Nicotto Town



題:「殺生」


自分が若い頃、海辺の観光旅館に夫婦で行く機会が有りました。

当時自分は魚釣りが大好きで、素晴らしく綺麗な海の近くの宿と言うことも有り内緒で忍ばせた釣竿を片手に夜明

けと同時に浜の防波堤から竿を出し、白ギスを数匹つり上げ満足して朝食に間に合うように宿に帰ってきました。

とりあえず、魚を綺麗に洗い冷蔵庫に入れ朝食前にひとっ風呂浴びに大浴場に向かいました。


案の定その時間帯には他のお客さんの姿は誰一人見られず自分は優雅に身体を洗っていると、そこに桶を整理しな

がら背の低い老人が自分の近くにやって来ました。自分は挨拶をしながら先ほどの釣りの話を嬉しくてそのお爺さ

んに話しました。戦利品(釣果)や武勇伝(仕掛等)の話を(笑)


そして、その老人はすべて聞き終わった所で、その茶色い2つの瞳で自分の2つの目の奥をじっと見ながら、優し

い口元でゆっくり言いました。

「わたしは、せっしょうはしません。」

そして軽く微笑み一礼しながらすーっと遠ざかって行きました。



自分は、今の話の成り行き上 その言葉の意味が理解できず、どう言う事なんだ? 
んー、もしかしたらこんな若僧が優雅に旅行などして朝から釣り道楽などとはと悔しくて言ったのか…?
 しかし、それにしてはあの微笑みと瞳に悪意は感じられないし…
 そして確かに釣りと言う行為は、間違いなく殺生に違いない。
 …だが、今の時代フィッシングなどと言う言葉もあるくらいスポーツとしても認められているし、単に魚を殺して

るだけではなく、ちゃんと食べているし、魚の顎に痛点は無いとも昔本で読んだ事あるし…ううむ…

などの考えが数秒のうちに頭を駆け巡る中、その頭の外側のシャンプーの泡を落としてもう一度そのお爺さんの方

をみてみると、すでに姿はありませんでした。



何かこう胸にしこりのような物が引っ掛かったまま、その出来事は妻にも話さず朝食を取りその旅館を後にしまし

たが、それまでその老人の姿は脱衣所でもロビーでも駐車場でも一度も見る事はありませんでした。



あれから数十年がたち、今思い出してみると、あんな早朝から風呂を清掃管理しているのは不自然であるし、本当

にあの人(老人)はあの時、そこにいたのかの記憶さえも定かで無くなってきていますが、しかし間違いなくその言

葉は頭の中に残っていますし、その老人の茶色い瞳は今でも自分の目の奥に残っています。



平成25年9月25日

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2018/08/30 09:53
みきさん> こちらこそ日記RESありがとうございます。 宮沢賢治、有名ですね。・・・自分はまともに読んだ事が無いので(^^; 「今度よだかの星」読んでみます。 アニメ版「銀河鉄道の夜」は、今は亡き北九州スペースワールドのプラネタリウムで見ましたが・・・いや、半分くらいから後は記憶がありませんww
普通の映画館もドーム式の立体映像映画などやってくれたら見に行きたいですね。
ああ、話の内容が変わってしまいましたね#^^)


ありおりはべりさん> その人が過去どんな体験をしたのか?どんな事を知ったのか?何を考え生きたのか?  もし自分がその歳になった時 次の世代の人にそれが言えるのか? はたまた何を伝えれるか? 何十年経った今でも考えてしまう体験でした。(^_^)b
「が」があればそこまで考えなかったと思いますが・・・、  w  。 の威力を感じる一言でした。ww
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2018/08/30 00:32
茶色い瞳ですか~また不思議な体験をされましたね~

私は殺生をしません・・・直接的にはが後に付くのだろうなーと思います。

自分は唐揚げなどを食べているときに時々、鶏が家禽とは言えお肉になっているのを
考えると…旨いはずだろうと思って食べています。

それでもどこの唐揚げが旨くてどこの唐揚げがまあまあなど脳みそはしっかりと
記憶しているから…人間と言うのはやっぱりそうした生き物なのだろうなーと思っています。

白ギスも丁寧に前処理しててんぷらにすると旨い事も知っている自分としては
食べ物に感謝できなくなったら…人間的にダメだろうなーと思っています。

やはりそれを忘れると人間的に一つ何かを失う気がします。

貴重な体験談ありがとうございました。

コメント欄によだかの星の事を書いている方がいましたが…ちゃんと読んだことはありませんが
話の大筋を知っていると

今度はよだかを飼いたくなった自分はやっぱり俗物だなーと思ったものです。
今度は同じ鳥なのに…保護してやりたくなると言う

余計なお世話をやきたくなるのです。

それでは~
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2018/08/26 09:57
おはようございます。
ご訪問ありがとうございました。
ステキのお届けにお伺いしました♥

