Nicotto Town


ヤツフサの妄想


悪魔なので邪神を育てる事にした 21話

~ 訳アリ宇宙人 ~




「ワレワレハ カセイジンデアル」

「タイチョウ チキュウノ シンリャクガ オクレテイルト ホンブカラノ デンゴンデス」

そう、今地球は火星人に狙われていた。

彼らは昔、火星が緑の大地だった頃に進化し、星の寿命とともに地下に潜った。

そりゃもう見事なほどに偽装して潜ったのである。

その潜伏ぶりはサ〇ダーバードの秘密基地よりも凄い。

しかし近年地球人の科学の発展が進み、火星に探査機を送り込んできている。

幾ら偽装が完璧とは言え、あと20年もすればバレる可能性が高出て来たのだ。

その為地球で70年ほど前から、地球探査をしているのだが、どうにもヤバイ。

火星は資源が乏しいので、武器を作るのも大変である。

だが地球は資源が豊富にあるため、武器が作り放題。

簡単に星の大きさからして違うのだから仕方がないと言えば仕方がないのだが、それだけなら科学技術の差で50年くらい前までは何とかなった。

それが70年前に核兵器が登場。

そこまではいいとして、50年ほど前から宇宙に進出してきている。

既に49年前には地球の衛星に人間が降り立っている。

その上まだ無人探査機とは言え、かなり大型の監視装置を私たちの星に送り込んできているのだ。

しかも地球の通信を傍受してみると、火星開発と言うキーワードまで出てくる。

私たちの星がいつか地球人に侵略されてしまうかもしれない。

保守派とタカ派の議員はこれに対して地球滅亡を唱えたが、改革派の議員とのすり合わせもあり、地球を侵略しようと言う事になった。

火星の税金の多くを宇宙戦艦と宇宙揚陸艦の建造にまわし、建造が急ピッチで行われたが、平和に慣れ切った火星人の兵士の教育には手間がかかってしまった。

絶えず戦争をしている地球との戦力差はかなり大きい。

ましてや火星で防衛するならまだしも、地球と言う相手にとってホームグラウンドでの戦いだ。

大気が濃いためレーザー砲も威力が下がってしまう。

かと言って地球人の使う物と同じ物理攻撃(大砲やミサイル)は、運ぶのにとても重いため、宇宙戦艦に積むとエンジンを巨大化させなければいけなくなり、予算が掛かり過ぎる。

地球の制空権も、最新型の地球の戦闘機はステルス能力までついていると言う、どうやって侵略したらいいのか、勝手に言い出した議員をぶちのめしたい気分になるほど、地球侵略司令官は頭を悩ませていた。



「トリアエズ カクヘイキノ アルクニハ シンリャク フカノウダ」

「デハ ドコカラ シンリャクスレバ?」

「アルテイド ヘイワボケシテイルクニデ ハッテンシテ チキュウデノ シキンガ ジュンタクナ クニガイイ、マズシイクニヲ シンリャクシテモ ツギノカツドウニ シショウガデル。 アト コウゲキリョクガ ヒクイクニデアレバ ナオイイ」

「ソンナ ツゴウノイイ チキュウノクニガ アルノデショウカ?」

「ココダ!」

地球侵略司令官は、地球マップで日本を指さした。

こうして日本は宇宙人の侵略目標となった。

まず最初に日本語を勉強させ、地球人の姿に変装させたスパイを1か月近く前から送り込む事にした。

丁度「ハロウィン」と言うお祭りの時だったらしく、報告では多少変な格好でも、この日なら侵略者としてバレないと言う事もわかった。

あと「コミケ」と言う場所でも「コスプレ」と言えば、火星人のままでもバレないらしい。

火星の少ない資源での活動である。

出来るだけ火星の資源は無駄に出来ない。

そうなれば資源の加工に丁度いい技術を持っている日本は最適だったのだ。

ここを起点に地球の資源を使って、火星からは持ってこれない物理攻撃兵器や戦闘ロボットを生産すればいいのだ。


こうして火星議会にせっつかれた司令官は、日本の首都東京に、ステルス型揚陸艦を突入させ、バレた時の為に衛星軌道上に光学迷彩とステルス機能を付けた火星宇宙戦艦を配備した。

「ドウカ ウマクイキマスヨウニ」

司令官は誰に言うともなく独り言ちた。

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         火星人と宇宙人を書き分けています。

           火星人達の会話では「火星人」

           解説でも「火星人」を採用。

   でも「地球人に『火星人』と名乗って、反撃されないように「宇宙人」と

         名乗っているようにしているつもりです。

         書き間違いがあった場合ご了承ください。




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