雲
- カテゴリ:小説/詩
- 2018/10/24 12:31:44
青い空を見上げて
初めて見た
ゆるりとした雲の流れ
忘れていたこの時間
どこに隠れていたのか
人が流れていく
行きつく場所さえ気づかづに
本当は知っているのかもしれない
ただ目をそらしているだけ
行く先は偽りの中に
秋は美しく
枯葉もダンスで落ちていく
お気に入りのブーツの季節
あなたがほめてくれた
そう そんな言葉が嬉しかった
ああ こんな日は
あなたの手が恋しい
いつも握り返してくれた
それなのに
もうあなたの手は冷たかった
もう会えない
もう抱いてくれない
何もかもが落ちていく
手ですくおうとしても逃げていく
それが愛の残骸
さよならの日は暗すぎて
その唇さえ見えなくて
追いかけたかったのに
もうできない
心の糸が切れたままでは