私達って、みんな「食物」という生命の上に成り立ってるんですよね。
お肉もお魚も、お野菜も、みんな生命のあるもので。
無益な殺生は絶対ダメですけれど、全て否定したら私達は生きていけません。

全ての命の上に私達が生かされている、ということを忘れないようにしたいと思います。
神さまがこのように世界を創られたということは、やはり意味があるのだと思います。

宮沢賢治さんの「よだかの星」はこのことに取り組んだ作品ですよね。
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2018/08/24 11:32
ねこっとさん> そうですねー、自分はアルコールで除菌しただけでも細菌を大量虐殺してしまっていますので (^^; 全くは無理ですね。
 ちなみに、犬や猫の霊がいるとしたら、細菌の霊もいるのかが知りたいですが、存在したとしても肉眼では見えませんけどね。ww

ピンクの亀さん> はい。不思議な体験でした。 以前、革製品は持つとよくないと霊能力のある人から聞いたことはあります。なので兎のしっぽのキーホルダーや狐のマフラーはすぐに捨てました。
まあ、エイリアンが人間の剥製をコレクションしてたらいやですからねW

ああ、ダッチワイフは本物じゃないからOKかな? (^^; いや、持ってないですけどww
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2018/08/24 02:26
殺生なしで生きていくのって
無理があるのに、変なおじいさんだなぁσ(´ω`;)??
お野菜だけ食べて生きてるのかな?
皮製品を持ったこと、本当にないのかな?
なんだか色々突っ込みどころのあるおじいさんだと
思いましたー!
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2018/08/23 19:33
そうなんですか。

優しく微笑みながらというのが、なんか気になるところですね。
まあ、押しつけているわけでもなさそうなので、自分の生き方というだけなんでしょうか。

無駄な殺生は避けるべきなんでしょうが、地球上の生き物は、基本的には殺生なしでは生きていけませんからねえ(植物も、他の植物の生活圏を奪いつつ成長しているわけですし)。
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2018/08/22 00:01
みるく♥さん> はい。保育園の頃から釣りがめっちゃ好きでした。 っと云うよりも魚が好きなのかも!
勿論魚を食べるのも好きですが(^^) 牛・豚は食べると身体の調子が悪くなるし、おなかがすぐふくれちゃってたくさん食べれないので苦手です。
野菜や魚はどれだけ食べてもなかなかおなかが膨れませんし、胃にもたれないので嬉しいです。

そうですね。たぶん自分への戒めに出来たのだと思います。そればかりしてないで本来やるべき事を全うしなさいと。 確かに無益な殺生は良くない事でもありますし
今考えてもやはりあの速さで脱衣所にも管理室にもどこにもいなくなっちゃうのは物理的にあり得ないと思います#^^)
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2018/08/21 23:05
りょうちん 釣り好きなんだね^^でも魚ダメだと牛とかもダメだし、、

不思議なおじいさんどこから来たんだろうね^^

何かを伝えたくて来たのかなぁ?

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2018/08/21 00:52
(株)此花咲夜さん> ああ、なるほど 足らない=足らじ なのですね。ガッテン!w
もう採れなくなると商売あがったりですからね。(^^;
なぞが解けました。「うんじゅぬ、うかじ・やいびーる にふぇー・やいびーん」 これは方言を超えてるかもww
ここらの方言で、 おみゃ~さん=あなた と おみゃ~さん=御宮さん が全く発音の違いが無いのと
・・・似てないですね(爆笑)
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2018/08/21 00:39
沖縄うるまさん> そうですね。不可能だと自分も思います。(^^;
これとは全然別の時に、ある霊能団体の人と話をする機会がありこのような話になった時その人は、
 「漁師や食肉業の人はそれを仕事でやっている。なので年に1回は、その生き物たちの霊を鎮める為にご祈祷をしている場合が多い。 なのであなたは漁師で無いならそれはその人らに任せなさい。 食べるから殺して良いと言うものではありません。」 っと
 確かに、その考えは一里あると思います。  っが、つい誘われるとたまに行ってしまいます。
これを完全に止める事ができるのか? それ以後、なるべく自分で進んで釣りに行かないようにはしていますが・・・
 まだまだ修行が足りないのでしょうか? (^_^)b
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2018/08/21 00:36
くわっちーさびたん
     ・・・・

      ↑
     でした~とかであってるかな?


