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西郷どん 感想文

西郷どん 第36回「慶喜の首」
NHK 日曜夜8時~
▼鳥羽・伏見の戦い
今回は、戊辰戦争の始まりである鳥羽・伏見の戦い、慶喜の江戸への逃亡、
吉之助と山岡鉄太郎の会談の模様が描かれました。
まずは鳥羽・伏見ですが、正直戦について調べるのは大の苦手なんで、さらっとしか調べてません。
ただ錦の御旗について、岩倉と大久保が勝手に用意したように描かれていましたが、
確かに用意自体は勝手に始めたのですが、それを使用するにあたっては、
少なくとも朝廷の許可を得たのは確実のようです。
天皇の許可が得られたかどうかは分からないのですが、当時明治天皇は幼少でしたからね。
nskdが撃たれた時は、これは死ぬかなと思いましたけども、よく考えたら
初回冒頭で、西郷の銅像の除幕式のシーンに、信吾いましたよね…w
というのも、吉之助の兄弟(男のみ)ってあまり長生きした人は多くないんですよね。
後の西南戦争に参戦した兄弟もいましたしね。
信吾が一番長生きしたのではないかと思います。

▼慶喜逃亡
将軍である慶喜は、大坂城で戦況を見守っていたのですが、新政府軍が錦の御旗を掲げ、
旧幕府軍の士気が落ちると、さっさと軍艦で江戸に戻ってしまいました。
慶喜は賢人であったかもしれませんが、この逃走だけは誰も擁護できないのではないかと思います。
そしてこの逃走が彼自身のイメージを作ってしまっているんですよね…。
私が考えるに、慶喜は徳川家が朝敵となったことが、かなりのショックだったのではないかと。
兵力では新政府軍に勝っており、今から盛り返すこともできないことはないけれど、
士気はだだ下がり、裏切る藩まであり、また戦って勝ったとしても、朝敵の汚名を
いかに払拭することができるか、この時点では思いつかなかったのではないでしょうか。
それにしても軍を置いて逃げてしまうなんて、大将のやることではないですよね。

▼超歴史的存在
今までは話を分かりやすくするための存在として大目に見てきましたが、今回はもう許せませんw
まず断言しておきますと、慶喜の妾である「ふき」は架空の人物です。
これはまぁ皆さんご存知ではないかと思います。
しかし彼女にはモデルがおりまして、恐らく京都・大坂に同行したということで、
江戸の町火消し・新門辰五郎の娘・芳ではないかと思われます。
もちろん生まれも育ちもちゃきちゃきの江戸っ子で、薩摩出身ではありえません。
そんなだから、このドラマでは慶喜が重要人物として半年に渡り登場しているにも関わらず、
彼との関わりが深かった新門の「し」の字も出ていないわけですね。
ここまではまぁ、薩摩出身の身分が低い女を慶喜の妾にしたかったという作者の意図を汲み、
仕方がないと見逃してきたのですが、今回のふきの言動には呆れ果てました。
まず大坂から江戸に逃げる船の中で、こんなことで将軍が死んでしまう、罰が当たったなどと言い、
高らかに笑うという狂いっぷりを見せたかと思えば、江戸に帰ってからは、
西郷に誠心誠意詫びれば西郷は優しい人だから許してくれると、的外れなことを言う始末。
いやいや、戦争ってそういうことじゃねーからw
しかも「もう面を見せるな、出て行け」という慶喜に対し「いいんですか?
本当に出ていっちゃいますよ?」との上からの受け答え。
存在自体ファンタジーなのに、言動がここまで素っ頓狂なら、
もう存在価値は無いを通り越してマイナスですわ。
もう本気で面見せなくていいよ。
ちなみに本物の慶喜も、この時正室と大名の娘である側室2人以外の側室・妾を放逐したようです。

▼山岡鉄太郎
後の山岡鉄舟という名前の方が、知られているでしょうか。
勝が吉之助と話し合う前に、徳川家の現状と勝の意向が書かれた書状を携え、吉之助に
直談判しに行った徳川家の家臣で、自ら「朝敵徳川慶喜家来」と名乗ったのは本当のようです。
この時吉之助は鉄太郎に「江戸城の明け渡し」「城中の兵の移動」「兵器を差し出す」
「軍艦を引き渡す」「慶喜を備前藩に預ける」の5つの条件を提示しましたが、
鉄太郎は「慶喜を備前藩に預ける」項目にだけ難色を示し、吉之助にもし薩摩藩の藩主が
同じ立場だったら、あなたはこの条件を受け入れるはずがないと反論し、
吉之助は鉄太郎の篤い忠義心に感銘を受け、慶喜の身の安全を保証したそうです。
あれ、こんなシーンだったかな…。
ドラマでは、吉之助はとにかく慶喜の首を!と言っていた回だったので、
こんなに簡単に翻意されては困るってことなのでしょうかw
思うに、西郷は武力倒幕を推進はしていたものの、慶喜の首まで獲る気はなかったのでは…。
朝廷、新政府に寝返った元々幕府に近い藩、そして島津家などの関係を考えると、
首を獲るなんてとんでもない!て感じだったんじゃないかと思いますけどね。
武力倒幕すら思いをひとつにできないでいたんですからね。




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