了間際に逆転されまで、勝つかもしれなかったいい試合になった。
充実した試合内容だったせいか、打ち上げは、いつもより盛り上がった。先制のシュートを決めて気分が大きくなっていた僕は、酒の勢いもかり、優子をドライブに誘った。優子も、夏だし海がいいなと笑いながら答えた。
社内で会うのはが気恥ずかしく、メールのやりとりで日程や行先を決めた。どこに行くか、どこでご飯を食べるか、ネットで調べて、優子に確認のメールをするのが楽しかった。機械を相手の単調な仕事も、あっちの方がいいかなと考えているとあっという間に時間が過ぎた。
メールのやり取りから1週間が過ぎたころ、優子からメールが来なくなった。現場勤務の僕は経理課に顔を出すこともできず、どうしてこうなったのか分からなかった。翌週のサッカーの試合後n打ち上げの席に優子はいなかった。
優子の同じ経理課の大島が話しかけてきた。大島は後輩だけど、僕と同じフォワードで仲がよかった。大島はまた聞きですけどと断って、優子が会社の誰かとドライブに行く約束をしたことを、女子社員の先輩に話したら、現地採用の工場勤務と付き合ったって仕方ない。はずれ馬券をつかんでどうするの。本社採用を見つけないと後悔すると言われ、どうしたらいいのか優子が迷っているということだった。
優子と連絡をとらないまま、ドライブに出かける日がやってきた。僕は一人で海に向かった。車を止め、海を眺め続けていると、日が傾き、空も海も夕焼けに染まっていた。僕は優子に最後のメールを送った。
帰りの車の中で、カーステのボリュームを上げた。ピッチに立つこともできなかった悔しさに、目頭が熱くなった。僕は叫ぶことしかできなかった。
紅に染まったこの俺を慰める奴はもういない
もう二度と届かないここの想い、閉ざされた愛に向かい叫びつづける
presented by docomo
docomoのCMで、高畑充希がXJAPANの紅を歌っているのを見て、書いたものです。
本社採用と支店採用はそんな感じです。直臣と陪臣のような感じかな。
ゆりかさんは、間違いなく素敵なお嫁さんになれると思います。
男はちっちゃなプライドがあるものです。傷つきやすい生き物です。
今からではどうでもならないことを責められると、凹んじゃいます。
肩書や会社や家柄より、自分を見てほしいものです。悪ければ直そうとすればいいし、直せないのならば、そこまでだし。
悲しいような悔しいようなお話ですね。
現場勤務と本社勤務の違いがよくわかりませんが、旗本と御家人くらいの格差があるのでしょうか?
文章から考察すると、誰もが見つけようと躍起になっている本社採用の人より、ライバルが少なそうな主人公を狙いますね、私なら。俸禄が少なくとも、一緒に傘張りの内職をすれば良いのです。
あれこれデートプランを練ってくれるとは、結婚すれば幸せ人生プランも練ってくれそうです。
惜しい人を逃しましたね~、優子さん。
今回も面白いお話を読ませて頂き、ありがとうございました(^^♪
そうそう、幸せはお金でないのだ
美味しいうどんと一杯の珈琲があればいいのだ
さな子さん
赤毛のあんだったか
毎日コツコツ働いて給料をきちんと運んでくれる人なら
いいってことにしましょうよ、優子ちゃんw
あ、塾のお迎え行ってきますw
高畑充希は歌が上手い!
バイクを手放してからあまり海に行けなくなったけど
秋になったら行きたいです( ´ ▽ ` )