Nicotto Town


ヤツフサの妄想


悪魔なので邪神を育てる事にした 20話

~ 訳アリドジっ子 ~



こうして邪神様の好みのドジっ子を無事採用する事が無事できた。

女性は 天野萌 と言う名前でまだ二十歳そこそこ。

色々とドジで最初に入社した会社で虐め出され、派遣で稼いでいたものの、何処でも天然ドジを発揮して仕事が続かなかったと言う。

「あっ、あのお金どうしたら・・・」

「じゃしn・・・ゲフッゲフッ。 社長が良いと言っているのだ、うちの会社で働いて少しづづ返していけばよい。 それに借りたのは君ではないから気にする事ではない、ちゃんと働いて居ればこちらで法的になんとかしよう」

「ででで、でも・・・」

「それに終身雇用するつもりだ、どうにでもなる。 私の勤めている会社はIT企業だ、怪しいな水商売ではない。 ただ人材不足で猫の手も借りたいんだよ」

「えっ? 本当に私ドジですよ!?」

バアルが神と崇められていた古代バビロニアやその後の古代エジプト、古代ギリシャローマ時代は、奴隷は売買されていた事から相場があった。

パン1つを100~150円とした場合、普通の奴隷でも現代のお金に換算すると最低2千万、ワインのブドウを生産できる熟練者等で4千万、歌が上手いなど歌手としての特技がある人は5千万、美人で引く手あまたなら6千万以上が相場である。

20世紀に入り、近代の映画の中で奴隷に鞭を打って働かせるイメージと言うのは嘘であり、簡単に言うと家を買えるくらいの高級品をぶち壊すようなものなので、そんな事はされなかった。

しかも衣食住を保証しないといけないと言う、本当に高価なものである。

奴隷を買うより小間使いを雇った方が安いのだ。

しかも奴隷はお金を稼げば自分の身請けも出来るし、有能なら出世もする。

歴史を見れば、ムハンマドの友人でマムルーク王朝の始祖ラバーフもそうだし、インドの奴隷王アイバクなども有名だ。

18世紀のロシアでも、黒人奴隷として連れて来られたガンニバルが総督にまで出世している。

ではなぜ奴隷が鞭を打たれて働いているイメージが付いたかと言えば、昔は犯罪者への刑罰が現代では考えられない程重いもので、見せしめのため残虐だったからと言うのもある。

因みにアメリカ開拓時代にも奴隷制度があり、アフリカから命がけで奴隷を運んだのは、その当時でも黒人奴隷の一人当たりの平均額が1千万もした高額な労働力だからリスクが大きくても運ぶ人が居たのだ。

奴隷の反乱が、小作人の反乱の様に起きなかったのは、鞭で叩かれていたわけではない。

むしろ貧しい農村の小作人の方が、重税に苦しんで一揆や反乱をしたのである。

過去の日本でも、収入の6割を納税すると言う事になったところで、一揆が発生してたりした。

そう言う価値観のバアルからすれば、かなり美人の萌を終身雇用するのに3千万程度は少し安いと思う位だ。




- 天野萌目線 -

今週やっとラブホテルのベッドメイクの仕事にありつけたんだけど、転んだ拍子にお部屋のカーテンにしがみ付いて破いてしまうは、色々飛んだ汁を拭き掃除していたバケツはひっくり返して高価なベットは滅茶苦茶にしちゃうは、お金の受け渡しを間違えるわで他の人に代えてくれと派遣会社に苦情が入ったらしい。

次の派遣先が無いかと途方に暮れて、仕事先だったホテルから出てぼーっとしていたら、男の人達に偶然会った。

お父さんが借金して逃げた金融会社の取り立て屋さんだ。

お父さんはご先祖様の時代からの家具職人の老舗だったんだけど、最近は安い家具に押されて借金に次ぐ借金を重ねて自転車操業をしてたんだけど、どうにもならずに倒産したのだ。

借金取りさんは、たまたま近くのラブホでデリヘルを利用していたようで、出会ったのは運が悪いとしか言いようがない。

直ぐに気が付いた男達は、お父さんの居場所を聞いてきた。

とは言え身内からも身を隠しているので本当に何処に居るのか知らないので答えようがない。

相手はプロの取り立て屋、無茶な事はしてこないとはいえ、それでも金額が金額なので厳しい事は言われてしまう。

ましてや多重債務で逃げているわけだから、他の会社に先にお金を持っていかれれば、取りっぱぐれになっちゃうみたいで、かなり焦ってい居るのは知ってる。

でもどうにも出来ないのだ。

そんな時、いきなり50手前位かな? 口ひげをはやしたロマンスグレーの髪をオールバックにしているダンディーって言うのはこういう人なのかなって言うおじさまが現れて助けてくれた。

しかもお連れの方が社長と言ってるから偉い人なんだと思う。

そして♡ きゃ~♡ 一緒に居る人、もの凄くイケメン♡

もうこれで一生分の幸運を使っちゃったに違いないっておもうよ、うん。 自信がある。

今までだっていい事なかったし、こんなカッコいい人に助けて貰えたんだから、明日死んでもしかたないよね。

でも今は、白馬の王子様に助けて貰うお姫様の気分で居たい。

そんな事を思っていたら、急にお父さんの借金を肩代わりするって言いだしたの。

『えっ? そんな理由どこにもないよ? こんなのきっと夢に違いない、死ぬ前に神様が素敵な夢を見せてくれてるんだ』

でも社長さんとイケメンさんは「少し酔ってるからタクシーで行こう」と言って、お金を借りている金融会社に次々と何件も乗り込んで、現金で支払いをしていく。

なんで!?

イケメンの財布から凄い金額がどんどん出てくるんだけど、どうなってるの?

もしかして四〇元ポケット?

そして「それに終身雇用するつもりだ、どうにでもなる。 私の勤めている会社はIT企業だ、怪しいな水商売ではない。 ただ人材不足で猫の手も借りたいんだよ」なんて、信じられない美味しい話すぎる!

これはきっとブラックな会社なんだろうなぁ・・・

とは言え他に行くところないし。

このままだとアパートも追い出されそうだし。

前向きに考えよう!

出来る事から始めないといけないし。

しかも凄くイケメンの居る会社だもん!

でもちょっとだけ聞いてみたいことが有るので、失礼だけど聞いてみた。

「あの・・・ ブラックな企業ですか?」

「私の居る会社は "健全なブラック企業" だよ、そうですよね、社長」

「おぬしはブラックとか暗黒と言う言葉が好きじゃのう、中二病じゃぞい」

やっぱりブラックだ・・・ でも胸を張って言うような健全なブラック企業って何だかわからないけど・・・




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