Nicotto Town


ヤツフサの妄想


悪魔なので邪神を育てる事にした 9話

~ 邪神様抜きの邪活開始 ~



悪魔とは本来何らかの神であったり、天使であったりするものが多い。

それが異教徒によって迫害され、悪魔と呼ばれているものだ。

龍なども最初に見出した国では雨の神で有ったものが、モンゴルの騎馬兵がヨーロッパに攻め込んだ際にドラゴンと言う魔獣にされたりもした。

だからこそ邪神様の言われた『神は4柱しかない』と言う言葉に驚いたのだ。

天使や悪魔は本来、召喚した人間の願いを叶え、死後に魂を貰うものである。

勿論魂と言うのは果実やワインと同じで、花が咲いただけの木を見て実がなっているとするものではない。

歳を重ね、実が熟し、天寿を全うする事で深い味わいとなる。

幸せに過ごしたものほど極上とされる。

植物も動物も同じ生命。

可愛がって幸せにしてやれば、よりよい花を咲かせ、より多くの実を付ける。

青田刈りしても良い魂は得られないのだ。

そうでなければ神に逆らってまで悪魔を呼び出そうとする者など居ない。

神頼みするのも悪魔を呼び出すのも己の欲望を叶える為に過ぎない。

ただ人間は力が弱い故、怖がりでもある。

だからこそ人の言う地獄や天国等と言う物はありはしないのだが、死と言う恐怖から良い事をすれば天国に行けると勝手に言っているだけなのだ。

実際はどの神に召されるかと言う違いしかない。

神の聖典と呼ばれるものが、すべて人間によって都合よく書かれたものであり、神自身が書いたモノなど1つもないと言うのに。



「それで私が働く場合と、邪神様を働かせる場合と、どれほど違うと言うのか?」

「違いは明確に見える。 邪神殿の言う通りにバアムが耕作放棄地を復元するなら、土魔法や雨風をコントロールして、たとえそれが南極で有ってもバナナやハイナップルを一瞬で豊作にする位朝飯前に出来るだろうよ」

「邪神様の言うそれの何が問題なのか?」

「幾つか例を挙げるなら、まず収穫物のトラブルだ。 近隣の田畑と同じような物を収穫すれば、新参が入るものが妬まれる。 それに耕作地を借り受ける会社を作るにも、普通の会社では取引が少量になりかねない。 多く出荷するら農業法人を立ち上げねばならんのだが、これにはある程度の実績が無いと法人化できない。 それにまだあるぞ? たとえ収穫物のトラブルを避ける為に時期をずらしても、なぜそのように育つのかと変な目で見られる。 勿論そんな怪しい食べ物なぞ売れる訳がない。 例え温室にしたとしても大規模な魔法を使えば怪しまれ、結局手間を掛けて育てなければ需要がないんだよ」

「成る程、どうしても赤字になると言う訳か」

人間界は昔と違って食べ物の検査が厳しいようだ。

魔界であればそのような事は日常であるが故気にしたことも無かったのだが。

植物の実りの時期がネックとなるとは思いもしなかった。

それも人間同士の派閥に巻き込まれ悪魔だとバレれば拠点どころではない。


そしてバルバトスは邪神様の能力を語り始めた。

「だが邪神殿を働かせた場合、元々古より言葉のすべてを把握する力がある。 それは古代エジプト語で有ろうと、プログラム言語で有ろうともな」

「プログラムと言う言葉がわかれば起業できると言う訳か」

「その通り。 立派なIT企業だよ。 それ程大きくする必要はない。 目立つよりも実績を重ね、裏で邪活をした穂がいいだろう。 表立って宗教活動すれば他の宗教ともめるので、宗教法人を立ち上げても あくまで地下活動としてだがな。 悪魔だけに アハハハハ」

「欲の皮の突っ張った人間を集め願いをかなえてやる。 その見返りをそれなりの報酬を受取り、裏切ったり口外したものに罰を与えればよい訳か」

「冴えてるじゃないか、ま そんなところだね」



邪神様が働くかどうかは別としての話だが。

とバアルは何とか出来ないか思案する事になった。

『あの怠け者の邪神様が働く姿が思い浮かばん』

「バルバトス、邪神様が働くだけではどうにも心配でならん。 私がサポートせねばなるまい?」

「サポートと言うより経営全般、君がした方が良い結果になるな。 邪神殿に全てを任せたら遊びまくって散財するぞ」

「であろうな」

「それにお君は魔界を切り盛りしていた実績もある。 財政全般はお手の物になって居るだろ?」

「やれる気がしてきたことは確かだな、魔界の財政はどうするのだ」

「キミが張り切り過ぎて、魔界の貴族の仕事が減っているのを知らんのか? 実質魔界を収めて居る魔はバアルだが、他の貴族は頼りにされていないと不満もあるのだよ。 自分の領地をいいようにされているわけだから」

「そ、そこまで深刻だったのか。 と言うか魔界の貴族は怠惰だとばかり思っていたが」

「だらけているように見えて、昔はそれなりにやってたんだよ」

「私が人、いや悪魔を見る目がなかったと言う事が・・・」

「兎に角人選はお前がきちんとしておけば、邪神殿もやる気が出る事は未来がぼんやり見えるよ」

「人選だけでやる気が出るのか。 思いつく限り邪神様が持って居る薄い本を参考にする位しか思いつかんが」

「そのビジョンはっきり見えた! 間違いない、それで邪神殿は確実に落ちる!」

邪神様を落としてどうするのかと心の中で突っ込んだが、拠点作りは邪活に必修である。

それに邪神様自身が邪活をすることで、レベルの底上げも期待できるかもしれない。

未来をある程度見る事の出来るバルバトスが言うのだから間違いはないと思う。

後は邪神様の薄い本を見て、好みの人選をするのが先決だろう。

バアルは堕天使バルバトスに礼を言い、魔界で人間界に連れていけそうな人選を始める事にした。

勿論邪神様の隠し部屋にある薄い本をこっそり持ち出して参考に下のは言うまでもない。



『ふむふむ、邪神様は随分幅広い趣味をしているな。 幼女から人妻まで一通りある』

あまり参考にならない気もしたが、その中でOLものを発見した。

『なるほど、美人秘書か』

これは薄い本のOLものでは数が多い。

採用は決定だろう。

他には『新人ドジっ子』とか『美人上司』か。

あとの設定はバラバラだな。

新人ドジっ子は人間界で調達するとして、美人上司となると人間界か魔界かどちらの採用か迷う。

人間を育てるまで、魔界から連れてくるか。

あまり魔界の者が多いと普段と変わらぬ故、邪神様がやる気をなくすかもしれん。

それでもツンデレ秘書は魔界の者を付けるとしよう。

邪神様が万が一でも身バレするとまずいしな。

問題はこのツンデレと言うやつだな。

有能でツンデレ。

メガネはオパール型かスクエア型、フチ無しか赤色がいいらしい・・・ と。

しかし魔界にメガネ掛けた者って居たかな?

まぁ、伊達眼鏡でもよいか。

バアルはこの時点で自分でも気付かないうちに邪神に毒されつつあった。


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          この物語はめっちゃフィクションです。

     基本邪神の設定を面白おかしくさせる為に適当に考えました。

        神様仏様を信じている人ごめんなさい <(_ _)>

アバター
2018/11/09 22:38
>ルルルのル様
バアルか苦労します。
でも邪神様がすべて無駄にします。 (*´ω`*)
アバター
2018/11/09 13:45
ほほ〜

次は、、どうなるのかな?



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