昨日のお昼は、日比谷公園の松本楼にランチに出かけた。明治36年の日比谷公園と同時にオープンしたレストラン。夏目漱石の「野分」や高村光太郎の「智恵子抄」にも登場する木々に囲まれた洋館。

普段は、会社のフロアまで販売に来てくれるお弁当を買っているが、午前中は打ち合わせで出かけていて、弁当を買うことができなかった。不在の時は5年目K君が買っておいてくれるが、昨日は買ってくれなかった。

11時頃に携帯の着歴にK君からの着信があったので、お弁当を買うかどうかの確認だったのだと思うが、携帯を自席においたまま出かけたので、戻ってこないかもしれないと、買わなかったのだろう。

K君は自分のお弁当も買っていなかった。沖人君が戻ってきて自分だけお弁当があったら気まずいと思ったのだろう。10年目S君も普段は手作り弁当だが、昨日は持ってきていなかった。休暇をとっていたが、昨夜2時半まで仕事をしても終わらなかったので出社したと言っていた。

それで、弁当のない二人を誘ってランチに出かけて、テラス席でオムライスと珈琲を頼んだ。松本楼はカレーが名物だが年内でメニューからカレーが消える。それなのに、オムライスを頼んだ理由は、沖人君が間違って、ここの名物はオムライスだと言ったからだ。

前の部署の時も、仕事納めの日に部下を誘って、松本楼にランチにきた。その時はバイトさんも誘ったが、友達も誘っていいですかと言われて、いいよと答えた。5人で行くつもりが10人になってしまった。ランチが終わると沖人君の財布はすっからかんになっていた。

午後は暇だった。電通事件の影響で幹部は率先して休暇をとっていて、上から仕事が降ってこない。机の周りでも綺麗にすればいいのだが、普段から片付けているので、綾瀬はるかの卓上カレンダーを机の右に置くか左に置くかで悩んだくらいだった。

部下にも休めと言っていたので、昨日は1/3くらいしか出社していない。することがないので、部下のところにいき、暇だ～とか、先週見たガンダムはつまらなかったとか言って、仕事の邪魔をしていたら、どうぞ休んでくださいと言われた。

管理職が部下に休暇を勧められるのはおかしいような気もするが、お言葉に甘えて、1時間休暇をとり映画を見ることにした。

ロシアで210万人を熱狂させた超話題作と製作者側が言っている「マチルダ禁断の恋」。ロシア最後の皇帝ニコライ2世とバレリーナ・マチルダの身分の違いを超えた激しくせつない恋の物語...らしい。

口コミでは最悪の評価。撮影に使われたエカテリーナ宮殿やボリジョイ劇場、そして衣装がすばらしいとあったので、それを見るだけでもいいかなと出かけたが、ロシアで210万人が激怒したのもうなづける内容であった。ヒロインのマチルダやニコライ2世に全く共感できない。

マチルダは、皇太子時代のニコライ2世の気を引こうと、ロマノフ家のアンドレイ大公といちゃいちゃしているところを見せつける。アンドレイ大公には、今まで経験した男性を10人以上告げて意地悪する。

ニコライ2世は、マチルダが一夜をともにし、ストーカーになった中尉に殺されたと聞いた瞬間に、アレクサンドラにやっぱり君のことが好きだったと言って服を脱がし始める。

夢を見続け、おとぎ話の世界に生きている沖人君の世界観とは合わなかった。

それに、バレリーナがヒロインなのに、ちっとも上手いとも思えないし、バレエのシーンを効果的に使えていなくて物足りない。出演している世界3大バレエ団のマリインスキー・バレエ団がもったいない。

おっと、バレエについて語る資格がなかった。先月、新国立劇場バレエ団の「不思議の国のアリス」の初日を観にいった。周りの御婦人方には、おっさんが一人で観に来ているなんて、よっぽどバレエ通か関係者かしらかと思わせておいて、第一幕から熟睡をしてしまった。

そんな素敵な映画でした。