旅立ち
- カテゴリ:小説/詩
- 2018/12/27 11:51:53
こんなくらい寒い夜は
あなたのことを思いだす
今事どこにいるのだろう
誰かと一緒にいるのだろうか
それとも寂しく一人だろうか
そう あなたが隣にいても
こんな寂しさもあった
あなたの瞳が遠くを見ていて
私が背中に手を回しても
巻き返してくれなかった
何が悲しかったの
何がいけなかったの
手を貸して上げられなくてごめんね
そうしたつもりなのに
あなたには足りなかったのね
暗い部屋にキャンドルを灯す
ほんのり立ち上る煙が
ゆらゆらと踊っている
壁に写った影は私一人
なぜ一人なの
もう少し待って欲しかった
私が背が伸びるまで
あなたと同じ景色を見られるまで
そこからなら同じものが見られただろうか
そんなことはないだろう
泣いて 泣いて
涙を流しても
あなたはここから消えない
よけいに大きくなるだけ
だからもう泣かない
思い出は消えないけど
もうあなたを抱けないけど
この手のぬくもりは覚えている
大きなあなたの手と
その愛の重み