Nicotto Town


ヤツフサの妄想


悪魔なので邪神を育てる事にした 4話

~ 大都会岡山の停電原因 ~


「兎に角その萌え化を何とかしてくださいませ、邪神様!」

「なんと! 魔女っ子はいかんと言うのか! お主はボンキュッボンのグラマラス我儘ボディーが良いと言うのか!」

いや、魔女っ娘とか言う以前にキモイんですけどね。

「魔女なら魔界にも沢山居るでしょう?」

「あれは魔女っ子ではない! BBAだ! BBA!!」

「魔女と言う物はそう言う物でしょう? くすんだローブを身に纏い、箒に乗って空を飛び、禍々しい毒や薬を大鎌で煮る、齢を重ね魔族とは違う複雑な術式魔法を探求し操る恐ろしい存在。 それが魔女なのでは?」

「まだまだ若いのぅ。 今はロリが魔法をステッキを振るだけで何でも出来ちゃうのが流行りなのじゃ。」

「術式はどうなっているのですか?」

「本来魔女が使う魔法学の複雑な術式など、オートマチックで全て解決じゃ! 頭なんぞパープリンでも可愛いが正義なのじゃ!」

駄目だ、本気で邪神様が壊れている。

何とか邪神様を殺(や)る気にさせ、現実を見せたい。

しかし今の姿をどのようにしたら邪神としてもっとも良いのかバアルにも良くわからなかった。


そんな話をしていると、突然モブ悪魔Aが現れた。

「どうしたのじゃ、モブAよ。」

「邪神は~ん、モブはないでしょ、モブってさぁ~」

モブ悪魔Aは、よく邪神様とねっとでエロ動画とかを見たり、人間界に行ったりして、魔界の外の情報通である。

その為LINEの交換などもしていて邪神様の正体もよく知っており、気軽に声をかけてくる。

他の悪魔や魔獣などは恐れ多いと畏怖を抱くのに、全く物おじしないエセ関西弁のおちゃらけキャラなのだ。

「モブはモブでいいじゃろ、で用件はなんじゃ?」

「ああ、そうそう、邪神はん。 ア〇ゾンからお届け物でっせ。 またエロフィギュアでも買ったんですか?」

「うむ、届いたか。 今日届いたのはアレじゃな。 フィギュアではない。 ましてやエロゲでもない。」

「何買ったん?」

「健康食品じゃ。 大豆イソフラボンとか、DHAとかな。」

「チョ バロス、と言うか健康とかほど遠い存在だと思ってましたわ~ 草生えまくりますがな! 明日は魔界の雪決定!」

魔界に雪は降らない。

活火山が絶えず噴火しており、気温は平均30度。

夏は50度に達し、冬でも20度を切る事がない。

なので魔界の雪と言うのは「ありえない事」の代名詞となっている。


「それはそうと邪神はん、今日はまた一段とキモイっすね。 どないしはったん?」

「おおそうじゃった、萌え化してみたのじゃが、カワユイじゃろ♪」

「メッチャキショイですわ。 これ後になって絶対黒歴史になりまっせ。 そりゃもう金のない地方自治体がやらかしちまったって位に。」

「うむ、結構頑張ったのじゃが、そうであれば元に戻るかの。」

と言うとしおしおと元のタコヒラメに戻る邪神様。

変身の時に光ったのは何だったのか?

「邪神様、変身した時に光ったと思うのですが、戻る時は普通なのですね?」

「ああ、あれは単なる演出で別に光らなくても問題ないぞよ。」

そんな無駄な力があるならもっとレベルアップしろと言いたいが、邪神様がすねると思うと言い出せないバアルだった。



邪神が変身を解いたその頃、人間界では謎の大停電を起こしていた大都会岡山の停電が突然復旧していた。



「邪神様、レベルが元に戻っております! もう一度今度は禍々しい姿で、せめて私より高いレベルになっていただけませんでしょうか?」

「嫌じゃ」

「はい?」

思わず間抜けな返事をしてしまう。

「嫌じゃと申しておる。」

「何故でございましょう?」

「それはじゃな、本来の我の力とは魔力では無いと言ったであろう? つまり電磁力を作る為に電気が要るのじゃな。 普通なら自然の中の雷などを利用するのじゃが、雷雲を作るのにもちと力が足りん。 と言う訳で人間界から電力を奪ったのじゃな。」

「それは素晴らしい事にございます。 さぞ人間どもも邪神様の力に驚いた事でしょう。 しかしそれでまた何故レベルアップを嫌だと仰られるのかわかりませぬ。」

「ネトゲじゃ。」

「ねとげがどうかなさいましたか?」

「今回は大都会岡山から電力を貰ったが、他の都市から電力を貰うと我が課金しておるゲームのサーバーが落ちるのじゃ!」

「鯖が落ちる? 魚が空から降ってくるのですか?」

「邪神はんもたいがいやね。 そんなのチートすればええのに。」

「それでは周りに敵が増えすぎて、共同作戦などしてもらえなくなってしまうではないか!」


邪神様が人間風情と共同作戦!?

何故力で蹂躙してしまわないのか?

「そんなのチートで滅茶滅茶にしてまったらええのに。」

「壊してしまったら折角課金したデータが消えてしまうじゃろ! アカバンされたら泣くしかないのじゃ!!」

バアルは途轍もない虚脱感に苛まれながら、何とか踏みとどまる。

「課金って・・・ そういやぁ不思議に思ったんやけど、いつもア〇ゾンとかで買い物したり、ネトゲで課金してる金ってどないしてるの?」

確かに、邪神様は引き篭もりである。

しかも神であるのに信者など全く居ないので、活動資金となる生贄やお布施と言うものが全くないはず。

「ああ、それはじゃな。 ネットを使って大手の企業なんぞをハッキングして、個人の給与とかで端数を切ってしまったものを集めて少額づつ偽造した架空の社員の口座に出張費として入金したり、在庫管理の甘い製造業などを狙って制作段階で材料の加工に失敗したように見せかけ、浮いた金を横領したり、色々じゃな。」

「せこいわ邪神はん! まさかの展開やで!」

「とは言うがな、これが公認会計士等が入ってる企業じゃと、誤魔化すのも大変なのじゃよ?」

開いた口が塞がらないとはまさにこれである。

邪神様ともあろう御方が詐欺まがいのせこい手段で買い物をしていたのか。

ここまで堕落した邪神様の邪活の今後を考えると頭が痛くなるバアルであった。


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    今回からサブタイトル付けてみました




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