西郷どん 感想文
- カテゴリ:テレビ
- 2018/10/29 17:02:45
西郷どん 第40回「波乱の新政府」
NHK 日曜夜8時~
▼御親兵
今回より西郷隆盛のことを西郷、同じ名字の弟たちなどは名前の方で表記することにします。
今まで変名に合わせて名前の方で書いていたのだけど、違和感が半端なかったものでw
さて、今回は明治維新における最大の改革と言える廃藩置県がテーマでした。
前回の感想で、岩倉と大久保が一度鹿児島に来て西郷の説得に当たったと書きましたが、
どうやらそのまま滞在し続けている間に従道が西郷の説得に成功したようですね。
今回、西郷は熊吉を伴いいきなり上京したかのように描かれていましたが、
実は大久保らと鹿児島を出航し、まず山口にいた木戸を訪ね、木戸を拾い次は高知に行き、
藩知事や板垣を訪ね、板垣も拾って大坂で山縣有朋を拾って、皆で東京に向かったようです。
そして東京で御親兵の創設を決め、そこで西郷は一度鹿児島に戻り、
5000人の兵を率いて再び東京に舞い戻りました。
この時すでに、廃藩置県を実行することは決まっていたのでしょう。
この御親兵の徴兵は、廃藩置県になくてはならない要素だったのです。
▼鶴の一声
新政府では廃藩置県について議論が紛糾していましたが、実際もそうだったようです。
この改革は、平安末期に武士という階級が生まれて以来続いてきた政治制度を
根本から覆すものですので、すぐに全会一致で決まるというものでもないでしょうしね。
ドラマでは大久保は急進派でしたが、実際は漸進派だったのではないかと思います。
久光が新政府を気に入らず、そんな改革に賛成などしないのは、ドラマでも描かれていた通りです。
大久保は新政府では重要人物ではありますが、それも薩摩藩という巨大なバックがあってこそ。
下手に動いて久光にそっぽを向かれるのを警戒したのではないでしょうか。
一方で長州藩の藩主は、「そうせい侯」というあだ名で有名な敬親が死去しており、
次の藩主(というか藩知事ですが)の元徳はまだ若く、
木戸ら元藩士からすれば、敬親以上に御しやすかったのではないかと思います。
ドラマでは、会議に遅れてきた西郷が、「自分に任せておけ」的なことを言っていましたが、
実際もそうだったようで、水掛け論を延々と続けるよりも、
西郷のような実績のある男が一言いう方が、説得力があったのでしょうね。
このへんは、実質的にずっと文官であった大久保には真似できないところですね。
大久保は西郷の存在に安心感を覚えるとともに、少し羨ましかったのではないでしょうか。
▼廃藩置県の実情
そして、明治4年7月(陰暦)、廃藩置県が実行されます。
これが成功したのは、ある意味だまし討ちのようなものだったからだと言います。
ドラマでは、各藩から精鋭を集め御親兵を編制し、不満を持つ藩を抑えるとのことでしたが、
実際この御親兵はその各藩から徴集されており、要するに各藩は手足をもがれた状態で、
反抗しようにもできるはずがなかったのです。
これはずるいw
しかしこうでもしなければできないくらいの、大きな改革だったとも言えるでしょう。
鹿児島にいた久光が、悔しさを紛らわすために花火を打ち上げたというのは有名な話です。
また支配権を失った大名たちは、後に華族として東京へ移住しましたが、元藩士たちは
地元に残ったため、元藩士たちが元大名を担いで蜂起するということも、防げたらしいです。
とはいえ実は、廃藩置県に反対する藩ばかりでもなかったのです。
江戸時代から、経済の発展により戦国時代から続く石高制にひずみが生じ、各藩は多大な債務を抱え、
藩政改革に成功した藩も、戊辰戦争などで出費が嵩み、債務に喘いでいました。
中には自ら廃藩を希望した藩もあったそうです。
そんな藩にとって廃藩置県は渡りに舟と言ったところだったでしょう。
廃藩置県により大名たちは債務から逃れ、その債務は新政府が引き継ぎましたが、
あまり古くからの債務はないことにされ(いわゆる徳政令ですね)、
金利で食っていた商人たちの中には、破産を余儀なくされた者もいたようです。
確か朝ドラの「あさが来た」でも、主人公の生家が一度それで潰れてしまいましたよね。
いつの世も大きな変革には痛みを伴うものとはいえ、犠牲になった者はそうも言ってられませんよね。
確かに私は歴史ドラマや時代劇が好きですが、知識は付け焼刃ですw
ではなぜこんな感想を書いているかというと、
ドラマが視聴者に分かりやすく、そして時間内にまとめるため簡潔にするため
史実を歪めることがあるのですが、間違った知識を植えつけられたくないので、
毎回内容に沿って史実を調べて書いているのです。
ほぼ自分のためですが、ご覧になっている方の参考にもなればと思っています。
なので本当に歴史を愛する方々と話を交えるには少し知識が足らないと思います。
歴女というよりドラマ女なのでw
ただどんなお話をされているのかは少し興味がありますので、
そのうちこっそり行ってみたいと思います。
一度そのかたのところへ遊びに行ってみてください。驚愕の歴史ワールドです^^;