Nicotto Town


安寿の仮初めブログ


ヴァン・ゴッホ美術館と街歩き。


 6時半に起きて、シャワー。
そして、7時からの朝食に一番乗りして、
ゆっくり朝食を摂った後、8時半に出発。
トラムに乗って、ヴァン・ゴッホ美術館を目指します。

  ううっ、今日は寒い。

 どのくらい寒いかという、前日の夕方に降った雨が、
歩道の石畳の上で凍っているため、すべります。
でも、アムステルダムの人々は、こんな日でも、
自転車ですいすいと通勤していきます。

 ヴァン・ゴッホ美術館のある地区は、
広い広場を挟んで国立博物館やコンセルト・ヘボウという
有名なコンサートホールが建ち並んでいる場所で、
日本で言えば、上野のようなところです。

 入口は現代的な建築のホールで、そこから一度、地下に降り、
そこがクロークやミュージアムショップになっているので、
コートとリュックサックを預けて入場。

 この美術館は、写真を撮ることができないので、
カメラはリュックの中にしまって、預けてしまいます。
ちなみに、ヨーロッパの美術館では、写真撮影が可能なところも多いです。

 9時の開館と同時に入場。
この美術館も、時間指定での入場なので、
インターネットで事前に購入しておきました。
まだ、誰もいない美術館に入場するのは、緊張します。

 この美術館は、オーディオガイドが、すばらしいですね。
それはまた、展示の構成が素晴らしいことでもあります。
日本語でのガイドがあったので、それを借りました。

 日本で開催される美術展のオーディオガイドは、
有名なタレントが声を担当していますが、
しかし、肝心な解説は他の人の声だったりします。

 ここのオーディオガイドは、別に有名人というわけではないでしょうが、
でも、ゴッホという画家の作品と人生がよく理解できるオーディオガイドですし、
展示の構成になっています。

 1階は、自画像が集められた部屋。
そして、徐々に階を上がって行くに連れ、
家族と暮らしていた、オランダのヌエネン時代。
そこからパリに出て行き、そして、南仏のアルルへ。
そこで自分の耳を切るという事件を起こしたゴッホは、
パリの北のオーヴェルで精神病院で過ごし、2ヶ月後に自殺。

 この美術館の構成は、ゴッホの伝説を、
ある意味で覆すような構成になっています。

 いわく、「ゴッホは独学で絵画を学んだ。ゴッホは孤独な人で、
彼の作品は、自らの狂気によって生みだされた」という伝説に対して、
彼が様々な人々から影響を受け、新しい色彩理論を学んだ人間であり、
それを実践したこと。

 彼が鬱状態の時は、作品は制作されず、
むしろ、精神的に安定している時に多くの作品が、
驚異的なスピードで作られたこと。

 そして、彼が手紙魔であったこと。
それはまた、彼は、彼の手紙を受け取る多くの人に恵まれていた
ということを意味します。

 この美術館を訪れて初めて知ったのですが、個人の美術館として、
これだけ充実したコレクションを持つ美術館が生まれたのは、
彼の家族、なによりも画商を営んでいた弟のテオの存在が大きかったのです。

 テオ・ゴッホは、ヴィンセント・ゴッホの生活を支え、
テオ自身は、ヴィンセントの死の翌年に亡くなってしまうのですが、
テオの未亡人とその息子が、テオの遺産を引き継ぎ、
そこにゴッホの多くの作品が含まれていたため、
このようなゴッホの人生と作品の全貌を知る美術館が生まれたのでした。

 ゴッホの人生が幸せであったかどうかは、何とも言えませんが、
少なくとも彼を支え、彼の作品を後世に残そうとした人たちに
恵まれていたことは、間違いありません。

 その点で、彼は、幸せな人と言えるでしょう。
彼を知る上で、大きな意味を持つ作品は、
散逸することなく、この美術館の中で、その多くを見ることができるのですから。

 美術館の図録と絵はがきを数点購入。
9時に入場して、午後の2時まで、この美術館に滞在しました。


 その後、芝生に覆われた広い広場を抜けて、国立美術館の方に向かえば、
途中には、野外アイススケート場が開設されていました。
運河は、水が流れているので凍ることはないようですが、
水が流れ出ないようにすれば、アムステルダムの気温では、
野外でもこうしてアイスリンクができるのです。

 そこから、トラムの線路に沿って、
市立劇場、昨日の花市とレンブラント広場を抜け、
跳ね橋を写真に納め、蚤の市を覗き、
レンブラントの家の前を過ぎて…

 ううっ、しばれる~。
1時間程度、街歩きしただけなのに、
寒さで顔がこわばっています。

 それでも、まだ明るい時間帯でしたし、
観光客も大勢歩いていたので、
いよいよ「飾り窓」地帯に突入してみました。

 「飾り窓」。それはまた、次回に。


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2019/02/06 06:11
>うとうとさん

入場時間の指定はあっても、退場はいつでもいいのです。
ですから、私のように、じっくりと見て回ることも可能です。

まあ、団体の観光客もたくさん来るから、
その制限のために、入場時間の指定を行っているのでしょう。

昨日のアンネ・フランクの家は、
施設自体が小さいから、時間指定をする必要があるのでしょうし、
ゴッホ美術館では、ゴッホは大作を描く画家ではないので、
一枚一枚の絵がそれほど大きくはなく、
日本の展覧会のように、大勢の鑑賞者がのぞき込むように鑑賞しているから、
なかなか前に進めないといったことがないようにしているのでしょう。

館内にレストランもカフェもありますよ。
ですから、一日中、いられます。

団体と言えば、小学生ぐらいの子どもたちの団体がいくつも、
引率の大人、おそらく先生か、美術館のガイドの人に連れられて、
この美術館を廻っていました。

ちゃんと鑑賞プログラムがあるみたいで、
絵の説明を聞きながら、自分なりに考えたことを
メモしたりしているのです。

  こんな授業を私も受けたかった。


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2019/02/05 12:34
入場時間は予約があって、退出はいつでもいいのですか?
長居しても混雑することはないのでしょうか?
心ゆくまで観賞できるのがいいですね^^
館内にしレストランがあるのかしら?



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