別れの影
- カテゴリ:小説/詩
- 2018/09/07 14:47:01
昨日キャンパスであなたを見た
少し猫背で
なじみのポロシャツで
友達と笑っていた
あなたは気づかなかった
いつまで思うんだろう
もうずいぶん経つのに
もう忘れちゃいなよ
友達は言うけれど
忘れるには何かが足りない
愛は
一つ落とせば一つ拾う
そんなものじゃない
風のように飛んでいったなんて思いたくない
だってまだ防げない穴が開いている
一枚だけの写真
あなたと二人で撮った写真
あの頃は楽しかったのに
何で別れたの
疲れ果てていたのか
負担に思ったら愛は続かない
手を差し出して
手を取って
互いに結び合って
愛が流れていく
もう流れないんだ
あなたと私の愛は
それが何よりも悲しい
ずっと流れていくはずだったのに
信じていたのに
去っていくあなたの背中に
そっと「またね」とつぶやく
これが精いっぱいの私の別れ
いつかそんなことも消えるだろう
だから今 あなたにあげたい