小品
- カテゴリ:自作小説
- 2018/12/13 00:01:29
昼間晴れたぶん放射冷却で、夜が更けるにつれて気温が下がっていった。地下鉄の駅を降り地上に出ると、昼間溶けた雪が凍っていた。滑りやすい歩道を気をつけながら歩いた。
女子高生がスマホを見ながら前を歩いていた。そのうち滑ってこけるぞと思っていたら、案の定、足を滑らし、後ろにひっくり返りそうになった。とっさに支えようと手を出したが、一緒にこけてしまった。
女子高生は腰を打ったみたいで、なかなか立ち上がらなかった。手を貸して、立ち上がらせ、「大丈夫ですか。」と尋ねた。女子高生は、「大丈夫です。」と言って、スカートについた氷を払った。
女子高生は立ち止まっていたので、僕は、家に向かって歩き始めた。最近のがきんちょはスマホばっかりして、暇なら本を読めと思いながら歩いた。
家について、スーツの内ポケットから財布を出し、携帯を出そうとすると、どこにも無かった。地下鉄の中ではコートのポケットに入っていた。たぶん、こけた時に落としたんだ。
こけた場所まで戻ると、足踏みをしながら、女子高生が立っていた。
「スマホ、落としましたよね。どうぞ。」
「ありがとう。寒かったでしょ。ごめんなさい。」
「いえ、携帯ないと困ると思うし、お礼をまだ、言っていませんでしたから。さっきは、ありがとうございました。」
そう言うと、女子高生は通りを歩いて行った。今度は、スマホは見ていなかった。
寒空の中、30分は待っていただろう。最近のがきんちょは大したものだ。
※初めての小品。昨日の失敗作(Europeが活躍しない)を速やかに抹消するために更新
創作。創作。電車の中で、スマホで漫画を読んでいる人は多いですね。
ゆりかさん
前作は、小ネタ(エピソード)不足で盛り上がりにかけたのではないかと思っています。
yonaさん
戻ってくるかどうかも分からないからね。おじさんを待つ女子高生はいないかな。
たまちゃん
妹にせずに、自分でコスプレをして、女子高生になってしまえばいいんじゃないでしょうか。
ひまわりさん
スマホのCPU、人間の30億倍のスピードで演算。勝てません。
みーぴこさん
女子高生、今でも生足してるんでしょうか。そろそろ温かくした方がいいと気づきそうな気がします。
冷え冷えで寒そうなお話「女子高生」というワードから
生足のミニが想像できてなおさら 寒さが引き立ってました。
でも、じんわり温っかくまとまって 良かったです。
スマホを持つようになってから
調べ物は殆ど スマホです。
便利ですよね。
PCは開かなくてはならないし 場所は固定だし
いつでもどこでも…
というわけにはいかないので。
でも、持って出かけないと不安になるのは 困ります。
ガラケーのときは 必要最低限使用 という感じでしたが……。
女子高生をがきんちょと思うのはまだいいとして、
大学生でさえ息子・娘でもおかしくないと気づいたときには
衝撃が走りますよね。
しかも早い人ならおじいちゃん・おばあちゃんと呼ばれる人もありうると思うと・・・
女子高生を永遠に妹扱いしたい欲望が高まりました。
わたしだったら、駅に届けて、さっさと帰ります。
夢がない。
物語が生まれない。
女子高生は、とてもいい子ですね。
以前に、携帯を無くして大慌てだったと伺いましたが、その時も素敵な子が拾ってくれたのでしょうか(*^-^)
転びそうな人を前に、とっさに手が出るのは良い人ですね。寒空の中を30分以上待っていた女子高生も良い子。
善人同士の、ほんわかした心温まるお話でした。
失敗作?とても素敵でしたのに(*^^*)
本もスマホで読む時代になってきましたねー(ノ∀`)アチャー