【DH】「ユベール」3 行方
- カテゴリ：自作小説
- 2018/12/12 21:01:07
ユベール２ 運命の人
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=688666&aid=66910898
の続き。
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従姉妹のアルシアに相談をすべきだったのでは？と自問自答を繰り返す。
しかし、レトは彼女の存在そのものが消されることを怖がっていた。
自分の周りの人を不幸にする存在だからと身を引いてしまったが、彼女に危機が迫っているとわかっていて のんびり待てるほど悠長な性格をしていない。
手始めに 街の外れのさして大きくもない宿で部屋を借りることにした。
現金はあまり持っていないので、部屋から持ち出した貴金属の中から
そこそこな大きさの石がついた指輪を出して宿主に差し出してみる。
素性のわからない男は泊めたくないとぶつぶつ言っていた宿主の目が大きく見開かれると
「お部屋は3階、4階が続きになっていて入り口は一か所なので、他の人には会わなくてすみますぜ。 お食事も毎日、私が運びましょう！」
と、手のひらを返したような好待遇ぶりに変わった。一体あの指輪はいくらくらいの価値があったのだろう？
宿帳には 「リオン」と偽名を使って書いた。
獅子という名をつけたのは、かつての戦の際に乗った馬につけた名前であるが
「強そうでかっこいいと思ったのであろう？
我が主の従兄弟どのは脳筋野郎だからな。」
と 従姉妹のアルシアの使い魔「和衷」にふんと鼻で笑われたことを思い出し顔をしかめた。
「悪かったな単純で！」
頭に浮かんだ和衷の生意気そうな顔に向けて、べーっと舌を出しているところを頭に描いていたら、どうやら声に出ていたらしい。
「はっ？リオン様、何かおっしゃいましたか？」
宿主に問われて、はっと我に返る。
「あ、いや、なんでもない。」
「お部屋はこちらでございます。 足りないものは何なりとお申し付けください。」
それにしても 隠れ家にしては広い部屋をあてがわれたものだ。
「主様の従兄弟殿は世間知らずじゃの。」
くすくすと笑う和衷が頭の中に出てきたので、小石を投げて追い払う。
「間違ってもいないけどな。」
ベッドに横になり天井に向かって小さくつぶやくと、そのまま睡魔に飲み込まれた。
+ + +
レトという名前以外の手掛かりがなく、せめて住んでいるところくらい聞いておくんだったと後悔しても遅い。 ユベールは何日かレトという女性を知らないかと方々を聞いて回った。知っていると言われて訪ねた先の女性は皆人違いであった。似顔絵でもあれば探せるのではないかと言われて、町で一番の画家の男を紹介されたので、レトの似顔絵を作ってもらうことにした。これを持って一軒一軒当たるつもりであったのに、この画家から思わぬ情報を得ることができた。
「これはシュペルノヴァ侯爵家のお嬢様、レト様じゃないか？」
聞けば、肖像画を描いたことがあると言う。
公爵家の使用人をしていた男が近所にいるということで紹介してもらえた。 その男の説明だと、レトは失踪してしまい、そのショックで公爵様はつい先日お亡くなりになった。 主不在のままレトは女公爵となったそうだが、主のいない家に使用人は大勢必要ないので、この男は職を失ったのだそうだ。
「誰かに連れ去られたのではないのか？」
と問うと、男は小さくかぶりを振った。
「レト様は婚約が決まっておいででしたのに、その婚約者が不幸な亡くなり方をして以来、人が変わったかのようになってしまわれました。お美しくて優しいお嬢様でしたのに、急にわがままになり禍々しい表情をお見せになることが増えまして、『星見の悪魔』と噂されるようになったのでございます。」
「星見の悪魔・・・」
レトとはだいぶイメージの違う言葉だった。
「天使か妖精の方がぴったりなのに。」
とユベールが言うと、元使用人は
「全くその通りでございます。以前のレト様ならその方が似合います。今のレト様はある日荷物を抱えて出かけたっきりお戻りにはなりませんでした。ご自分の意志で家を出られたのでございます。公爵様はそれはそれは嘆かれて、倒れたっきりお目覚めにはなりませんでした。」
ユベールは、レトが心配していたことを思い出してみる。家の中の景色は見えているのに、自分の意志で動いていない。満月の晩にだけ自分に戻れる。何者かに憑依されているのか、魔術をかけられているのか定かではないが、レトが自分自身の存在が危うくなっていると言っていたことと、話がつながる。
「ところで、満月の夜のことなんだが・・・」
ユベールが話を振ると、男は嬉しそうに話し出した。
「あぁ、そうです。お嬢様は満月の夜になるとよくお庭でひとりで踊っていらっしゃいました。それはそれはお美しくて星の精のようでございましたね。」
まちがいない、レトだ。
+ + +
