隙間風
- カテゴリ:小説/詩
- 2018/11/02 10:28:10
「愛してるよ ずっと側にいるよ」
あなたは言ったのに
「怖くないよ 僕がいるよ」
あなたは言ったのに
今 あなたはいない
海に行った
あなたとの思い出を追うために
追いかけて何になるだろう
うつろな心に風が通るだけ
切った髪の後ろが冷たい
そう 愛していた
私の愛は続いていくだけ
あなたから離れていかない
時間はずっと回っているのに
抱きしめられた感触が残る
さよならは言わなかった
永遠の愛が突然切れた
どちらが悪かったのでもなく
二人が気づかなくなっただけで
時は流れていく
時間という砂時計が
もしも止まってしまったら
元に戻れるのだろうか
でもそれは欲しくない
今はあの時のあなたが欲しいだけ
さようならを言おう
今の私に
心の涙は止まらないけど
側にあなたの手はないけど
一歩を踏み出す勇気はないけど