Nicotto Town



ジョニ黒

股関節の故障で、すっかりションボリしているのですが、気晴らしに最近買ったジョニ黒を開けてみました。



年配の方には、その昔はとんでもない高級酒だったけど、今や大して高くもない酒というイメージかもしれません。最近の若い人だと、ハイボールにするにはネタとしてたまに見かけるお酒、という認識かもしれません。まあ、いずれにしても高額なお酒のイメージではないはずです。



戦後に180°方向転換をした日本にとって、ウィスキーをはじめとする洋酒は欧米文化の豊かさの象徴のひとつでした。
1971念ごろまで、日本人は海外に実質的に自由に旅行をすることが出来ませんでしたが、それは外貨の保有量を確保するため外貨の国外持ち出しが厳しく規制されていたことが大きな原因で、その規制が緩和がされたのが1964年。しかし日本人が海外旅行をするには、まだ為替レートの大きな壁がありました。当時は固定相場制で1ドルが360円の時代です。現在の3倍を超える円高ですから、単純計算で現在なら300万円で買えるアメ車が1000万円程度の価値があったことになります。もちろん円の貨幣価値自体が、どんなに少なく見積もっても現在の半分以下です。大卒初任給の平均は10万円未満、なにしろコーヒー一杯が70円以下で飲めた時代です。そう考えると、今300万円で買えるアメ車が、当時の感覚で言えば数千万円の価値があったことになります。その状況は、1971年のニクソンショックによって金とドルの兌換が停止され、変動相場制となるまで続きます。

そんな当時、ジョニ黒の価格は15万円以上はしていたそうです。1本が当時のサラリーマンの月収並みの価格だったということです。為替や貨幣価値だけではなく、当時の酒税法ではウィスキーが非常に高税率であったことも原因の一つですが、そんなジョニ黒が、いまや2000円台で普通に手に入る時代です。だから昔の価格との落差もあって、一層に安いお酒というイメージが強くなってしまい、つられるように実はたいして美味しくもないウィスキーというイメージを持たれてしまっているようです。バーなんかに行ってジョニーウォーカーくださいなんて言うと、周りの客には「ウィスキー知らない素人だなw」と思われてしまうこともあるように感じます(まあね、実際たいして詳しくもありませんがw)。いままでお話ししたようなことと共に、ウィスキーはシングルモルト(説明が難しいのですが、スコットランドで作られるウィスキーの種類です)が高級で通の飲むもので、ジョニーウォーカーのようなブレンデット(複数のシングルモルトウィスキーや、スコッチではない別種のウイスキーを混ぜたブレンド酒)は安物で、お酒を分かった人が飲むもんじゃない、という認識もあるだろうなと思います。


じゃあ本当にジョニ黒は、実はそんなに美味しくない、昔の名声だけのお酒なのでしょうか。。。

とんでもない。ジョニーウォーカーは非常においしいお酒です。自信をもって断言します。
もしも「はじめてウィスキーをちゃんと飲んでみようかと思うけど、何がいいかな」と問われたら、いくつか候補は思いつきますが、ジョニ黒はお勧めベスト3に間違いなく入るはずです。

私が封を開けたジョニーウォーカーは、ブラックラベル(いわゆるジョニ黒)ですが、シェリーエディションという限定品で、詳しい説明はしませんが、ジョニーウォーカーのブレンデットにしてはややスモーキーな特徴を残しつつ、シェリー樽(シェリー酒を作ったあとの空樽)で長く寝かせた原酒を多めに使ったことで、私の大好きな独特の甘みが増して本当においしい。やや硫黄臭があるのでそっち系の香りが過度にダメな人は微妙ですが、基本的に万人に美味しいと言わせることのできるお酒です。これが3000円程度。。。値段間違えてませんか?



最近、いくつかの日本のウィスキーの銘柄が生産停止になり始めました。近年のハイボールブームでウィスキーの消費量が増加し、原酒が足りなくなってしまったためです。
ハイボール、つまりウィスキーのソーダ割ですが、私もとても好きです。夏場にのどが渇いた時にクーっと飲み干すと、最高に美味しいですね。でも、ウィスキーの本来の味をしっかりと味わうという意味においては、もっとも邪道な飲み方とも言えるかと思います。
それなのに、白州や余市などを筆頭に、けっこう高級なウィスキーを、ストレートやトゥワイスアップ(ウィスキーと水を半々で混ぜる飲み方で、氷は入れません)でキチンと飲んだこともないまま、そんな美味しいお酒をジャブジャブとソーダで薄めた居酒屋仕様の水みたいなハイボールにして飲んでしまい、そして結果として貴重な原酒がなくなっていってしうまうのは、正直なところ悲しいなと思います。

流行り廃りをどこういう気はないですが、本当は美味しいジョニ黒が、やはりそんな飲み方で安酒扱いされて消費されていくのは、ウィスキー好きとしては悲しいばかりです。

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2019/01/21 00:58
ぜひ飲んでください。

だるま=サントリーのオールドですが、わたしも良く飲みます。日常的に飲むにはやはり高いお酒は飲みづらいのですが、2000円以下で買えて、それなりに美味しいと思えて、簡単に手に入るお酒、という意味では、オールドはベストバイと個人的に思っています。

ハイボールが悪いと思ってないです。わたしも好きで良く飲みます。ただ、それなりに高額で実際おいしいウィスキーをキチンと味わったこともないまま、何か高い酒だからと分けもわからずハイボールにして飲んでしまい、そして「美味いねー、○○は」なんて話を横でされると、なんかガッカリしてしまうのです。。。
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2019/01/20 22:14
ジョニ黒かあ~♪
父が昔飲んでたな~(*^_^*)
たぶんいただき物だったんだと思う。
昔はウイスキーやブランデーが贈答品として良くあったから。
ふだんは「だるま」を好んで飲んでいたようでした。
お酒類を安売りするお店が増えてから、(なにか規制が緩和されたんだよね?良く知らないけど)
いただき物としてのお酒が減った気がします。

ハイボールは「もったいない飲み方」ではありますね。

もえーんさんの文章を読んで、久しぶりにウイスキーを飲みたくなりました。



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