2018年独断と偏見によるドラマ大賞 第9回
- カテゴリ:テレビ
- 2018/12/31 01:55:40
今年で独偏賞は9年目を迎えます。今年は無料見逃し配信で気軽にドラマが見られるようになったせいもあり、ドラマの視聴数が少し増えました。その分、ショートインプレッション(SI)で書いた感想も増えています。
■ミステリードラマ賞
探偵が早すぎる (7月期)
事件が起きる前に防いでしまうという、特殊な探偵コメディで、トリックなどは無理があったりもしましたが、わりと純粋なミステリーでした。特にチェインストーリーが楽しかったです。
■コメディー賞
今日から俺は!! (10月期)
コンフィデンスマンJPとかなり悩んだのですが、勢いのあったコレを無冠にしたくなかったのでこちらを選びました。
■ヒューマンドラマ賞
昭和元禄落語心中 (10月期)
これぞヒューマンドラマの真骨頂という感じで、特に俳優が演じる落語の部分も楽しめました。
■恋愛・ホームドラマ賞
おっさんずラブ (4月期)
説明不要の大ヒットドラマ。LGBT要素のみがクローズアップされがちでしたが、恋愛ドラマとしてもしっかり作られていました。
■時代劇・歴史ドラマ賞
西郷どん (大河D)
幕末にまたひとつ詳しくなったお礼に。
■深夜賞
おっさんずラブ (4月期)
探偵が早すぎるもなかなかよかったのですが、おっさんずラブの勢いにはかないませんでした。
■ネタドラマ賞
FINAL CUT (1月期)
前半はワンパターンが続きましたが、後半の怒涛のありえない展開にはハラハラさせられました。
■特別賞 ※ダブル受賞
コンフィデンスマンJP (4月期)
かなりの良作だったので、無冠で終わらせるのは残念なのでこちらで選ばせてもらいました。
バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~ (1月期)
連ドラ放映中に主役の1人が死亡するという大ダメージがあったにも関わらず、最後まで作り上げたスタッフ・キャストには脱帽です。
■主演男優賞
鈴木亮平 (西郷どん)
この人の役作りへの情熱は本当に頭が下がります。最初と最後ではかなり体型が違いますし、恐らく次のドラマに合わせてまた体型を変えるのではないかと。
■主演女優賞
広瀬アリス (探偵が早すぎる)
長澤まさみとかなり悩みましたが、あの演技力であの若さというのが選んだ理由です。
■助演男優賞 ※ダブル受賞
山崎育三郎 (昭和元禄落語心中)
ミュージカル俳優という彼の強みをほぼ完全に抑え、落語家になりきってました。漫画から飛び出してきたような役作りでした。
磯村勇斗 (今日から俺は!!)
もう1人は太賀とかなり悩んだのですが、今日俺の磯村は本当に憎たらしくて、いい人も悪役もこなせる演技力は、次世代カメレオン俳優の誕生を見たような気がしました。
■助演女優賞
橋本環奈 (FINAL CUT/今日から俺は!!)
本当に可愛いのに、演技力も半端ない! 今年は文句なくこの人です。
■脚本賞
古沢良太 (コンフィデンスマンJP)
今日俺もよかったんですが、あれは原作付きで監督がキャストたちにドラマを作らせるのに比べ、こちらはオリジナルの精緻な脚本で自らドラマを作り上げているので、そのへんが評価につながりました。
■音楽賞
dele (7月期)
オープニングの映像が音楽とともに今も目に浮かびます。BGMもなかなか小洒落てました。
◎◎◎ 大賞 ◎◎◎
おっさんずラブ
LGBTをコミカルに扱った意欲作で、かなりバズりました(バズるの使い方合ってる?w)。最近増えてきているとはいえ、茶化すのではなく本格的な恋愛ドラマとして作り、それをコメディに昇華したのは賞賛に値すると思います。登場人物がほぼいい人ばかりというのは少し胡散臭かったですが、それもドラマの視聴感を爽やかなものにしていました。またリアルタイム視聴率が低くても、多くの人に受け入れられ、大ヒットするということを証明したドラマでもありました。これは低視聴率に喘いでいたドラマ業界にとっては喜ばしいことであり、今後のドラマの発信の仕方に一石を投じるものだったと思います。
【総評】今年の大賞は、おっさんずラブと今日から俺は!!で、かなり悩みましたが、私個人の評価だけでなく、ムーブメントを作ったということで、おっさんずラブを選びました。民放各局が無料見逃し配信を始めてしばらくたち、定額で見放題の有料配信サービスに加入している人も増え、ドラマはネットでという習慣がかなり浸透してきたと思います。その流れでおっさんずラブも今日から俺は!!も、リアルタイム視聴率は大したことないのに、特に若年層の間でヒットするという現象が起きています。最近の傾向を見ていると、どの局もヒットしそうな題材に縛られず、自由なジャンルで作っているように見えて、やっと視聴率の楔から解放されたように思えます。今年を代表するこの2作品は、新たな傾向の象徴のような作品だと思うのです。
また今年の傾向は、賞が1つの作品に集中するのでなく、いくつかの作品に分散しているところですね。大賞のおっさんずラブだけでなく、今日から俺は!!、コンフィデンスマンJP、探偵が早すぎるなどの各賞を獲得したドラマはどれもよかったですし、候補に挙がりながらも賞からは漏れてしまった精霊の守り人、シグナルなども見応えはありました。これだけいい作品が並んだということは、今年のドラマは豊作だったということですね。よいことです。
他の傾向として、今まで散々だったフジテレビが、少し息を吹き返してきた感じがしますね。その例となるのがコンフィデンスマンJP、絶対零度、グッドドクターなどの、そこそこ話題になったドラマ群です。今期はまた落ち込んでしまいましたけどw いずれにせよ、いつもいろんな話題を振りまいてくれる局ですねw