御馳走様でした=おなかいっぱい


たらじさびたん=たりてないです!って意味

腹八分目とかなのかな?
足りてないからまた捕りますねーとかって事かな?と解釈してます(^_^;)
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2018/08/21 00:26
あやとりんさん> 阿刀田高・・・そのような作家がおられるのですね。今度機会が有ったら読んでみます(^^) その人も色々な面白い体験をしているのでしょうか。
ゴールデンカムイ? も知りませんでした。 スミマセン 文学やコミックはあまりかかわりのない人生を送ってきたので詳しくありません。#^^)
芥川龍之介の作品は最近何作か読みました。この方の作品は文学と云うよりは、論文に近いので読みやすいですし考え方が同じなので違和感があまり無く途中でいやになりませんww
情報ありがとうございました(^^9

すいすいマリンさん> (笑)祟りじゃー! (鉢巻きに蝋燭さしてw) ああ、勿論、良いですよ。本当に有った話ですから、たこ焼きパーティーの時にでも是非 
ってか呪われはしないと思いますけど これ怖い話かな? (^^; ちなみに場所は東尋坊のすぐ近くの旅館です。(爆)
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2018/08/21 00:06
taka546さん> 爆笑! そうかもしれませんね。 >>なんでやねん!w ああ、お盆に海行くと連れてかれちゃうとか言いますからね。 このお話もちょうどお盆の時期の出来事でした。 (^^; 

(株)此花咲夜さん> なるほど、「くわっじーさびたん」ではだめなのですね。ちなみに「たらじ」はどんな意味なのでしょう? #^^)
確かに植物も生き物ですね。究極まで行けば石など鉱物も、人間や動物と同じ宇宙の構成要素(元素)から成ります。 なので、今考えると自分への何らかのアドバイスだったのかもしれません。
他の人には見えないのであれば、なおさら(^_^;
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2018/08/20 22:59
人が生きていくうえで 殺生はしていないと言うことは 不可能だと思います、
その気はなくても 無意識にどれだけの生物の命を奪っているのか、
無意識の殺生は 殺生じゃないと考えるのならそれでもいいのですが
それよりは 他の生命に感謝しながら生きたほうが幸せだと思います。
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2018/08/20 22:02
綱吉の霊じゃー!
徳川の呪いかもねフフフ(ちびまる子ちゃんの野口さん風にどうぞ~)

不可思議なおはなし、この夏の最強怖い感じかも><;
これ、「又聞きなんやけど~」で飲み会でお友達に披露してもいいっすか?
あ、やだ誰かに話すと呪われるとか無しで(;・∀・)
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2018/08/20 17:14
不思議なお話。あの老人はほんとうにいたのだろうか・・・
りょうちんさんのこのテの話、好きよ。阿刀田高の短編小説みたいで^^

最近流行り(?)のジビエマンガも多々あるし、自分で獲った命はちゃんと感謝しつつ美味しく頂くっていい悪いの次元でもないと思うのだけど。
ゴールデンカムイのアイヌの人々の生活や考え方みててそう思うなあ。
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2018/08/20 16:30
殺生…

釣りを楽しんでるだけ、と思われたのかな?リリースしてるとか、美味しく頂きました!まで尾が付けば殺生にならないのかな?

それともベジタリアンなのかな?

しかしベジタリアンも生命と考えたら、
野菜も生命…殺生になるって方もいる…(-_-;)

こんな卵が先か鶏が先か的な話になる前に、美味しく頂きました。御馳走様でした!と逃げマッスルε=┌( ・_・)┘


名護の知り合いの元漁師さん曰く、魚介類を食べ終わったら「たらじさびたん」と言うそうです。御馳走様でしたと言うと次から獲れなくなるジンクスがあったらしいです。
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2018/08/20 15:27
うちでは、お盆の間は精進としております。
昔は漁師も休んだとか。 (^^ゞ
もしくは、おっさんの秘密のポイントで他所から来た人に釣果を上げられて悔しかったのかも。



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