「夢見の悪魔」の噂は、意外と簡単に入ってくるものの、住処にしているという場所に行ってみると、すでにそこは引き払っており、本人に会えることはなかった。名前もレトではなくアステリアと名乗っていると言う。話を聞けば聞くほどアステリアの評判は悪く、金で人の運命まで変える様なことまでしているらしい。悪魔と呼ばれるのはそのあたりか。
「どこにいるんだ、レト・・・」
ベッドで横になりながらひとりごとを言っていると、階下から声が聞こえた。
「リオン様にお客様でございます。」
宿主の声だった。
「客？」
ここは誰にも教えていないのに・・・
起き上がって出ていくと、階段を上がってきたのは、従姉妹アルシアの使い魔「和衷」であった。
和衷が来たということは、アルシアにここが知られたということで、つまりはアルシアが追手なのだろう。
レトを見つけられないまま家に連れ戻されることを覚悟して、俺は天を仰いでから言った。
「あーあ、見つかっちゃったかぁ」
すべては終わりということだ。
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ARCHMASTER 2018下半期企画 Dark Hero サイト
https://jackthenikotto.wixsite.com/dark-hero
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レト （ユベールの恋人） ネコ衛門さん
使い魔・和衷 和.comさん
呪術士アルシア 和.comさん
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レト （ユベールの恋人） ネコ衛門さん
使い魔・和衷 和.comさん
呪術士アルシア 和.comさん
ユベール 黒沢大和
BGM：
ベートーベン ピアノソナタ 月光
https://www.youtube.com/watch?v=AzWDs26YL9Y
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和.comさん
【DH】 アルシア 3 探したくない探し人
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=180002&aid=66866923
【DH】 アルシア 4 疑いようのない結末
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=180002&aid=66875016
【DH】 アルシア 4.5 閑話・和衷の報告
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=180002&aid=66886002
☤ネコ衛門☤さん
【DH】星
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【DH】星見の魔女
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【DH】星見の魔女アステリア
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=48178&a
この3人のコラボはすごく楽しかった。
辻褄合わせたり、話に肉付けしていくの
これが初めてだったような気がする。
あんな行き当たりばったりな話を、よくぞここまでまとめてくれた！
とイマサラながら思うわ～。
相思相愛で生き別れた彼女を探して歩き回るなんて
これぞ王子様 だよ
覇王の卵を掴んだアステリアと戦って和衷が平安時代に飛ばされると見た！
パズルが組みあがっていくようでｗｗｗ すんごい楽しいです❤
こういうコラボ、楽しいわー♫
そして、すごいなー和衷、何気にキャラ立ってる？
ユベール、ついにルトの正体を突き止めたんだ。。。
互いに名乗りあっていたら、そしてレトが星見の魔女に憑りつかれてなかったら、
すんなり女侯爵の婿に収まっていただろうに… ユベール。
｡(o☯ _ ☯o)｡ぅるぅる゜・。。
ドラマチックだーーー。続き、楽しみにしております。
ユベールいいね。いい男だよね〜
レトも可愛いし。レトには何があったんだろうね。
そして、和衷が大好きなんですがｗ
宿屋の件あたり某RPGの曲が脳内に鳴り響いてた＾＾；
ゲームやらないんだけどRPGの宿屋の辺はなんか好きなんだよねー
ユベール公、行動の人だね。
レトさん早く見つかるといいな。
あれ？？？ 間違ってたか。
直したー。
そうそう やけに説明ちっくだけど
どうしてもここを埋めたくて。
で、次は4のはじめの話のところから進めます。
ステキすぎるんですけど(´☯ω☯) ﾟ｡✧❤
いろんな糸が織り合わさって
ひとつのタペスリーが織り上がっていくみたいで楽しいねー＾＾
次はどうやって続くんだっけ(｡◔‸◔｡)？と見てきたら
アルシア４のURLは↓だったよ＾＾
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=180002&aid=66875016
どうしてもここは説明っぽくなっちゃうんですけど
入れときたくてー。
次はらぶらぶですｗｗ